交通事故の相談は行政書士?それとも弁護士にすべき?

対立する2人の男性

交通事故に遭ったとき、行政書士か弁護士のどちらに相談すべきか迷うことがありますが、行政書士に認められる権限は非常に小さいので、弁護士に相談すべきです。行政書士は示談交渉や訴訟の代理を行うことができないので、行政書士に後遺障害認定を依頼しても、示談交渉は自分でしなければなりません。弁護士なら示談交渉、調停、ADR、訴訟などすべての手続きの代理権を持ちますし、高額な弁護士基準が適用されて、賠償金がアップします。

弁護士とは?行政書士とは?

世間では、弁護士と行政書士の違いを知らない方が意外と多いです。「弁護士はハードルが高いけれど、行政書士は気軽に相談できる町の身近な法律の専門家」などと考えている方もおられます。しかし、このような理解は少し違っており、行政書士と弁護士は全く異なる職種です。以下ではまず、行政書士や弁護士がどのような人なのか、ご説明します。

行政書士とは

行政書士とは、もともと行政文書作成の代理業務を行う仕事をしていた人です。行政文書とは、たとえば役所に提出する申請書や車の名義書換などの書類です。一般の方は、こうした行政文書をどのように作成して良いかわからないので、行政書士が援助していたのです。また、現在は行政文書に限らず、一般的な内容証明郵便や簡単な契約書、遺言書などの作成も行っている行政書士が多いです。つまり、行政書士は「代書家」です。
行政書士が学んでいる法律は、憲法、民法、行政法、商法であり、法律全般についての知識があるわけではありません。また、行政書士には、本人の代理で法律事務を行う「代理権」が一切認められていません。

弁護士とは

弁護士はすべての法律問題を取り扱う、法律のエキスパートです。あらゆる法律トラブルについての相談を受けて、相談者のトラブルを解決するために活動します。文書作成だけではなく、本人の代理人となって相手方と交渉することもできますし、交渉で解決できなければ訴訟によって裁判所の判断を仰ぐことも可能です。
訴訟だけではなく、調停やADRなどについての代理権も持っています。もちろん、行政文書や私文書などの各種の文書作成の代理もできます。学んでいる法律は幅広く、憲法民法刑法、商法、民事訴訟法、刑事訴訟法を基本として、関連する法律知識も深いですし、判例研究も欠かしません。
このように、行政書士は基本的に「行政文書の代書家」であるのに対し、弁護士は「どのような問題も取り扱える法律のエキスパート」である点が大きな違いとなります。

弁護士法について

行政書士と弁護士の違いを理解しようとするとき「弁護士法」という法律がキーポイントとなります。どのような法律なのかみてみましょう。
弁護士法は、弁護士のあり方や弁護士業務、弁護士会などについて定めている法律です。これによると「有償で他人の法律事務を行って良いのは弁護士のみ」とされています。つまり、お金をもらって他人の代わりに交渉をしたり裁判を起こしたりしてもよいのは、弁護士だけということです。
弁護士以外のものが「他人の法律事務」を行うと、弁護士法違反となります。このようなことを「非弁行為」と言います。非弁行為は犯罪ですから、非弁行為を行っている人がいたら、逮捕されて刑事裁判になり処罰される可能性もあります。実は、行政書士もときどき「非弁行為」で検挙されているのです。

交通事故における弁護士と行政書士の違い

それでは、交通事故事件処理における弁護士と行政書士の違いは、どのようなところに現れるのでしょうか?

代理で示談交渉できるかどうか

まずは「代理で示談交渉できるかどうか」という点が大きく異なります。弁護士には、本人の全面的な代理権がありますから、本人の代理で示談交渉することができます。そこで、示談交渉がこじれたときや自分で交渉したくないとき、被害者は弁護士に示談交渉を任せられます。
しかし行政書士には代理権は認められていません。弁護士法が、弁護士にしか法律事務を認めていないからです。行政書士が報酬をもらって被害者の代わりに加害者や加害者の保険会社と示談交渉をすると「非弁行為」となり、その行政書士は処罰を受けます。

裁判できるかどうか

次に、裁判できるかどうかが異なります。加害者や加害者の保険会社との示談交渉が決裂した場合には訴訟を起こして解決する必要がありますが、訴訟を被害者が一人で進めていくのは困難です。そのようなとき、弁護士には裁判代理権があるので、訴訟を依頼して損害賠償請求訴訟を起こしてもらうことができます。
これに対し、行政書士には裁判代理権がないので、示談が決裂したときに行政書士に相談しても、何の解決にもなりません。

調停、ADRを依頼できるかどうか

弁護士と行政書士には、調停やADRを利用する場面でも違いが発生します。調停やADRは、被害者が一人で進めることも可能ですが、一人では不安を感じることもありますし適切に進められないケースもあるでしょう。そのようなとき、弁護士であれば調停やADRの代理権を持っているので、申立手続を依頼したり、一緒に出席してもらって意見を述べてもらったり、書類を用意して提出してもらったりすることができます。
これに対し行政書士にはこうした手続きについての代理権がないので、被害者が自分で進めていくしかありません。

