後遺障害8級認定の獲得手順~症状と弁護士に依頼した慰謝料相場~

後遺障害8級

後遺障害第8級の症状は身体の動きを制限されるものが多く、交通事故に遭う前と同じ仕事や学校などの社会生活に戻ることが難しいものも多く該当します。弁護士の力を借りて加害者との示談交渉を進め、適正かつ十分な、慰謝料を含む損害賠償を受けましょう。

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交通事故による後遺障害の慰謝料を獲得するために

交通事故による負傷が、相当程度の期間の医師による治療を受けても完治せず、被害者に残ってしまった症状を後遺障害と呼びます。

後遺障害が残ってしまった場合に、交通事故の被害者は加害者に慰謝料を請求することができ、後遺障害に対する慰謝料は、自動車損害賠償保障法(自賠責法)に定められている後遺障害の等級と、自賠責基準、任意保険基準、弁護士(裁判)基準といった、被害者による請求方法の基準で決まってきます。

後遺障害と認められるためには条件が必要

交通事故の負傷の症状が残っていて、後遺障害の慰謝料を加害者に請求するためには、後遺障害の等級認定を受ける必要があります。後遺障害を背負わされた被害者の苦しみを金額に変えることはできませんが、損害賠償の手続きを円滑に進めるための制度と言っても良いかもしれません。

等級の認定を受けるためには、以下のような条件があり、これらの条件を満たし、なおかつ医師が発行する後遺障害診断書や資料などを添え、損害保険料率算出機構に後遺障害認定の申請を行います。

  • 交通事故の状況と、被害者が医師に申告する症状の程度が一致すること
  • 事故発生当初から医療機関へ定期的に通院していること
  • 事故発生当初から被害者が訴える症状が続いており、一貫性があること
  • 後遺障害の症状が重いと認められ、日常生活において症状が継続していること
  • 後遺障害の症状と矛盾のない画像診断や検査結果があること

後遺障害第8級の認定を受けようとする症状が残った被害者であれば、事故直後に医師の診察を受けていないことはないでしょうし、定期的に通院せざるを得ないと考えられますので、以上の条件を満たすのは難しくないと思われます。

しかし一方で、後遺障害認定の申請には、専門的な知識を持って書類の準備や資料の整理を行わなければならず、以上の条件が揃っていたからと言って、必ずしも認定を受けられるとは限りません。申請時の書類の不備や資料の不足があれば、後遺障害の認定は難しいとされているのです。

そのような状態を避けるためには、交通事故の後遺障害認定に実績のある弁護士に手続きを依頼し、認定が受けられるようにすることが望まれます。

後遺障害第8級認定に該当する後遺障害は?

後遺障害の等級は、後遺障害の症状が最も重いものが第1級で、軽くなるごとに級数の数が増え、最も症状の軽い等級が第14級となります。

本項で説明する後遺障害第8級は、労働能力喪失率は45%と定められています。労働能力が健常者の半分ほどしかないという重い後遺障害を背負ってしまった状態となります。

このような重い後遺障害が残ってしまうと、事故に遭う前と同じ仕事や学校など、社会生活に復帰するのも難しいかもしれません。特に運動能力が大きく低下してしまう症状が多いため、元の仕事ができなくなったことに値する十分な損害賠償を受けたいところです。

後遺障害第8級の認定条件となる後遺障害の症状

どのような後遺障害が残ってしまった場合に後遺障害第8級に相当するのか、その症状を列挙します。

後遺障害第8級認定に必要な条件
1号 一眼が失明し、又は一眼の視力が〇・〇二以下になったもの
2号 脊柱に運動障害を残すもの
3号 一手のおや指を含み二の手指を失ったもの又はおや指以外の三の手指を失ったもの
4号 一手のおや指を含み三の手指の用を廃したもの又はおや指以外の四の手指の用を廃したもの
5号 一下肢を五センチメートル以上短縮したもの
6号 一上肢の三大関節中の一関節の用を廃したもの
7号 一下肢の三大関節中の一関節の用を廃したもの
8号 一上肢に偽関節を残すもの
9号 一下肢に偽関節を残すもの
10号 一足の足指の全部を失ったもの

これらの条件に1つでも当てはまる症状があれば、後遺障害第8級認定を受けることができます。

後遺障害8級と判断される具体的な症状は?

