交通事故の違反点数まとめ|何点を超えると免停になる?

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佐藤 學(元裁判官、元公証人、元法科大学院教授)

交通事故

交通事故を起こすと、交通事故に係る点数が、原因となった違反行為の点数に累積方式で加算されます。所定の基準を超えると、運転免許(以下「免許」といいます)の効力の停止(免停)や取消し(免取)といった行政処分を受けることになります。当ページでは交通事故を起こすと加算される違反点数と免停や免取について説明しています。交通事故の加害者になったら弁護士に相談し、示談を行いましょう。

交通事故を起こすと違反点数を加算されるだけでなく罰金も科される

最初に、一般的な説明をしておきますと、点数制度とは、自動車又は原付の運転者の過去3年以内の道路交通法施行令で定める違反行為や交通事故にあらかじめ一定の点数を付し、その合計点数(「累積点数」といいます)の多寡に応じて、処分の基準に該当したとき、そのことを理由として、免許の拒否、保留及び取消し、停止等の処分を行うことを内容とする制度です。

点数には、

  1. 一般違反行為(酒気帯び運転、信号無視、放置駐車違反等)に付する基礎点数
  2. 特定違反行為(危険運転致死傷、酒酔い運転、ひき逃げ等)に付する基礎点数
  3. 交通事故の場合の付加点数
  4. あて逃げの場合の付加点数

の4種類があります。

以下では、交通事故について説明していきます。

交通事故を起こした場合、その原因となった違反行為の基礎点数に、交通事故の付加点数が加算されます。しかし、運転者が負うのは点数の付加だけではありません。刑事処分として罰金や懲役、禁錮といった刑事罰が科せられることもあります。なお、罰金は行政罰である反則金とは別のもので、前科がつきます。

物損事故の場合は原則的に付加点数が付されない

交通事故には人身事故と物損事故があります。

建造物損壊以外の単なる物損事故を起こした場合には、交通事故の付加点数は付されません。したがって、単なる物損事故を起こした場合は、その原因となった違反行為に付する基礎点数のみが付されます。

交通事故を起こすと付加される違反点数一覧

交通事故には、複数の交通違反が多く見られます。そのため、違反行為をし、よって交通事故を起こした場合には、交通事故の種別と不注意の程度に応じて、基礎点数に交通事故の付加点数が加算されます。

具体的な例で見てみます。交通事故を起こし、ひき逃げをした場合には、違反行為(安全運転義務違反) の基礎点数(2点) とひき逃げ(救護措置義務違反)の基礎点数(35点)に、交通事故(死亡事故又は傷害事故) の付加点数(2点ないし20点)が加算され、その合計した点数が運転者に付されます。

交通事故を起こし、あて逃げをした場合には、違反行為(安全運転義務違反) の基礎点数(2点)に、交通事故(建造物損壊事故) の付加点数(2点又は3点)とあて逃げ(措置義務違反)の付加点数(5点)が加算され、その合計した点数が運転者に付されます。

また、あて逃げの付加点数は、建造物損壊事故だけでなく、単なる物損事故を起こした場合についても付されるので、注意を要します。

以下が交通事故を起こしたときの違反点数一覧です。

安全運転義務違反に付する基礎点数
安全運転義務違反 2点
交通事故に付する付加点数
交通事故の種別(被害の程度) 不注意の程度 付加点数 行政処分
死亡事故 専ら加害者の不注意による場合 20点 免許取消し
上記以外の場合 13点 90日の免許停止
傷害事故(治療期間が3月以上であるもの又は後遺障害が存するもの) 専ら加害者の不注意による場合 13点 90日の免許停止
上記以外の場合 9点 60日の免許停止
傷害事故(治療期間が30日以上3月未満であるもの) 専ら加害者の不注意による場合 9点 60日の免許停止
上記以外の場合 6点 30日の免許停止
傷害事故(治療期間が15日以上30日未満であるもの) 専ら加害者の不注意による場合 6点 30日の免許停止
上記以外の場合 4点
傷害事故(治療期間が15日未満であるもの)又は建造物損壊事故 専ら加害者の不注意による場合 3点
上記以外の場合 2点
措置義務違反に付する基礎点数と付加点数
措置義務違反 ひき逃げ(救護義務違反) 基礎点数 35点
あて逃げ(物の損壊に係る措置義務違反) 付加点数 5点
危険運転致死傷等に付する基礎点数
悪質・危険な特定違反行為の基礎点数 35点~62点

交通事故で付される点数によって、免許の効力の停止や取消しになる

交通事故を起こしたときの違反点数一覧で見たように、所定の点数に達すると、免許の効力の停止(免停)や取消し(免取)といった行政処分が下されます。

免停の期間は、過去3年以内の違反点数の累積と前歴(過去に受けた免停などの行政処分)で決まります。

前歴が一度もなければ、違反点数が6点以上で免停になります。その際の免停期間は30日です。違反点数によって免停期間(30日~180日)が決まっています。

免取とは、免許を受けた者が、行政処分によって免許の効力が将来的に取り消されることをいいます。免取となる点数は、前歴回数によって異なりますが、前歴がなければ重大な交通違反や交通事故による15点です。違反点数に応じて欠格期間が決まっており、その間は免許の再取得ができません。

