交通事故被害者は法テラスで民事法律扶助制度を利用して弁護士費用の負担軽減

お金がない

交通事故で被害者となった場合、治療費の負担や仕事を休む必要などが生じ、弁護士費用が支払えないこともある。しかし諦めることはなく、法テラスを窓口とする「民事法律扶助制度」などを利用し、弁護士の力を借りて有利な損害賠償や後遺障害等級認定を得よう

経済的問題で交通事故の弁護士費用が支払えない!

「法テラス」で「民事法律扶助制度」の利用を検討しよう

近年、「初回相談無料!」や「着手金不要!」といった弁護士の広告が多く見られ、弁護士報酬の自由化後、一般市民にとって依頼しやすい環境ができてきた感があります。しかし交通事故の被害者となってしまい、最初は治療費を立て替えなければならなかったり、仕事に行けなくなったりして収入が減少することも考えられます。

そして無料相談などを利用し信頼できる弁護士に出会い、いざ依頼しようとすると数十万円の着手金が必要であったり、また必要経費を支払ったりする必要もあるのです。

お金の問題で、弁護士依頼を諦めて欲しくない!

示談交渉がこじれ、裁判をすれば有利な状況であるのに、弁護士を雇う手元のお金がないという状況は、容易に想像できます。弁護士を雇う費用は、自由化前に比べれば安くなってきている傾向にあります。

しかしそれでも一般市民が弁護士を雇おうと思ったら、結構な出費になってしまいます。

裁判をすればより多くの損害賠償金を得られる可能性があるのに、弁護士を雇うお金がないという理由で、泣き寝入りをしてしまう人がいるかもしれません。そんな時には、経済的な事情で弁護士を雇うことや訴訟を起こすことを断念することがないように整備されている「法テラス」の「民事法律扶助」を利用しましょう。(「法テラス」の利用には条件がありますので、本項を最後まで読んで確認してください)

「法テラス」とは?交通事故を相談できる?

弁護士費用をかけずに、示談交渉で有利な条件を引き出したり、裁判を起こして損害賠償金額の増額を得たりする方法はあるのでしょうか?

示談交渉においては、交通事故の損害賠償についての知識を蓄えて、しっかりと時間をかけて交渉すれば可能かもしれませんが、加害者側の代理人は保険会社の示談交渉のプロとなる場合が多く、かなり難しいことになるでしょう。

裁判を起こす場合、民事訴訟では弁護士を雇わずに自ら裁判を起こす「個人訴訟」という方法もありますが、加害者側が弁護士を立ててきた場合、専門的な法知識もなしに公判を戦って勝てる確率は、相当低いと言わざるを得ません。

経済的な理由があれば「法テラス」の利用がお薦め

心情的に他人に頼りたくないという場合は別として、生活保護を受けている状態であるなど経済的な理由で弁護士に相談ができない、訴訟の費用が捻出できないという時には、「法テラス」の利用をお薦めします。

「法テラス」の正式名称は「日本司法支援センター」で、国によって設立された独立行政法人です。

「法テラス」は、一般市民にとって馴染みの薄い法曹界との仲介をするのが目的の団体で、法律トラブルの無料相談などで、問題解決への道案内をしてくれる機関です。2006(平成18)年に設立され、全国各地に事務所を構えています。

「法テラス」の主な業務は?

「法テラス」は、情報提供業務、民事法律扶助業務、司法過疎対策業務、犯罪被害者支援業務、国選弁護人等関連業務、受託業務を通して利用者の支援を行います。交通事故の被害者となった場合には、情報提供業務、民事法律扶助業務の助けを借りることになると思われます。

民事法律扶助業務については後述しますので、ここでは情報提供業務について説明します。

無料で法律に関する相談に応じてくれる

例えば、交通事故後の示談交渉で法律的な問題にぶつかった場合には、電話またはメールで相談に乗ってくれるほか、事務所を訪れれば面談にて問題解決への糸口を示してくれます。

また、問題の解決に適した弁護士会を紹介してくれ、必要であれば契約している弁護士への橋渡しもしてくれます(弁護士のあっ旋ではなく、相談は有料となる場合があります)。加えて、「法テラス」のホームページに掲載されている「よくあるお問い合わせ」には、交通事故に限らず法律問題の解決方法が簡単に解説されていますので、一読してみるのも良いでしょう。

「無料相談」を掲げている弁護士に相談に行くのが良いのですが、それでもやはり敷居が高いと考えている人は、国の公的機関である「法テラス」にまず相談をして、不安を払拭してから弁護士の元を訪れるのが良い方法かもしれません。

弁護士費用が出せない場合に役立つ「民事法律扶助制度」とは?