法律知識

弁護士と行政書士では、法律知識の広さと深さが圧倒的に異なります。弁護士は、資格を取るまでにもかなり詳しくいろいろな法律を学んでいますし、資格取得後も関連する法律を勉強する人が多く、広く深い知識を持っています。交通事故を専門に取り扱っている弁護士は、交通事故についての判例にも詳しいです。
これに対し、行政書士は、そもそも試験が簡単で法律知識が浅くても合格できますし、その後も広く深く法律を学ぶということはありません。交通事故を専門に取り扱っている行政書士でも、裁判にかかわらない以上、判例に対する理解は不十分です。
以上のように、弁護士と行政書士は、一般的には違いがよく理解されていないことがありますが、実際には全く違う職種です。交通事故への対応を依頼するならば、広い権限を持っており法律に対する理解も深い弁護士を選ぶべきです。

交通事故対応で、行政書士にできること

交通事故対応で行政書士に頼めるのは、具体的にどのようなことがあるでしょうか?以下でみてみましょう。

相談

まず、交通事故に関する相談をすることができます。行政書士には、文書作成の権限がありますから、その範囲で法律相談に応じることは弁護士法違反ではないと考えられています。交通事故に関しても、行政書士が後遺障害認定請求などの書類作成代理権を持っているので、その範囲で相談に乗ることはできるのです。実際に行政書士のホームページを見ると「交通事故の相談受けます」などと書いてあることがよくあります。
ただし、行政書士の権限を越えて法律相談を受けることはできません。たとえば示談交渉の進め方や訴訟などについてアドバイスをしている行政書士がいたら、違法である可能性が高いです。

後遺障害等級認定請求の書類作成

行政書士は、後遺障害等級認定に関わるケースがとても多い

行政書士は、交通事故の後遺障害認定にかかわるケースが非常に多いです。
交通事故で後遺症が残ったら、加害者の自賠責保険に後遺障害等級認定を請求しなければなりません。なるべく高い等級の認定を受けようと思ったら、後遺障害の説明や証明のため、必要充分な資料を揃えて適切なタイミングに提出する必要がありますし、後遺障害認定基準についても知識を持っておく必要があります。被害者にはこうした知識やノウハウがないので、専門知識を持った人に依頼した方が有利です。
そこで、行政書士が後遺障害等級認定についての研究をして、被害者の代わりに認定請求用の書類を作成したり、揃えるべき資料についてのアドバイスを行ったりしているのです。ただし、このときの行政書士は、被害者の代理人として後遺障害等級認定を行うのではなく、あくまで代わりに書類を作成するだけという立場です。それであれば、違法にはなりません。

行政書士に後遺障害認定請求を依頼する問題点

行政書士に後遺障害認定を依頼すると、認定を受けた後どうするのかという問題があります。
後遺障害等級認定を受けられたら、その後は加害者の保険会社との間で示談交渉をしなければなりません。後遺障害認定を受けても、それだけで自然に任意保険会社から賠償金が支払われるわけではないからです。示談交渉の際には、相手の保険会社から過失相殺を主張されたり、逸失利益を否定・減額されたり慰謝料を低額な任意保険基準で計算されたりして、大きく賠償金が減額されることも多いです。
そのようなとき、行政書士に相談をしても代理で交渉してもらうことができないので、被害者は自分一人で対応しなければなりません。つまり、後遺障害認定請求を行政書士に依頼した場合、認定を受けられるところまではよくても、その後実際に賠償金を払ってもらうための示談交渉や訴訟をしようとすると、対応してもらえずに放り出されてしまうことになるのです。

交通事故対応で、弁護士にできること

それでは、弁護士の場合、交通事故に関連して、どのようなことを相談・依頼できるのでしょうか?

将来のトラブルを予想したアドバイス

弁護士は、あらゆる法律問題に対応できるので、法律トラブルであればどのようなことでも相談できます。後遺障害認定に限らず、交通事故の後遺障害認定、予想される慰謝料や逸失利益の金額、交通事故で示談が成立するまでの流れ、裁判になる可能性、各場面における最善の対応方法などについてもアドバイスを受けられます。後遺障害等級認定などの文書作成についてのアドバイスしかしてくれない行政書士とは、そもそも相談で聞ける内容が異なります。
また、弁護士と行政書士の違いは「トラブルを予測しているか」という点にもあります。弁護士は、自ら示談交渉を行いますし、示談が決裂したら訴訟も代理で行います。常に紛争の矢面に立って依頼者の代わりに争いを繰り広げているのです。どういったケースでどのようなトラブルが起こりやすいのか、身をもって知っているので、法律相談時には、どのような問題点があるのか、どのあたりで保険会社と対立しそうか、それを避けるためにはどのようなことに注意すればよいのか、実際に役立つアドバイスをしてくれます。
これに対し、行政書士は実際の争いごとにはかかわりませんので、紛争予防の知識はありません。
あらかじめ紛争を予想して有利に立ち回るためには、弁護士に依頼すべきです。

