交通事故で保険金を受け取った場合、確定申告は必要?

最終更新日:2019年01月15日

確定申告

交通事故慰謝料の確定申告時の取り扱い

交通事故の被害にあってしまったために怪我をしたり損害が発生したりした場合などは、慰謝料や損害賠償、示談金などとして、加害者側から一定の金銭を受け取ることがあるでしょう。交通事故によって受けた被害に対して支払われるお金なので労働の結果得られる収入とは違うような気もします。しかし一方では、お金を得たという事実には変わりないわけですから、何かしらの申告をしなければいけないような感覚になる方もいらっしゃるでしょう。

そこで、今回は交通事故の慰謝料収入をどのように取り扱うべきなのか、確定申告が必要なのかを説明したいと思います。交通事故が原因で被害者が受け取ることになった慰謝料等の金銭についての税制上の取り扱いについては、国税庁のホームページで一応の説明がされています。こちらに沿って、まずは基本的な考え方をご紹介します。

交通事故慰謝料は原則非課税

原則として、交通事故の被害にあって怪我を負ったことによる治療費や慰謝料、損害賠償金などを受け取った場合、それらの金銭については非課税のものとして取り扱われます。そのため、確定申告をする必要はありません。

お金をもらうことになるのにどうして非課税になるの?と疑問に思われる方は、「なぜ慰謝料等を受け取ることになったのか?慰謝料等は何を目的として支払われるものなのか?」ということを考えて頂ければ分かりやすいかもしれません。交通事故に巻き込まれることで、被害者側には何かしらの損害が発生しています。物が壊れたり心身に傷を負ったり、あるいは後遺障害が発生することになったりなど、交通事故に遭わなければ被ることもなかった損害が生まれているはずです。治療費や慰謝料、損害賠償金などのお金は、いわばこれらの損害に対する補償として支払われるものです。お金を受け取ることになったから「プラスの状態が発生している」のではなく、お金を受け取ることで「交通事故に遭わなかった状態、つまり、プラスマイナスゼロの状態に戻そう」としていると考えることができます。

したがって、被害者側に何か得が生まれているわけではありませんから、原則として非課税、確定申告は不要と考えられることになるわけです。

交通事故で受け取る慰謝料で確定申告が必要になる場合

先ほど説明したように、慰謝料などの金銭については、本来であれば非課税扱いとなりますので、確定申告は不要です。例外として収入金額として扱われる場合があります。非課税として扱われる理由は、「プラスマイナスの状態に戻すため」でした。つまりは、慰謝料や損害賠償として受け取る金銭が、「プラスマイナスの状態に戻すためとは言えない性質」のものと考えられる場合には、もはや非課税として扱うべき理由はなくなります。

交通事故で受け取る慰謝料は、被害者の精神的な損害に対して支払われるものです。上述の通り、原則として非課税扱いとなるのですが、例外的に課税対象となる場合があります。どのようなものが例外として取り扱われることになるか、紹介していきます。

あまりに高額な慰謝料

例えば、示談金として受け取る金銭について、この金額が受傷の程度に比べてあまりに高額になるような場合について考えてみましょう。交通事故によって全治1週間程度の打撲を負ったケースで、示談金として数百万円の支払いを受けるというのは、常識的に考えてあまりに高額すぎるはずです。

慰謝料が非課税として扱われるためには、被った損害にふさわしい金額のものでなければいけません。社会通念上ふさわしいと考えられる金額であると認められる慰謝料額であってはじめて、被害の回復という意味を持つことができるはずです。それにもかかわらず、受傷によって被った損害と示談金として受け取る金額があまりにもかけ離れていると考えられる場合には、もはやこの示談金は「損害が発生した状況を元の状態に戻すための金銭」とは考えられません。したがって、課税対象として扱われますので、確定申告が必要となります。

これは慰謝料だけに限られず、見舞金として受け取る金銭や、損害賠償として受け取ることになる全ての金銭について当てはまることです。損害に対して、社会通念上ふさわしいと認められる金額でなければ、税制上非課税の扱いを受けることはできません。

被害者が死亡した場合

交通事故で被害者が死亡してしまうと、遺族は被害者死亡に対する慰謝料を受け取ることになります。この場合、原則通り遺族が受け取った慰謝料に対して税金が課されることはありません。ただし、被害者がどのようなタイミングで死亡するかによっては、例外的に慰謝料に課税される場面が生まれるので注意が必要となります。

