バイク(二輪車)と自動車の交通事故はこんなに違う~バイク事故の高い致死率~

公開日:2021年01月26日 最終更新日:2021年04月21日

バイクでの交通事故

監修記事
この記事は佐藤 學(元裁判官、元公証人、元法科大学院教授)が監修いたしました。

バイク(二輪車)全体の保有台数は緩やかな減少を続けていますが、リターンライダーの増加により大型バイクの保有台数は増加しています。事故に遭えば大怪我をしてしまうバイクの安全走行の必要性に注目が集まっています。自動車事故との比較でバイクの危険性を探ってみます。

バイク(二輪車)が事故を起こしたら…

自動車と比べて致死率が非常に高い

バイク(二輪車)と自動車を比較した場合、自動車の方が安全性は高いと考えるのが普通でしょう。

当然のことですが、バイクは2本のタイヤで走行しているためにわずかなことでバランスを失いやすいため事故を起こしやすく、その時には車体の中にいてシートベルトで守られている車の運転者と比べ、ヘルメットやプロテクターを装着しているものの、事故時のライダーに与える衝撃はかなり大きなものとなります。

しかし、風を切って走る爽快さはバイクの醍醐味で、原付バイクは手軽な移動手段、大型バイクは大人の趣味として根強い人気があります。

バイクのライダーはもちろん自動車の運転者も、バイクの危険性を理解し、お互いに安全な走行で事故を回避していきたいところです。

バイク(二輪車)免許の種類

バイク(二輪車)の免許には、「原付」「小型限定普通二輪」「普通二輪」「大型二輪」「AT小型限定普通二輪」「AT限定普通二輪」「AT限定大型二輪」の7種類の免許があります。

原付免許

排気量50cc以下、年齢16歳以上、2人乗り不可、高速道路走行不可の免許で、原付バイクのみ運転可能

小型限定普通二輪免許

排気量125cc以下、年齢16歳以上、2人乗り可能、高速道路走行不可の免許で、原付バイクと小型バイクの運転が可能

普通二輪免許

排気量400cc以下、年齢16歳以上、2人乗り可能、高速道路走行可能な免許で、原付バイク、小型バイク、普通バイクの運転が可能

大型二輪免許

排気量制限なし、年齢18歳以上、2人乗り可能、高速道路走行可能な免許で、原付バイク、小型バイク、普通バイク、大型バイクの運転が可能

AT小型限定普通二輪免許

排気量125cc以下のオートマチック車限定、年齢16歳以上、2人乗り可能、高速道路走行不可の免許で、原付バイク、AT小型バイクの運転が可能

AT限定普通二輪免許

排気量400cc以下のオートマチック車限定、年齢16歳以上、2人乗り可能、高速道路走行可能な免許で、原付バイク、AT小型バイク、AT普通バイクの運転が可能

AT限定大型二輪免許

排気量制限なしのオートマチック車限定、年齢18歳以上、2人乗り可能、高速道路走行可能な免許で、原付バイク、AT小型バイク、AT普通バイク、AT大型バイクの運転が可能

なお、四輪車の普通運転免許を持っている者は排気量50cc以下の原付バイクに乗ることが可能です。

バイク(二輪車)の2人乗り禁止

次の場合は、2人乗りはできません。なお、二輪車とは、大型バイク、普通バイク、小型バイク及び原付バイクのことです。

  1. 大型バイク、普通バイクや小型バイクで後部座席がないものや原付バイクを運転するとき。 
  2. 大型二輪免許を受けて1年を経過していない者が大型バイク、普通バイクや小型バイクを運転するとき。ただし、普通二輪免許を受けて1年を経過している場合は2人乗りをすることができます。
  3. 普通二輪免許を受けて1年を経過していない者が普通バイクや小型バイクを運転するとき。
  4. 大型二輪免許を受けた者で、20歳未満の者又は大型二輪免許を受けていた期間が3年未満の者が、高速道路で大型バイクや普通バイクを運転するとき。ただし、20歳以上で、かつ、普通二輪免許を受けて3年を経過している場合は2人乗りをすることができます。
  5. 普通二輪免許を受けた者で、20歳未満の者又は普通二輪免許を受けていた期間が3年未満の者が、高速道路で普通バイクを運転するとき。

高速道路でのバイク走行

高速道路では、小型バイク及び原付バイクは走行できません。

自動車しか運転しないという思い込みは止め、原付バイクも運転できる、もしかしたら運転するかもしれないと考えて、バイクの安全性についての知識を持っておくべきです。

バイク(二輪車)保有台数の推移

軽乗用車の伸びが寄与し、乗用車の保有台数は順調に伸びています。

2019(令和元)年末の乗用車保有台数は6,214万0,475台で前年比0.18%増加しましたが、うち普通車は2.11%増加、軽四輪車は1.04%増加となっています。

一方で、二輪車の保有台数は減少しており、2019年3月末は前年より1.77%減少の1,053万9854台でした。

しかし、道路運送車両法による区分上、小型二輪車に分類される251cc以上のバイクは、この統計で 1.43%増えて170万4,542台となりました。

リターンライダーの増加で大型バイクが人気

若いころにバイクに乗っていたものの、結婚や子どもが生まれたことでバイクを手放した40~50歳代の男性を中心に、再びバイクに乗るライダー、いわゆる“リターンライダー”が増えています。

この層は原付バイクや小型バイクではなく、比較的大型のバイクを好む傾向にあり、短期的なブームから今は大人の趣味として定着しつつあるようです。

リターンライダーの事故要因は?

