交通事故で全治2週間と診断された場合の慰謝料額はおいくら?

怪我

交通事故で「全治2週間」と診断されても慰謝料請求は可能です。また、当初全治2週間という診断でも実際には2週間では治療が終了しないケースも多々あり、その場合には慰謝料も相当大きな金額になる可能性があります。また、軽微な怪我と思って物損事故として届け出ても、実際には全治2週間やそれ以上の怪我をしていることもあるものです。交通事故で対応に困ったら、まずは弁護士に相談して損をしないように行動しましょう。

全治2週間でも「人身事故」なら慰謝料請求できる!

慰謝料を請求できるのは「人身事故」のみ

一般に、交通事故の被害に遭うと、加害者に対して「慰謝料請求」できるイメージがありますが、慰謝料はすべての交通事故において発生するものではありません。交通事故の中でも、慰謝料が発生するのは「人身事故」のみです。交通事故には人身事故と物損事故の2種類がありますが、物損事故の場合には、相手に慰謝料請求できないのです。

まずは、人身事故と物損事故の違いをみておきましょう。

人身事故とは

人身事故とは、人の死傷結果が発生した交通事故です。交通事故が起こって、被害者が怪我をしたり死亡したりすると、人身事故になります。そこで、打撲やかすり傷などの小さな怪我であっても、怪我をした以上は人身事故です。

ただし、人身事故扱いにしてもらうには、交通事故を警察に報告する際に、人身事故として届け出る必要があります。打撲やかすり傷などの軽傷の場合、本人も大事とはとらえずに「物損事故」として届け出てしまうこともよくあるので注意が必要です。その場合には、実際には怪我をしていても、物損事故扱いになってしまいます。

物損事故とは

物損事故とは、交通事故の結果、車や住宅などの「物」が壊れる物的損害のみが発生した交通事故です。つまり、人が死傷していなかったら物損事故扱いとなります。車が壊れていても、死傷した人がいたら人身事故扱いです。

ただし、先に説明したように、人身事故か物損事故かは当初の警察への届け出内容によって決まってくるので、打撲やかすり傷などの場合でも、被害者が納得して物損事故として届け出てしまったら、その後その交通事故は物損事故として取り扱われてしまいます。

人身事故として届け出をした場合の慰謝料

以下では、打撲などの軽傷の場合でも、きちんと人身事故として届け出をした場合の慰謝料について、ご説明します。

「全治2週間」でも慰謝料請求できる

事故当初に人身事故として届け出ていれば、その交通事故は正式に「人身事故」として取り扱われます。人身事故の場合には、被害者に慰謝料請求権が認められるので、医師の診察の結果「全治2週間」と診断された場合にも、当然加害者に対して慰謝料請求ができます。

全治2週間で請求できる慰謝料の種類

全治2週間と診断された場合、慰謝料はどのくらいになるのでしょうか?

交通事故の慰謝料には、入通院慰謝料と後遺障害慰謝料と死亡慰謝料の3種類があります。全治2週間の場合、被害者は死亡していないので死亡慰謝料は発生しません。また、軽傷で後遺障害が残らないケースが多いでしょうから、通常は後遺障害慰謝料も発生しません。

よって、請求できる可能性のある慰謝料は、入通院慰謝料となります。

入通院慰謝料とは

入通院慰謝料とは、交通事故の被害者が怪我をしたことによって受ける精神的苦痛に対する賠償金です。交通事故で怪我をしたら、被害者は恐怖や痛みを感じ、精神的に強い苦痛を受けると考えられるので、入通院慰謝料が認められます。

それでは、入通院慰謝料は、どのようにして計算するのでしょうか?

入通院慰謝料は、その名の通り「入通院した期間」に応じて計算されます。入通院による治療日数が長ければ長いほど、金額が増額されます。反対に言うと、入通院期間が短期間だと慰謝料が安くなりますし、入通院しなかったら、たとえ怪我をしていても慰謝料は基本的に0円となってしまうということです。

また、同じ治療期間であれば、通院よりも入院の方が、慰謝料は高額になります。通院よりも入院が必要な怪我の方が重大な怪我であると考えられますし、実際にも通院より入院の方が、被害者にとって負担が大きくなるからです。

全治2週間の場合の入通院慰謝料

全治2週間の場合、具体的にはどのくらいの入通院慰謝料が発生するのか、みてみましょう。入通院慰謝料は、月単位で計算しますが、端数が発生する場合には、通院日数に応じて計算します。

全治2週間と診断されて、本当に2週間通院して怪我が完治したとしましょう。その場合、通院日数は14日です。そして、入通院慰謝料の相場によると、1か月通院した場合の金額は19万円程度です。そこで、2週間通院した場合の入通院慰謝料は、19万円÷30日×14日=88,666万円程度となります。