典型的なパターンは、交通事故で被害者が怪我をしてしまい、それについて生存中に慰謝料の金額などについての示談交渉を成立させ、示談金50万円を受け取ることになっていたが、実際にその示談金を受け取る前に被害者本人が死亡してしまった場合です。もし被害者が死亡することなく示談金を受け取っていたのであれば、原則通りその示談金は非課税として取り扱われていたはずです。しかし、示談が成立したにもかかわらず示談金を受け取る前に死亡してしまうと、当該示談金が相続税の対象になります。

示談交渉が成立した時点で、被害者本人は加害者に対して示談金額相当分の金銭債権、つまり、示談金として50万円を請求できる権利を得ることになります。しかし、その権利が実現されないうちに死亡してしまうと、権利そのものが遺族へと相続されます。相続される段階で、「示談金として50万円を請求できる権利」は「50万円を請求できる権利」と一般化されてしまうので、「被害回復のための金銭」という性質は失われてしまいます。したがって、単純な金銭債権として扱われる以上、相続税の対象となります。

示談交渉のケースだけではなく、これが判決の場合であったとしても同様です。慰謝料額について裁判で争いやがて判決が確定、しかし、確定後慰謝料が実際に支払われるまでの間に被害者が死亡してしまったケースでも同じ考え方が当てはまります。裁判によって確定した金銭債権が実現される前に遺族へと相続されてしまうので、単純な金銭債権の相続である以上、相続税の対象となってしまいます。

示談交渉はさておき、日本の民事裁判は非常に時間がかかるものです。争いが深刻になってしまうと、賠償額が確定するまでに数年の月日を要することもあります。交通事故での受傷の程度はさまざまですが、場合によっては被害者の方が深刻な怪我を負うこともありますよね。回復が難しい中、裁判にあまりに時間を要することになってしまうと、実際にお金を受け取る前に被害者が死亡してしまうということも十分あり得る事態です。これらの場合、課税対象として扱われることになり、確定申告が必要となりますので注意が必要になります。

交通事故で確定申告時の取り扱いに注意すべき金銭

慰謝料以外でも、税制上の取り扱いに注意しなければいけないものがいくつかあります。交通事故が原因で受け取った金銭だから全て非課税でしょう?と決めつけてしまっていると、後々延滞料と併せて請求されてしまい払うことができないということにもなりかねませんので、確定申告時には注意しなければなりません。

収入に代わる性質があると認められる見舞金

交通事故で負った怪我によっては、会社に出勤できなかったり治療に専念する必要に迫られたりするために、仕事をできなくなることもあるはずです。その分の給与を受け取ることができないわけですから、一定範囲で自賠責等から休業補償を受け取ることができます。被害を受ける前の状態に戻すための金銭補償ですので、非課税として取り扱われます。

注意しなければいけないのが、休業補償だけでは給与分を補償しきることができないために、会社側が不足分を見舞金として支払ってくれるようなケースです。名目上は「見舞金」ですし、金額もおそらく社会通念上不相当と言えるほどのものではないでしょう。一見、当然非課税として取り扱われて然るべきとも思えそうです。

しかし、この見舞金分は、給与の代わりにやり取りされるものです。もともと受け取っていた給与に達するために会社が支払うこの見舞金は、実質的には給与相当のものと考えざるを得ません。給与であるならば、それには当然所得税が課されます。したがって、会社から支払われる給与相当額の金銭等は、収入に代わる性質があると認められる以上、課税対象として扱われます。

交通事故の慰謝料については弁護士に相談!

以上で説明したように、交通事故が原因で受け取ることになった金銭の税制上の扱いは非常に微妙なものを含みます。見舞金の金額が社会通念上相当と言えるのか、被害者が死亡してしまったがどうすれば良いのかなど、一般の方には判断しにくいポイントがいくつかありました。他にも、保険金の支払いを受けた場合や、交通事故のせいで事業用の商品が壊されてしまったような場合など、税制上注意しなければいけない点は他にもたくさんあります。

複雑な課税関係になってしまうケースは、迷わず専門家に相談するようにして下さい。申告漏れなどが見つかってしまうと手間もかかりますし、場合によっては遅延分についての請求を受けかねません。不要なトラブルを避けるためにも、事前に専門家の助言を受けることをおすすめします。

交通事故の慰謝料については事前に弁護士に依頼をしていた方が、手続きがスムーズに進みますし、慰謝料の増額も期待できます。もしも、確定申告時に複雑な手続きが必要になる場合はアドバイスをもらったり、税理士などの適切な専門家を紹介してもらったりすることもできます。そのため、交通事故の慰謝料については、すぐに交通事故に強い弁護士に相談することをおすすめします。

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