適切な手続き選択のアドバイス

交通事故では、「手続き選択」を迫られる場面があります。たとえば示談が決裂したときには、訴訟をするのか調停をするのかADRを利用するのかなど決めなければなりません。同じように、後遺障害認定を受けられなかった場合には、異議申立をするのか自賠責保険・共済紛争処理機構を利用するのか訴訟に踏み切るのかなどの判断を要求されます。
このようなとき、手続きについての代理権や充分な知識のない行政書士に相談しても、適切なアドバイスを受けることはできません。各手続きの代理権を持っており、それぞれの特徴やメリット・デメリットを把握している弁護士に相談してこそ、適切な選択が可能となります。

後遺障害認定請求の手続き

後遺障害等級認定の手続きは、行政書士だけではなく弁護士にも依頼できます。弁護士が代理する場合には、単なる書類作成代理ではなく、全面的に「代理人」として活動します。その場合、自賠責保険や共済からの連絡はすべて弁護士に届くので、依頼者が自分で対応する必要がありません。基本的に弁護士に任せておけば、適切に対応を進めてくれて、後遺障害等級認定を受けることができます。また、認定を受けたら引き続いて示談交渉を依頼することも可能ですし、それで解決できなければ訴訟を起こしてもらうこともできます。

調停、ADRの代理人

弁護士には、調停やADRの代理人を依頼することも可能です。これらの手続きを弁護士に依頼すると、申立書の作成や裁判所・ADR機関との連絡や各種調整、書類提出などをしてもらえますし、期日に同行して意見を言ってもらうことも可能です。
調停委員やADRの担当弁護士は、公正中立な立場であり被害者に味方してくれるものではありませんが、代理人弁護士についてもらったら、被害者の味方となって活動してくれるので安心ですし、有利に進めることができます。

訴訟の代理人

弁護士には、訴訟の代理人を依頼することも可能です。
相手の保険会社に賠償金を請求するとき、他の手段で解決できなければ最終的に訴訟が必要です。しかし、訴訟は非常に専門的な手続きですから、素人がひとりで対応する不利になります。相手が保険会社の場合、ほとんど必ず顧問弁護士をつけてくるでしょうから、被害者としても弁護士をつけないと、一方的に不利になってしまうのです。交通事故で訴訟を検討する場合には、必ず弁護士に相談して、必要に応じて依頼すべきです。

交通事故で弁護士に相談すべき理由

交通事故に遭ったときに弁護士に相談すべき理由を以下でまとめます。

交通事故に関連するどのようなことでも任せられる

弁護士には交通事故に関連する問題について、どのようなことでも相談し、任せられるメリットがあります。事故直後の対応、治療中、相手から治療費を打ち切られたときの対応、後遺障害認定、示談交渉、訴訟など、何でも相談できて効果的なアドバイスをくれるのは、弁護士だけです。

広く深い法律知識がある

弁護士は、数ある法律職の中でももっとも広く深い法律知識を持っています。弁護士に相談をすると、さまざまな判例や最新の研究結果などをもとにした正確なアドバイスを受けられます。行政書士では知識が不十分な場合があるので、相談をするなら弁護士の方が安心です。

示談交渉で弁護士基準が適用される

弁護士に示談交渉を依頼すると、「弁護士基準」が適用されます。弁護士基準とは、裁判所が賠償金を計算するときに採用する法的な基準です。ところが、被害者が自分で示談交渉をすると、低額な「任意保険基準」が適用されて、賠償金を下げられてしまいます。
そこで、後遺障害認定を行政書士に依頼して被害者が自分で示談交渉をするよりも、後遺障害認定と示談交渉を弁護士に任せてしまった方が、多くの賠償金を獲得できて、被害者が受け取る金額が大きくなります。

費用的にもメリットがある

一般的には、「弁護士費用は高額」というイメージがあります。「弁護士に依頼すると高額な費用がかかるので、結局手取り額が低くなってしまうのでは?」という思いから、弁護士ではなく行政書士を選ぶ方も多いです。
しかし、弁護士に示談交渉を依頼すると、弁護士基準適用されたり過失割合が低くなったり後遺障害認定を受けやすくなったりすることで、賠償金が2倍や3倍以上になることも多いです。少なくとも弁護士費用以上の分は賠償金が上がります。そこで、費用のことを気にしすぎず、弁護士に依頼すべきと言えます。
小さな事故で、弁護士費用が賠償金の増額分より多額になる場合には、弁護士もやりにくいので断ってきますし、心配ならば当初に「足が出る心配はありませんか?」と聞いておくと良いのです。実際に賠償金が増額されたケースでのみ、弁護士費用が発生する約束にしておけば、安心です。

交通事故は行政書士より弁護士に依頼する方がメリット大

以上のように、交通事故に遭ったときには行政書士よりも圧倒的に弁護士に依頼するメリットが大きいものです。後遺障害認定を始めとして、交通事故の被害に遭って対応に悩んだら、まずは交通事故に強い弁護士に相談してみましょう。

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