交通事故は7歳が危ない。パパママが知っておきたい「魔の7歳」への対策

魔の7歳。交通事故は7歳が危ない

“魔の7歳”という言葉を聞いたことがありますか?

実は交通事故にもっとも遭いやすいのは、7歳の子どもだと言われています。
なぜ7歳だけが突出して危ないのでしょうか?
交通事故に遭わないための対策についても、併せて紹介します。

交通事故における「魔の7歳」とは?

未就学児と小学1~2年生の子どもを育てている人にとっては恐ろしい、“魔の7歳”という言葉。
この言葉が誕生したきっかけは、交通事故総合分析センターが発表した統計データでした。

『年齢別歩行中の交通事故死傷者数(令和元年)』によると、全年齢の中で際立って多かったのが7歳の死傷者数だったのです。

では一体なぜ、7歳児だけがこれほど交通事故の犠牲になっているのでしょうか?

交通事故で7歳が危険な理由

下校する小学生

小学校に入学した直後であること

全年齢の中でも7歳が最も危険である理由としては、小学校に入学した直後であることが考えられます。

未就学児までは、親が常に寄り添いながら通園や外遊びを見守っていることがほとんどです。
外を移動するときは子どもの手を繋ぐか抱っこしていることが多いため、親が目を離さない限りは交通事故に遭うリスクが低いのでしょう。

ところが小学校に入学すると一転、子どもは親の手を初めて離れ、一人で登下校したり外遊びしたりすることになります。

小学生に多い下校中・遊戯での交通事故


小学生歩行中の通行目的別 死者・重傷者数(H26~H30年合計)
※歩行中児童の交通事故の特徴等について(平成31年) より引用(PDFファイル)

警視庁が公表している『歩行中児童の交通事故の特徴等について(平成31年)』によると、『小学生歩行中の通行目的別 死者・重傷者数(H26~H30年合計)』では、最多が「下校中」(21.8%)。次いで「遊戯」(20.5%)でした。

交通ルールをまだ熟知しておらず、一人での行動に不慣れな子どもは、うっかり危険な行動を取ってしまうことがあります。

子どもの視野は大人の約3分の2しかない

子どもの視野が大人に比べて狭いことも、交通事故の被害に遭いやすい原因の一つと言われています。
大人の視野が左右150℃・上下120℃であるのに対し、子どもの視野は左右90℃・上下70℃。約3分の2しかありません。

大人と子どもの視野の違い
大人であれば視界の端で自動車を認識できても、子どもの場合は視界に自動車が一切入っていないことがあります。
小さな子どもは、顔を真横に振らないと自動車が近づいていることにも気づけないのです。

子どもの旺盛な好奇心が事故の原因に

さらに子どもの特性として、大人よりも好奇心旺盛で注意力散漫ということが挙げられます。
小さな子どもにとって、この世の中は初めてのことで満ちあふれていますから、当然と言えば当然のことかもしれません。

自分の興味を引きそうな面白いものを発見すると、それしか目に入らなくなり、突然ダッシュして近づこうとしたりします。

警視庁が公表している『歩行中児童の交通事故の特徴等について(平成31年)』によると、『小学生歩行中(第1・第2当事者)の法令違反別死者・重傷者数(H26~H30年合計)』の最多が「飛出し」(38.9%)、次いで「横断違反」(17.6%)となっていました。

大人よりも視野が狭いことに加えて、好奇心旺盛・注意力散漫である性質も十分把握しておくべきでしょう。

小柄なのでドライバーの目に入りづらい

中学年~高学年にもなると身長も伸び、行動に落ち着きも出てきます。しかし低学年の7歳児は、まだまだ未就学児の面影が強く残る、小柄な外見。動きも不規則で、予想外の行動を取ったりします。

自動車のドアミラーの高さと同じぐらい、または下回る身長の子どもも少なくありません。ただでさえ小さな子どもがしゃがんでいたりすると、ボンネットに隠れてしまうこともあります。
それ故に自動車を運転しているドライバーからは視界に入りづらいことも多く、非常に危険です。

とくに夕方から夜間にかけては、ドライバーの方もまさか小さな子どもが一人でいるとは思わず、車で轢いてしまってから初めて子どもの存在に気づくケースもあります。

パパ・ママにできる「魔の7歳」対策

信号のボタンを押す親子

休日は一緒に行動して交通ルールを教える

小学校に入学しても、休日は手を繋いで移動しましょう。模範的な大人として交通ルールを守っているところをお手本として示し、一つずつ確実に教えておきましょう。

交通ルールの説明はしつこく何度も、具体的に

小学低学年の子どもは一人行動に不慣れで、交通ルールを熟知していません。
人生経験が少ないために交通事故の危険性についてもあまり実感しておらず、楽天的なところもあります。
「一回言ったらわかるだろう」と考えずに、しつこいくらいに何度でも繰り返し言い聞かせることが大切。

その際には、「ちゃんと」「しっかり」「危ないから」などの抽象的な表現はせず、具体的に説明することが大切です。
人生経験と知識が少ない子どもは、抽象的な言葉から想像力を働かせて危険性を正確に理解することが難しいからです。

「なぜ危ないのか」「具体的にどんな行動をいつ取るべきかのか」「実際にどんな怖い事故が起こったのか」など、子どもでも理解しやすい言葉で説明しましょう。

夜の外出時は、子どもの手を離さない

とくに夜間に家族で外出する際には、必ず子どもの手をひいて離さないことが大切です。
夜間はドライバーが子どもの存在に益々気づきにくくなります。ドライバーの視界に入りづらい小柄な子どもが突然夜の駐車場で走り出し、交通事故に遭うケースは少なくありません。

目立つ色の服や帽子を身につけさせる

近年は、迷彩柄やアースカラーなど落ち着いた色合いの子ども服が人気です。
大人顔負けのデザインは確かにお洒落ですが、子どもが周囲の景色に溶け込んでしまいやすく、ドライバーの目に留まりにくいという危険性があります。
子どもの交通安全を重視するのであれば、なるべく明るく目立つ色の服や帽子を身につけさせましょう。

とくに夕方から夜間にかけて習い事などに通っている場合は要注意。暗い色の服などは、いくらかっこいいデザインでも避けた方が良いでしょう。
車のライトで光るリフレクターつきの帽子やカバン、光る素材の服などもオススメです。

まとめ

7歳児がもっとも事故に遭いやすいということが、統計データから明らかになっています。登下校や外遊びの際に突然飛び出したりして、被害に遭うケースが少なくありません。

大人ができる対策としては、何度も根気強く交通ルールを子どもに教えること、休日は一緒に行動して大人がお手本を見せること、目立つ色の服や帽子を身につけさせることなどが効果的です。

子どもの成長を頼もしく思う時期と「魔の7歳」は重なります。悲しい事故を避けるためには、日頃から大人がケアし続けることが重要です。

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