任意保険の仕組みと内容。SAP、PAP、BAPの時代とは?

車

万が一交通事故を起こしてしまった場合、頼りになるのが任意保険。自賠責保険だけでは物足りない。しかし自身が加入している保険の補償内容について、よく理解していない人が多いのではないでしょうか。歴史をたどって、自身の保険内容をいま一度確認してみましょう。

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任意保険の基本的なパックは「SAP」と呼ばれていたもの

歴史をたどって、補償内容を再確認してみよう

一般的には自動車保険と呼ばれる任意保険ですが、その仕組みをしっかりと理解し、補償や適用される範囲を熟知している人はどれほどいるのでしょうか。

自賠責保険と任意保険の差くらいは分かっていても、自分が加入している保険が、もし万が一交通事故を起こしてしまった場合、十分な補償を得られるものか、知っておくことは非常に重要です。

保険料一律の時代から自由化への移り変わり

現在の任意保険は、ダイレクト系と呼ばれる通販型がさらに発展してインターネットからの申し込みも可能となり、しっかりと補償内容を理解して比較することも簡単になっています。しかし自由化前に加入していた流れから、契約内容を見直さずに惰性で継続している人もいるのではないでしょうか。

任意保険の歴史と変遷をたどりつつ、保険に対する知識を深め、より効率良いサービスを受けられる契約見直しを考えてみましょう。

自動車保険の自由化は1998(平成10)年から

日本で最初に自動車保険が販売されたのは、1914(大正3)年のことでした。自動車保険の営業認可を受けたのは現在の東京海道日動で、自動車がまだ1,000台ほどしか走っていなかった時代です。その後自動車が普及し交通事故が多発したことを受け、1955(昭和30)年に自動車損害賠償保障法が制定され、翌年にはすべての自動車保有者に対して自賠責保険の加入が義務付けられました。

任意保険も保険料が同じ時代があった

強制保険と呼ばれる自賠責保険に対して、加入が運転者の任意となるという意味で、それ以前の自動車保険が任意保険と呼ばれるようになりました。一方、当時は任意保険も保険料は同じで、どこの保険会社で入っても補償内容は変わらなかったのです。

その状態に変化が起きたのは、1998(平成10)年と、それほど昔のことではありませんでした。

自動車が増え、任意保険が増え、サービスも増えた

1970年代から80年代にかけては、任意保険は補償内容の拡充が進んだ時代です。この頃、現在では付帯されていて当たり前の示談交渉サービスを備えた「家庭用自動車保険(FAP)」が発売され、これに自損事故保険や無保険車傷害保険を追加した「自家用自動車保険(PAP)が登場しました。

その後、「自家用自動車保険(PAP)」に車両保険や対物事故における示談交渉サービスなどを付け加えた「自家用自動車総合保険(SAP)」が出てきましたが、これが現在の任意保険の原型になったと言われています。

保険料自由化で、一気に自由化が進む

1998(平成10)年までは、任意保険においては損害保険料率算定会(現在の損害保険料率算出機構)団体が算出する保険料率(算定料率)の使用義務がありました。どこの保険会社で契約しても、補償内容が同じであれば保険料も横並びで、価格競争はなかったのです。

1994(平成6)年から始まった日米保険協議は、95年に新保険業法を成立させ(施行は翌年)、保険の自由化が一気に進みました。そして1998年に損害保険料率算出の保険料率の使用義務が撤廃され、保険会社によって保険料に差が付くことになりました。

また、ドライバーや車両の事故リスクに合わせて保険料が算出されるリスク細分型自動車保険が誕生し、通信販売の認可、インターネット販売へと、さらにサービスは細分化されていくことになりました。

任意保険はセット売りが基本

任意保険は、強制加入の自賠責保険では賄いきれない補償を補う形で加入するのが一般的です。

任意保険は民間の保険会社がサービスを提供しているため、会社によって提供している保険の内容が微妙に違います。

しかし、基本的は「対人」「対物」「搭乗者」「自損事故」「無保険者」「車両」「人身傷害」の7つを組み合わせたセットによる販売で、その組合せは基本的に4種類に分けられます。

SAP、PAP、BAPとは?