経済的な事情で弁護士費用が出せないという被害者にお薦めしたいのは、「民事法律扶助制度」の利用です。この制度を利用するための窓口は、上記の「法テラス」となります。

以下の説明を読んで、自分が条件に該当すると思われる方は、ぜひこの制度を利用し弁護士に依頼することをお薦めします。

「民事法律扶助制度」の概要

「民事法律扶助制度」とは、冒頭で紹介したように、本来ならば弁護士を雇って裁判を起こせば、より適正な損害賠償を受けられる可能性が高いのに、弁護士費用が捻出できないなどの経済的な理由で泣き寝入りをしてしまうような被害者を救済する制度です。

裁判だけではなく、示談交渉を行ってくれる弁護士を依頼する時にも利用は可能です。

弁護士費用は基本的に一括払いが多く、「着手金」が必要であれば最初に十万円単位の報酬を一度に支払わなければなりません。このような「着手金」や「実費」金額を一度に準備できない人のためにあるのが「民事法律扶助制度」で、公的な資金で援助を行ってくれるものです。

返済については、加害者から損害賠償金を受け取ることができた場合はそのお金から支払いますが、分割払いにする方法もあります。

また、生活保護受給者などの極端に経済状況が悪い人の場合は、返済の猶予をしてもらうことも可能で、万が一敗訴となって損害賠償金を得ることができなければ、返済が免除されることもあります。

「民事法律扶助制度」の利用には審査が必要

「法テラス」や「民事法律扶助制度」は、経済的な理由で自分では弁護士費用を捻出できない人のための制度ですから、誰でも使えるものではありません。

利用に際しては、以下のような条件があります。

次の3つの条件のうち、1)および3)の条件を満たせば、無料法律相談が受けられます。

また、すべての条件を満たせば「民事法律扶助制度」(弁護士費用などの立て替え制度)の利用が可能です。

1)収入などが一定額以下であること
収入

申込者および配偶者の手取り月収額(賞与を含む)が、1人世帯の場合18万2千円以下、2人世帯の場合25万1千円以下、3人世帯の場合27万2千円以下、4人世帯の場合29万9千円以下。(東京都特別区の場合、それぞれ20万2百円以下、27万61百円以下、29万92百円以下、32万89百円以下、となります)

※家賃または住宅ローンを負担している場合に加算できる金額がありますので、「法テラス」ホームページなどでご確認ください。

資産

申込者および配偶者が、不動産、有価証券などの資産を持っている場合は、その時価と現金・預貯金の合計額が、1人世帯の場合180万円以下、2人世帯の場合250万円以下、3人世帯の場合270万円以下、4人以上の場合300万円以下。

2)勝訴の見込みがないとは言えないこと

和解、調停、示談などによって紛争解決の見込みがあることが条件となります。

3)民事法律扶助の趣旨に適すること

報復的感情を満たすため、また宣伝のためといった訴訟の援助には利用できません。

審査の概要は以上の通りですが、詳しくは「法テラス」にお問い合わせください。

「法テラス」は交通事故問題が得意な弁護士の紹介をしてくれる?

弁護士や弁護士事務所、行政書士のホームページに「民事法律扶助制度が使えます」という宣伝文句を出しているものがあります。しかしこれは、実際に制度の申請手続きを受け付けているのではなく、申請方法や手順をアドバイスしてくれるのです。

「法テラス」に、「法テラス」と契約している弁護士の紹介を受けることはできません。

自分で上記のように、「民事法律扶助制度」が使えますといった、交通事故に強い弁護士を探し、相談に行くのが普通の手順です。まずは信頼の置ける交通事故に強い弁護士に相談し、経済的事情で「民事法律扶助制度」を利用したいと伝え、「法テラス」に申請を行うと良いでしょう。

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