以上より、交通事故で打撲などの傷害を負い、2週間通院を継続した場合には、加害者に対して88,666円の入通院慰謝料を請求できることとなります。

全治2週間でも2週間以上治療にかかる場合がある

2週間で治療が終わらない場合には慰謝料が増額される

交通事故で軽傷となり、「全治2週間」などの短期間の加療が必要と判断されたときには、1つ、注意点があります。それは、実際には2週間で怪我が完治するとは限らないことです。医師が「全治2週間」と判断するのは、あくまで当初に本人の状態を診察して、そのときの状況から予測した結果にすぎません。実際には、思ったより傷が深かったり当初は気づかなかった別の症状が発生したり、本人の治癒能力その他の原因によって、治療期間が2週間より長びくケースは多々あります。

たとえば、当初は単なる打撲や軽い捻挫と思っていたけれども、実際には軽く骨折している場合もありますし、たちの悪いむちうちになってしまっている場合などもあります。このように、全治2週間と診断されても実際には通院期間が長引いた場合には、実際に入通院治療にかかった期間に相当する入通院慰謝料が支払われます。

また、軽傷の場合と通常程度の怪我では適用される入通院慰謝料の基準が異なるので、単なる打撲や捻挫などの軽傷で済んでいないと判明したら、より高い基準で入通院慰謝料が支払われます。

治療期間に応じた入通院慰謝料の具体例

全治2週間と診断されても予想外に治療期間が長引いた場合、どのくらいの入通院慰謝料が認められるのか、具体例で確認しましょう。

通院1か月かかった場合

2週間では完治せず、1か月かかってようやく完治したケースでは、入通院慰謝料は19万円程度となります。骨にヒビが入っていたような場合などには慰謝料が増額され、28万円程度に上がります。

通院3が月かかった場合

実は骨折していたなど、意外と重い怪我をしていて完治するまでに3か月間の通院が必要になったケースでは、入通院慰謝料は73万円となります。

通院半年かかった場合

意外と怪我が重く、完治するまでに半年間の通院が必要になってしまった場合には、入通院慰謝料は116万円程度となります。

入院1か月、通院5か月かかった場合

当初に捻挫として全治2週間と診断されても、実は重大な症状が見逃されていて、後に手術が必要になってしまうケースがあります。そのような経緯で入院が必要となり、入院1か月、通院5か月の治療が必要になったケースでは、入通院慰謝料は141万円程度に上がります。

以上のように、交通事故当初に「全治2週間」と診断された場合でも、その後の治療経過や入通院の日数、受ける処置の内容などにより、入通院慰謝料の金額が大きく異なってきます。適切な金額の慰謝料を受け取るためには、まずは人身事故として届け出て、状況に応じた治療を受けることが大切です。

「全治2週間」と診断されたが、後遺障害が残った場合

後遺障害認定を受けられる可能性がある

交通事故後、当初の診断では「全治2週間」とされたとしても、重大な症状が見逃されている場合や後に症状が顕れてくる場合があります。たとえば、実は足の骨が骨折したり靱帯を損傷していたりしても見逃される場合がありますし、むちうちなどの場合には、後になって痛みやしびれが強くなってくることもあるものです。

このように、「実は重症」だった場合、治療を受けても完治せずに「後遺症」が残ってしまうこともありえます。骨折した場合には、関節を動かしにくくなってしまうことが多いですし、変形が残ったり、骨折部位にいつまでも痛みなどの症状が残ってしまったりすることもあります。むちうちの場合には、いつまでも首や肩などの痛みやしびれが消えない症状が残ります。

後遺症が残った場合には、後遺障害等級認定を受けて、加害者に対して後遺障害慰謝料を請求することも可能です。

後遺障害認定を受けた場合の慰謝料

たとえば骨折やむち打ちで12級の後遺障害が認定されると、後遺障害慰謝料は290万円になります。14級が認定された場合、後遺障害慰謝料は110万円程度です。

後遺障害慰謝料は、上記で紹介した入通院慰謝料とは別に支払われるので、後遺障害が認定されると、慰謝料の金額は合計して数百万円レベルになります。たとえば通院6か月、後遺障害12級の場合、入通院慰謝料116万円+後遺障害慰謝料290万円=406万円の慰謝料を請求できます。

物損事故として届け出てしまった場合

物損事故として届け出ると対人賠償責任保険が適用されない

ここまでは、交通事故当初にきちんと「人身事故」として届け出をした場合について解説してきましたが、打撲などの場合、軽く考えて「物損事故」として届け出てしまう方も多いです。また、むちうちなどの場合には、外傷はありませんし事故現場でまったく自覚症状がないので、何の疑問もなく「物損事故」の報告をしてしまう被害者の方もおられます。

しかし、後に「やっぱり痛みが出る」と思い、病院に行くと「全治2週間」などと診断されるのです。その場合、相手に入通院慰謝料を請求できるのでしょうか?