現在ではほとんど聞かれることはありませんが、任意保険の種類は、1970年代から80年代に発売が開始されたセット売りの形が基本となっているものもあります。

この内容を確認することで、現在の任意保険を再確認するのも良いかもしれません。

  • SAP(Special Automobile Policy)
  • PAP(Package Automobile Policy)
  • BAP(Basic Automobile Policy)
  • ドライバー保険(※)

(※)ドライバー自身に、自分で保険をかける場合は、一般的に「ドライバー保険」と呼ばれていました。

任意保険の契約の種類は上記のような4種類になっていました。

それぞれの内容を以下に説明します。

「SAP」一般的な乗用車向け任意保険のセット保険

「SAP」は、「自家用自動車総合保険」と呼ばれるセットです。「SAP」には「人身傷害補償保険」以外、任意保険で想定されている全ての保険がセットになっています。

補償内容

対人賠償、対物賠償、搭乗者傷害、自損事故、無保険車傷害、車両保険

「SAP」に含まれない人身傷害補償は、搭乗者傷害でカバーできる面もありますので、自動車を所有する運転者にとって、最適な保険セットだと言えるでしょう。ただし、加入できる自動車は自家用車や軽自動車など、一般的には乗用車といわれるものが対象で、業務用のトラックやバイクなど、車種によっては加入できない場合があります。

また「SAP」の最大の特徴は、加入すれば対人事故や対物事故に関する示談交渉をすべて保険会社が代行してくれるという点です。

交通事故の被害者の立場からすると、交通事故に巻き込まれた場合に加害者本人ではなく保険会社の担当者との交渉になるのは、「SAP」の普及率が非常に高い証でもあります。

「PAP」はトラックやバイクでも加入できる

「PAP」は、自家用自動車保険と呼ばれるセットです。「SAP」から「総合」が抜けていますが、保険に加入できる範囲からいえば、こちらの方が総合的で、商用車やバイクでも加入が可能になっています。

補償内容

対人賠償、対物賠償、搭乗者傷害、自損事故、無保険車傷害

「PAP」に含まれる補償5つで、「SAP」にある「車両保険」が入っていません。

どうしても車両保険を付与したければ、「PAP」とは別に任意で契約する必要があります。

また、「PAP」でも示談交渉を代行できますが、その範囲は対人事故に限られているケースが多いと言われています。補償の範囲も「SAP」に比べて狭くなっているという特徴もあります。

「BAP」は自分に必要な保険だけを選べる

「SAP」にしても「PAP」にしても、セットにすることで保険料の総額が割安になるメリットがありますが、それでも5つ、あるいは6つの保険がセットになっていますので、割引されていてもそれなりの金額にはなります。この保険料を抑えたい運転者に向けて用意されているセットが、一般自動車保険と呼ばれる「BAP」になります。

「BAP」は、補償の中で自分に必要だと思う保険だけを選択します。

ただし、たいていの保険会社は、対人補償と対物補償、そして車両保険の3つのうち、必ず1つには加入することを条件にしています。それ以外の保険はいくつ選んでも自由ですし、「BAP」を選択する人の多くは、自分の損失は保険をかけず、他人の被害に対して保険を使い、迷惑をかけないようにしようと考えている方が多いようです。

単に保険料が安くなればOKという安易な考えで「BAP」を選ぶのでは、加入する意味がありません。

ちなみに「BAP」には示談交渉の代行サービスは付帯されていないケースが多く、万が一事故を起こした場合、保険会社は示談交渉を行ってくれません。

「ドライバー保険」は、運転者本人にかける保険

「SAP」や「PAP」など、これまで紹介してきた保険のセットは、運転者本人が車を所有している場合のものです。

免許は持っていても車を所有していない人向けの保険が「ドライバー保険」となります。

補償内容

対人賠償、対物賠償、搭乗者傷害

「ドライバー保険」は、自動車を運転して事故を起こしてしまった場合、被害者に迷惑をかけない最低限の補償だといえるでしょう。ただし、保険会社によって補償範囲が相当な差があり、借りた車には適用されない、あるいは家族所有の車には保険が使えないなど、保険会社ごとに条件にバラつきがあります。

現在の任意保険は、より細分化され充実の内容

以上が任意保険の基本的な補償となりますが、現在では補償内容がより細分化され、サービスも充実したものとなっています。

また、過当競争や保険金不払いの問題もあったため、より補償内容が簡素化される傾向にあります。

インターネットで横並びの比較もしやすい時代になっていますので、長い間検討をしていない方は、補償内容の確認をしてみてはいかがでしょうか。

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