上記の認定条件を、それぞれ具体的に説明します。

1号)一眼が失明し、又は一眼の視力が〇・〇二以下になったもの

交通事故によって片方の眼を失明、または矯正視力が0.02以下になった場合です。視力が0.02というのは強度の近眼の場合はよくあることですが、この場合矯正視力は裸眼ではなく、メガネやコンタクトレンズを装着した場合の視力を指します。

失明に関しては、後遺障害第8級が最も軽いものになります。他方の眼にまったく後遺障害が見られないためです。また、自賠責保険の後遺障害等級の規定では、右目と左目の区別、いわゆる利き目かそうでないかの別はありません。

2号)脊柱に運動障害を残すもの

交通事故によって脊柱に運動障害が残った場合、後遺障害第8級が認定されます。脊柱とは、頭蓋骨から尾骨まで続く、連続した脊椎を指します。人間の運動機能の軸となる部分であるため、後遺障害の症状が残るとかなりの労働能力損失となります。

具体的には、首の骨や背骨の可動域が2分の1以下、頭蓋骨から首の骨、背骨にかけて著しい異常可動性がある場合です。本来動かせないような方向に骨が曲がってしまう症状があるケースもあります。

3号)一手のおや指を含み二の手指を失ったもの又はおや指以外の三の手指を失ったもの

交通事故によって片方の手の親指を含む2本の指を失った場合、または親指以外の3本の指を失った場合を指します。

「失ったもの」には、手指を中手骨または基節骨で切断したもの、親指の場合は指節間関節、その他の指の場合は近位指節間関節において、基節骨と中節骨とを離断したものが該当します。

4号)一手のおや指を含み三の手指の用を廃したもの又はおや指以外の四の手指の用を廃したもの

片手の親指を含む3本の指の用を廃した場合、または親指以外の4本の指の用を廃した場合に後遺障害第8級が認定されます。

この場合の「用を廃した」とは、末節骨が2分の1以上失われた場合、指の根元か第二関節の可動域が2分の1以下になった場合、親指の撓側外転または掌側外転の動く範囲のいずれかが2分の1以下になった場合などが該当します。

5号)一下肢を五センチメートル以上短縮したもの

交通事故の衝撃によって、片方の足が5cm以上短くなった場合です。3cm以上の場合は後遺障害第10級、1cm以上の場合は第13級となります。

片足が短くなると歩行に支障が出て、労働能力損失につながります。また、この短縮の基準は足のみで、腕に対する短縮は規定がありません。

6号)一上肢の三大関節中の一関節の用を廃したもの

片方の上肢の3大関節(肩・肘・手首)のうち、1つの部位がまったく動かない場合です。2つの部位の場合は後遺障害第6級となります。

この場合の「用を廃した」とは、関節の強直、神経麻痺により自動運動が不能となった場合を指します。

7号)一下肢の三大関節中の一関節の用を廃したもの

片方の下肢の3大関節(股関節・膝・足首)のうち、1つの部位がまったく動かない場合です。2つの部位の場合は後遺障害第6級となります。

「用を廃した」の基準は、6号の上肢の場合と同じです。

8号)一上肢に偽関節を残すもの

片方の上肢に偽関節ができてしまった場合です。偽関節とは、骨折後に骨がくっつかずに関節のように動いてしまう状態ですが、最近では再手術などで根治できるケースが多く、この後遺障害が認定されることは少なくなっています。

9号)一下肢に偽関節を残すもの

片方の下肢に偽関節ができてしまった場合です。上記8号と同様に、最近はこの後遺障害が認定されることは少なくなっています。

10号)一足の足指の全部を失ったもの

片方の足の指を全部失った場合に、後遺障害第8級が認定されます。両足の場合は第5級となります。

以上が後遺障害第8級に認定されるべき症状ですが、8号、9号のように現在の医療水準であれば根治できるものは、たびたび除外されたり条件が変更されたりします。医師と連携して最新の情報を確認し、確実な等級申請を行いましょう。

後遺障害第8級認定を獲得するための重要なポイント

すべての等級において、後遺障害の認定を受けるために大切なことは、被害者が正確な申告を行い、事故当初から適切な治療と検査を受け続けていることです。

さらに、完治しないまでも真面目に治療に取り組み、社会生活に復帰するべく努力を続ける姿勢が必要です。

信頼の置ける医師による治療を続けるべき

後遺障害第8級の認定を申請するような後遺障害が残る場合には、事故直後に医師の治療を受けていないということはないでしょう。

被害者は病院に行き治療を受けているはずですが、なかなか完治せずに病院を転々とするなど、医師としっかりとした信頼関係が築けていない時も考えられます。そうした場合には、その後遺障害が交通事故によるものなのか、あるいは他の事故やもともと持っていた症状なのか、医師にとっても判断がつかないことも出てきます。

家族や友人、知人の支援はもちろん必要ですが、専門的な治療を施してくれる医師を選ぶことも大切なのです。

後遺障害診断書は、等級認定において非常に重要

後遺障害の等級認定は、すべて書類による審査によって判断されます。その際に最も重要になってくるのが後遺障害診断書だと言われています。どんな医師でも後遺障害診断書は書けますが、より説得力のある、申請する等級をしっかりと意識したものが書けるかどうかは、医師の経験が大切です。
ある程度の書式は決まっていますが、後遺障害の等級認定に必要なポイントを的確に説明し、十分に症状を示す書類を準備する必要があるのです。

