小学生の自転車事故で9,500万の賠償金!未成年自転車事故のリスクと対処法

自転車

小学生の起こした自転車事故の事例

未成年の起こした自転車事故が広くニュースなどで取り上げられ話題になるということがあります。

自転車事故自体はそれほど珍しいものではありませんが、事故を起こしたのが未成年であったこと、そして損害賠償額が高額であったこと、さらにその請求先が事故を起こした本人ではなくその母親であったことなどがきっかけで事故について周知されることとなりました。

自転車事故の概要

事故は2008年9月22日、夜7時ごろに起こりました。事故現場となったのは住宅街にある坂道です。道も暗くなる時間帯でした。

事故当時11歳の少年は帰宅の途中でありライトを点灯したマウンテンバイクでその坂を下っていました。同じ道を女性が散歩していましたがそのことには気がつかず正面衝突し、女性は転倒、頭を強く打ち脳挫傷の重傷を負いました。
一命は取り留めたものの意識は戻らず、四肢拘縮などの後遺障害も残ってしまいました。

その後、女性側が損害賠償を訴え、裁判では少年の運転が危険な行為であったと主張、さらにその少年の母親が監督義務を果たしていなかったことについても主張をしました。
母親に対する請求額は、1億円強でした。これに対して、母親側は少年の運転方法は適切であったということ、母親は少年に対しライトの点灯およびヘルメットの着用も指導していたため過失相殺ができると主張していました。

自転車事故に対する判決内容

しかし判決では、少年が時速20~30キロで走行していたことと前方不注意であったことが原因であると認定し、ヘルメットを着用していなかったことなどもあり、保護者の責任について追及しました。
母親側は少年に指導をしていたと主張していましたが、その指導や注意が功を奏しておらず監督義務を果たしていなかったのは明らかであるとして母親に約9500万円の賠償を命じることとなりました。

この約9500万円の中には治療費・慰謝料・休業損害が含まれており、さらに後遺障を負ったことに対する慰謝料、逸失利益、さらには、将来に渡ってかかる介護費用などまで入っています。
特に後遺症を負ったことが、これだけ高額になったことの原因であると考えられます。介護費用を1日当たり8000円とし平均余命年数と掛け合わせるなどして算出すると、介護費用だけを見ても4000万円近くになります。
後遺症に対する慰謝料も、被害女性の意識が戻らないままであるため3000万円近い額にまで上がっています。

未成年者の自転車事故のリスク

先ほど紹介した小学生による自転車事故のほかにも、未成年による自転車事故で高額の損害賠償を請求された例はあります。

日本損害保険協会のホームページによると、以下のような判決が出ています。

賠償額9521万円

小学5年生の男子が夜間帰宅途中、自転車で坂道を走り降りた先で歩行中の女性62歳と正面衝突。女性は頭蓋骨骨折などの損傷を負い、意識が戻らない状態となった。(神戸地方裁判所、2013年7月判決)

賠償額5000万円

女性高校生が夜間、携帯電話を操作しながら無灯火で走行中、前方を歩行中の看護師の女性57歳と衝突。女性には手足がしびれる重大な障害が残った。(横浜地方裁判所、2005年11月判決)

賠償額4043万円

男子高校生が早朝、赤信号で交差点の横断歩道を走行中、出勤途中の62歳が運転するオートバイと衝突。男性は頭蓋内損傷で13日後に死亡。(東京地方裁判所、2005年9月判決)

横浜市では女子高校生が運転する自転車が女性に追突し、その被害女性が歩行困難となることで職も失ったという事件がありました。
女子高校生はこの運転中携帯電話を操作しており、さらに無点灯でした。そのため横浜地裁も女子高校生の過失を認め、5000万円の支払いを命じています。

未成年の自転車事故には保護者が責任追及されるリスクがある

自動車のほうが大きな事故に繋がりやすいというだけであって、自転車であれば損害賠償額が小さくなるわけでもありません。さらに、自転車であれば未成年が運転することも多いため、保護者は自転車事故によるリスクについて知っておかなければなりません。

自転車事故によって子どもがリスクを負うだけでなく事故と直接の関係がない保護者についても責任追及を受ける可能性があるのです。そのため、子どもが事故を起こした場合、その親も他人ごとでは済まされません。ある一定の場合には親が代わりに責任を取らなければならないような形になることもありますので注意が必要です。