交通事故で免許の停止や取消しの処分の基準

交通事故での点数計算は、原則として、過去3年以内の違反行為の点数を累積します。ただし、次のような例外もあります (道路交通法施行令33条の2第3項各号)。

  • 違反行為をしないで、1年以上経過したときは、それ以前の違反行為の点数は累積しない(1号)
  • 免許の取消処分を受け、その取消処分の期間中に違反行為がなければ、その処分以前の違反行為の点数は累積しない(ただし、前歴1回となる)(2号)
  • 免許の停止処分を受け、その停止処分の期間中に違反行為がなければ、その処分以前の違反行為の点数は累積しない(ただし、前歴1回となる)(3号)
  • 違反行為に係る累積点数が免許の拒否(免許試験に合格した者に免許を与えないこと)の基準に該当したことがあり、かつ、当該違反行為をした後それぞれ2年又は1年の欠格期間内に違反行為をしたことがない者は、当該違反行為に係る点数と、その後の違反行為に係る点数とは累積しない(ただし、前歴1回となる)(4号)
  • 違反行為に係る累積点数が免許の保留(免許試験に合格した者に6月を超えない範囲内で免許を保留すること)の基準に該当したことがあり、かつ、当該違反行為をした後6月の期間内に違反行為をしたことがないか、又は当該期間内に免許を受けた場合は、違反行為に係る点数と、その後の違反行為に係る点数とは累積しない(ただし、前歴1回となる)(5号)
  • 点数が3点以下となる軽微な違反行為をした者が、過去2年以上違反行為をしたことがなく、しかもその軽微な違反行為をした後、3月以上の免許期間を違反行為なしに経過すれば、その他の違反行為に係る累積点数にその軽微な違反行為に係る点数は累積しない(6号)
  • 違反者講習を受けた場合、その後に違反行為をした場合の累積点数の計算においては、受講の基準に該当することとなった軽微違反行為及び当該行為をする前の軽微違反行為に係る点数は累積しない(7号)

違反点数が何点を越えると免許停止(免許取消)になる?

免許停止 免許取消し(欠格期間)
過去3年以内の前歴(免停・免取) 30日 60日 90日 120日 150日 180日 1年 2年 3年
0回 6点~8点 9点~11点 12点~14点 ※免許取消し※ 15点~24点 25点~34点 35点~39点
1回 4点~5点 6点~7点 8点~9点 ※免許取消し※ 10点~19点 20点~29点 30点~34点
2回 2点 3点 4点 ※免許取消し※ 5点~14点 15点~24点 25点~29点
3回以上 2点 3点 ※免許取消し※ 4点~9点 10点~19点 20点~24点

前歴なしの場合、6点で免停に

過去3年以内に免許の停止等の処分がない人の場合、上述したように、違反点数が6点以上になると、30日の免許停止になります。この6点は、3年での累積なので、1年あたりに換算すると年2点です。基礎点数にあたる安全運転義務違反の点数が2点なので、大まかに例えると、それぞれ1年の間を置かず、人身事故や物損事故を伴わない迷惑運転(時速20km以上25km未満のスピード違反、信号無視など)で3回検挙されると免停になる計算です。
また、加害者の不注意による人身事故の場合、被害者の負傷が2週間を超える診断(15日以上)を受けた場合が6点で、いわゆる一発免停となります。

過去3年以内に免許の停止等の処分がある場合は、前歴の回数に応じて、4点(前歴1回)、2点(前歴2回以上)と免許停止になる点数は引き下がり、免許の停止期間も長くなります。

免許取消しは前歴なしで15点以上

過去3年以内に免許の停止等の処分がない人の場合、違反点数15点以上で免許取消しとなります。前歴の回数に応じて、免許取消しになる最低点数も変わります。ここでいう「前歴の回数」とは、免許取消しの前歴はもちろんですが、免許停止の回数も含めてカウントされます。

交通事故の点数の通知は10日~1か月ほどで届く

交通事故や交通違反による免停通知は、通常、約1週間~1か月ほどで届くものですが、なかには大幅に遅れることもあるようです。免許停止の点数まで累積点数が近づいた場合は、自動車安全運転センターより「累積点数通知書」が郵送されます。これは免停の通知ではなく、注意喚起のための送られてくるものです。累積点数を消すためには、1年間の無事故無違反を守ることです。

免許停止等の通知書は2種類ある

交通事故や交通違反により一定の点数を超え、免許の停止や取消しの対象となった場合には通知が届きます。通知書には、「出頭要請通知書」と「意見の聴取通知書」の2種類があります。

「出頭要請通知書」は、免許停止の期間が30日や60日に該当する場合に交付されるもので、処分が比較的軽い場合の通知書です。

「意見の聴取通知書」は、免許停止の期間が90日以上に該当する場合や免許取消しに該当する場合に交付されるもので、処分が比較的重い場合の通知書です。

「意見の聴取」とは、違反の事実確認のために行われるもので、場合によっては刑事処分が軽減されることがあります。通知の無視をすると罰金や、最悪の場合は逮捕といった処罰が科されることがありますので、注意しましょう。

交通事故で加算された点数を確認したい場合は、累積点数等証明書の発行を申し込む

交通事故や交通違反の点数が何点なのか確認したい場合は、自動車安全運転センターで累積点数等証明書を発行してもらうことができます。

証明書を発行してもらうには、警察署や交番にある申込用紙に記入をし、お近くのゆうちょ銀行や郵便局で払い込みにより申し込むか、自動車安全運転センター事務所の窓口や免許センター窓口などで申し込みます。

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佐藤 學(元裁判官、元公証人、元法科大学院教授)が監修いたしました。

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