医師との信頼関係も重要で、真面目に治療に通い、それでも治癒せずに後遺障害が残ってしまい等級申請を行うとなれば、医師もなるべく認定が行われるように親身になって書類を作成してくれるでしょう。

後遺障害が残ってしまうとなると、被害者の心情的にはかなり辛いとは思いますが、医師に文句ばかり言い、治療も放棄するような人に、しっかりとした後遺障害診断書を作成してくれることは、よほど人の良い医師しかいません。

被害者と医師、そして家族が一体となって負傷の治療を行い、それでも後遺障害が残ってしまったら、適正かつ十分な慰謝料を得るべく、等級認定に向けて一緒に取り組めるような関係性をつくっておくことが大切です。

後遺障害第8級認定の申請を弁護士に依頼すると?

後遺障害の等級認定の申請は、交通事故に遭う前には一般人であった被害者にとってかなり難しい作業です。そして後遺障害第8級ともなると、慰謝料を含む損害賠償金額は高額となり、加害者側も被害者側が出す条件を鵜呑みにすることはないでしょう。

たとえ運よく望み通りの等級が認められたとしても、その等級を基準として加害者が加入する保険会社が示してくる慰謝料を含む損害賠償の金額は、被害者が得るべき金額の最低ラインだということを理解しておきましょう。

自賠責基準による後遺障害第8級の慰謝料は324万円

強制保険である自動車損害賠償責任保険(自賠責)では、後遺障害第8級の慰謝料は324万円と定められています。これはまた、後遺障害第8級の適正な慰謝料金額を算出する際の最低水準だと考えてください。

任意保険基準の場合、保険会社は計算方法を明らかにしていませんが、一般的には自賠責基準より少し高く、下記の弁護士(裁判)基準よりはるかに低い水準だと考えてください。被害者の後遺障害の状態によれば、自賠責基準と同額の金額を提示してくる保険会社もあると言われています。

弁護士(裁判)基準による、後遺障害第8級の慰謝料は830万円!

弁護士に加害者との示談交渉や等級認定申請の手続きを依頼すると、弁護士費用はかかりますが、得られる損害賠償金や慰謝料は、ほとんどの場合で大幅に増加します。

この弁護士(裁判)基準とは、先例や過去の裁判における判例を基準にして算出されたものです。日弁連交通事故相談センター東京支部が発行する「民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準」(通称:赤い本)によると、弁護士(裁判)基準による第8級の後遺障害の慰謝料は830万円と記載されています。

後遺障害第8級の症状を見た場合、とても自賠責基準の慰謝料では満足できないでしょう。弁護士(裁判)基準でも、症状によれば十分とは言えませんが、この金額はいわゆる相場であるため、交通事故に強い優秀な弁護士の場合は、この水準以上の慰謝料を得ることができる可能性も出てくるのです。

交通事故の被害者が、弁護士の力を借りるべきもう一つの理由

交通事故の被害者となってしまった場合、示談交渉の相手は、たいていの場合には加害者が加入する保険会社の示談交渉担当員となります。

保険会社の示談交渉担当員というプロを相手に、一般人の被害者が有利な損害賠償の条件や慰謝料の金額を引き出すことは非常に難しいでしょう。交通事故の示談に関する知識がない被害者にとっては、損害賠償金の相場さえ分からないでしょう。

そして、後遺障害第8級に相当する後遺障害の症状が残ってしまった場合には、被害者自身で手続きを行うことが難しいかもしれません。弁護士に示談交渉を依頼するべき等級だと考えられます。

示談や後遺障害の等級申請は、弁護士に依頼するメリット大!

交通事故の後遺障害に対する慰謝料は、前述の通り、自賠責基準、任意保険基準、弁護士(裁判)基準によって大きく変わり、等級が1つ変化すると金額も大きく増減します。弁護士に相談すれば、認定を得るためだけではなく、等級を上げるための申請方法も示してくれることもあります。

第8級の自賠責基準の慰謝料は324万円、弁護士(裁判)基準では830万円ですが、第9級しか認められないと、自賠責基準では245万円、弁護士(裁判)基準でも相場では690万円となり、大きな差が出てきます。

第8級に該当する後遺障害の症状は、仕事や学校といった社会生活への復帰が困難な場合も多くあります。交通事故の被害者となり後遺障害が残ってしまった場合、そしてもし等級の認定や慰謝料に不満がある場合は、適正かつ十分な慰謝料を得られるように、弁護士に相談することをお勧めします。

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