事故を起こした本人でなくても高額請求をされるかもしれない

基本的には事故を起こした本人がその責任を取り、損害賠償をしなければなりません。

しかし未成年だと事故が起こることの予測ができないことや、支払い能力がないという場合も珍しくありません。そのため子どもが起こした事故につき監督義務を負う者が賠償の責任を負うことがあるとされています。
民法712条は未成年者に対する賠償責任に関する規定です。

民法712条

未成年者は、他人に損害を加えた場合において、自己の行為の責任を弁識するに足りる知能を備えていなかったときは、その行為について賠償の責任を負わない。

そしてこの規定が適用される場合の監督義務者の責任について民法714条で言及されています。

民法714条

前二条の規定により責任無能力者がその責任を負わない場合において、その責任無能力者を監督する法定の義務を負う者は、その責任無能力者が第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、監督義務者がその義務を怠らなかったとき、又はその義務を怠らなくても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。

「前二条」とは紹介した712条と、精神上の障害によって責任能力を欠く者に適用される民法713条のことです。
監督義務者は無条件で責任を負うわけではなく、その義務を果たし、もしくは義務を果たしたとしても事故を避けられなかったような場合だと免責されます。

ただしその監督義務を果たしていないと見られる場合には監督義務者本人に対して不法行為が認められて損害の賠償をしなければならなくなります。

自己破産せざるを得なくなる可能性も

子どもの起こした事故につき損害賠償責任を負ってしまい自己破産をした例もあります。

最初に紹介した事例のように1億円近い請求をされるとなかなか払いきれないこともあるでしょう。そこで、自分が事故を起こしていないにもかかわらず監督義務を果たしていないことを理由に、最終的に自己破産にまで追い込まれるリスクがあるということを知っておかなければなりません。

小学生の保護者がすべき対処

ニュースに取り上げられることで、自転車でも重大な事故が起こるということが周知されつつありますが、それでもやはり自動車の運転に比べると危険度が小さいという認識が残っています。特に親は子どもの運転に対し、前項で説明したリスクを負う可能性がありますのでこれに対処しておくことが重要になってきます。

日常的に安全運転を促す

監督義務者がその監督対象の起こす事故につき責任を問われないようにするためには、事故を起こさないように日ごろから安全運転の指導を行う必要があります。危ない運転をしないようにと抽象的な注意をするのではなく、どんな場所で事故が多く起こっており、どのようなことに気を付けるべきなのか、具体的にアドバイスをするべきです。

たとえば、小学生の自転車事故は出会い頭に起こりやすいと言われており、安全確認をよく行うこと、一時停止はしっかりと守ることなどが重要になってきます。普段から乗り慣れている場所であったとしても交差点や出入りの多い施設の前を通る際にはよく周囲を確認するように指導しましょう。

監督義務を果たしていると言えるようにしておく

小学生などの未成年が大きな事故を起こし、裁判が行われると、監督義務を果たしていたかどうかが問われます。
しかし、子どもに対し注意をしていたと言ってもその証明は難しいでしょう。

そこで交通安全に関して指導したことが証明できるよう、形に残しておくことが重要になります。わざわざ記録に残すのは面倒かもしれませんが、SNSに書き込むなど、何か情報が残るように工夫をしておくと監督義務を果たしていたことがアピールできるかもしれません。

自転車の点検も怠らない

自転車で出かける前には自転車の点検も必要です。ブレーキの効きが悪いと他人に対し加害するだけでなく運転者本人も危険な状態となります。
ライトが点灯することを確認、そしてヘルメットの着用なども大切です。

保険に加入する

より金銭面でリスクを避けるためには保険に加入することが有効です。
高額の請求を受けた事例でも任意保険に加入していれば親が負担する分は抑えられていたはずです。
しかし現状、自転車の運転に際し保険に加入している人は自動車に比べてかなり低いです。自己破産にまで至る可能性がありますので、できるだけ加入しておくことが望ましいでしょう。

小学生が自転車事故を起こした場合は弁護士に相談

自分が事故を起こしていなくても監督義務違反と認定されることで数千万円という多額の損害賠償をしなければならない可能性があります。

もちろん監督義務を果たしていればこれを避けることはできますが、いつどのような事故が起こるか分からず、程度問題でもあるためなかなか確実に責任追及を避けることは難しいかもしれません。
ただし、日ごろ安全運転に向けた指導は怠らないようにし、さらに任意保険に加入しておくことで予期しない事故が起こってもそのリスクを小さくすることができるでしょう。

そして、実際に小学生などの未成年が交通事故を起こしてしまった場合には、交通事故に強い弁護士に相談を行い、適切な対応をできるようにしましょう。

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