若い時よりも運転には気をつけるという傾向が強いリターンライダーですが、体力や反射神経の衰えにより、昔と同じ感覚で運転すると思わぬ事故の要因となってしまいます。

自動車の運転よりもバイクの運転には体力や集中力が必要となりますので、講習会などを受け、年齢なりの運転を心がけることが必要です。

バイク(二輪車)事故では、致死率の高さが顕著!

バイクは自動車よりも危ない、というのは誰でも思い付くことですが、実際に数字を調べてみましょう。

最初に、2020(令和2)年の交通事故による死者数を確認しておきますと、その数は2,839人と、前年比11.7%の減少です。

ところで、2018(平成30)年の場合、交通事故による死者数は3,532人ですが、その内訳.は、自動車乗車中が1,197人、自動二輪車乗車中が401人、原付乗車中が212人、自転車乗車中が453人、歩行中が1258人となっています。

2018年の保有台数は、乗用車が約6,202万台、二輪車が約1073万台ですから、単純に比べると二輪車は乗用車の約6分の1の台数しかないのに、自動二輪車乗車中と原付乗車中を合わせた死者数が613人であり、自動車乗車中の死者数1,197人の約2分の1となっているのです。

実際には走行している時間や距離を考慮しなければいけませんが、事故が起こってしまえば死亡事故となる確率が高いことがうかがえます。

致死率の高さが顕著なバイク(二輪車)

また、2018年の場合、死傷者数対する死者数の割合を示す致死率は、自動車乗車中で0.35であるのに対し、自動二輪車乗車中では1.43、原付乗車中では0.80と、より大きなバイクの方の致死率が高い傾向が見て取れます。

大型バイクの方がよりスピードが出て、走行距離も長いことから、より安全に注意して事故を回避しないと、死亡事故につながる可能性が高いのです。

データ引用:「平成30年中の交通事故の発生状況等」警察庁交通局より

バイク(二輪車)の事故要因は?

バイクは2本のタイヤで走行するため、わずかなことでバランスを崩し倒れるので、最も多い事故原因は単独転倒です。また、バイクは、体で安定を保ちながら走り、停止すれば安定を失うという構造上の特性を持っているため、四輪車とは違った運転技術を必要とします。

自動車では車体に守られ、シートベルトで身体が固定され比較的安全と言えますが、バイクはヘルメットやプロテクターを装着していても、単独転倒でさえ身体に与える衝撃はかなり大きなものとなります。

自動車とバイク(二輪車)の事故要因

自動車とバイクの事故要因として挙げられるものは、次の3つと言われています。

自動車から見て、バイクは死角に入りやすい

 バイクは自動車の運転者が視認できない死角に入りやすいという特徴があります。

 対向車の陰、ピラー(自動車の窓柱)、サイドミラーとバックミラーに映らない左後方と右後方、大型車の側方や後方といった、自動車の運転者から見えない死角にバイクが入り、急な進路変更で接触事故を起こすケースがあります。

バイクのすり抜け

バイクは自動車に比べ横幅が小さく、渋滞などで自動車の間をすり抜けて走っていく運転者が見られます。

無理なすり抜けは接触事故の原因となり、場合によっては対向車との衝突を起こしかねません。

自動車から見て、バイクはより遠く、遅く感じられる

バイクは自動車と比較して小さいため、自動車から見て距離感やスピード感がつかみにくいという特徴があります。

実際の位置よりも遠く感じられたり、ゆっくり走っているように見えたりするので、自動車の右折時、正面から走ってきたバイクとの事故につながりやすいのです。

バイクの制動距離は短い

バイクのブレーキは前輪と後輪で独立しており、また車体も比較的軽量なので、自動車よりも短距離で停止することが可能です。

同じスピードで走っていても、前方のバイクが思ったよりも短い距離で止まり、自動車が追突する要因となります。

バイクの視界は狭い

フルフェイスのヘルメットをかぶっていた際には特に、バイクの運転者の視界は狭くなります。

自動車の運転者からすると、見えているはずだという思い込みは捨てなければなりません。

バイク(二輪車)の特性を理解し、事故発生を避けるようにしなければなりません。

以上のようなバイクの特性を理解し、自動車を運転する際には細心の注意を払って運転することが求められます。

一般的に、交通事故の過失割合を決定する際には弱者を保護するという考え方があります。

自動車同士の事故よりも、自動車とバイクの事故の場合、公表されている過失割合の認定基準によっても、自動車の過失割合が10%~20%程度大きくなる傾向にあると言えます。

バイクの無謀な運転があったならばこの限りではありませんが、注意することにこしたことはないでしょう。

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この記事は佐藤 學(元裁判官、元公証人、元法科大学院教授)が監修いたしました。
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