実は、このような場合、相手から入通院慰謝料を支払ってもらえない可能性が高いです。特に相手が保険会社の場合、「物損事故」には「対人賠償責任保険」が適用されないからです。

交通事故の2つの保険

交通事故の被害者に対する保険には2種類があります。1つは対人賠償責任保険、もう1つは対物賠償責任保険です。対人賠償責任保険は、被害者に発生した人身損害を補填するための保険です。ここには治療費や休業損害、逸失利益などの他、慰謝料が含まれます。対人賠償責任保険は、人身事故を前提とした保険です。

対物賠償責任保険は、被害者に発生した物損を補填するための保険です。ここには車や建物の修理費用、代車費用、積荷の損害などの物的損害は含まれますが、慰謝料は含まれません。

そして、物損事故扱いになると、対物賠償責任保険しか適用されず、対人賠償責任保険が適用されないので、慰謝料が支払われないのです。実際には怪我をして「全治2週間」であっても、物損事故扱いのままでは慰謝料も治療費も休業損害も一切支払われない可能性が高いです。

物損事故として届け出てしまった場合の対処方法

軽い打撲などのケースで、事故当初に物損事故として届け出てしまったけれど、後に傷みが酷くなってきて「全治2週間」と診断された場合、慰謝料はあきらめて泣き寝入りするしかないのでしょうか?

そのようなことはありません。物損事故の届け出をしても、その後実は怪我をしていることが判明したら、物損事故から人身事故への切り替えをすることが可能だからです。切り替えが認められたら、その事故は人身事故として取り扱ってもらえるので、対人賠償責任保険が適用されて慰謝料や治療費などの人身損害への賠償金が支払われます。

物損事故から人身事故へ切り替える手順

物損事故から人身事故へ切り替えるには、警察で手続きをしなければなりません。そのためには、まずは「診断書」が必要です。診断書は、医師が診察や治療の結果、患者の病状や傷病名、加療期間などを書き込む書類です。診断書に「頸椎捻挫(むち打ち)」「打撲」「骨折」などとはっきり傷病名を書いてもらい、「全治2週間」「加療1か月」などと治療にかかる見込み期間を書いてもらえれば、「怪我をしている」ことの証明ができます。交通事故後にすぐに病院に行って診断をしてもらえば、その怪我が交通事故によるものと証明できるので、警察でも物損事故から人身事故への切り替えを認めてくれるのです。

そこで、交通事故後に「やっぱり痛みがある」などと感じたら、すぐに病院に行き、医師による診察を受けて診断書を書いてもらいましょう。そして、すぐに警察署に持参して、物損事故から人身事故への切り替えの申請をすべきです。

切り替えが認められたら、自動車安全運転センターで「人身事故の交通事故証明書」を発行してもらえます。この書類を保険会社に提出すると、対人賠償責任保険が適用されて、慰謝料や治療費などの必要な賠償金を支払ってもらうことができます。

切り替えができる期間について

物損事故から人身事故へ切り替えをするとき、「期間」があるので注意が必要です。具体的に、「〇日以内」という法律その他の定めはありませんが、あまり遅くなると、「受傷と交通事故との因果関係が不明」と判断されて、警察で切り替えを受け付けてもらえなくなってしまうのです。

交通事故後、痛みなどの自覚症状が出てきたら「すぐに」病院に行って診断書をもらい、警察に届を出すべきです。切り替えは、できれば交通事故後3日以内、どんなに遅くとも10日以内には行いましょう。

このとき「もう少し様子を見ていたら治るかもしれない…」などと考える方がおられますが、危険です。治れば良いですが、治らなかったら切り替えが受け付けられなくなってしまう可能性が高まるからです。

切り替えをしたけれど、すぐに痛みが引いたのであれば、特に問題がなかったというだけで不利益はありません。しかし切り替えをせずに、痛みが引かなかったら、慰謝料を受け取れなくなるので、大きなリスクが発生します。事故後に異変を感じたら、すぐにでも病院に行って診断書をもらいましょう。

切り替えの期間を過ぎてしまった場合の対処方法

交通事故後、病院に行って「全治2週間」などの診断書をもらっても、事故後に長い日数が経過していたら、警察では切り替えを認めてもらえません。

その場合、保険会社に対して「人身事故証明書入手不能理由書」という書類を提出すると、人身事故扱いにしてもらえます。「人身事故証明書入手不能書」の書式は保険会社にあるので、申請して送ってもらいましょう。

ここには「なぜ人身事故として届け出なかったのか」理由を書かなければなりません。理由はいくつか書いてあって選択可能です。当初軽い怪我と考えて物損事故として届け出てしまった場合などには「受傷が軽微で短期で通院を終了する予定であったため」などの理由を選択して提出すると良いでしょう。

この書類が受け付けられると、たとえ人身事故の証明書が発行されなくても保険会社において人身事故として取り扱われるので、慰謝料や治療費、休業損害などの人心損害の賠償金を受け取ることができるようになります。

全治2週間の交通事故で、対応に迷ったら弁護士に相談を!

交通事故当初に「全治2週間」と診断されても、実際にはもっと治療期間が長引くことがありますし、ときには後遺障害が残るケースも考えられます。また、当初物損事故として届け出てしまったので、切り替えが必要な方もおられます。

このような場合、適切な対応を要求されるので、被害者1人で取り組むより、弁護士に力を借りる方が安心で確実です。交通事故で悩みがある場合には、1度交通事故に精通している弁護士に相談してみましょう。

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