飛び出しによる交通事故、過失割合はどう決まる?

最終更新日:2020年03月30日

飛び出し事故

飛び出しによる交通事故の過失割合は、飛び出した相手の年齢や場所、信号機の有無などにも影響を受けます。基本的には、自動車のドライバー側が過失を負うことがほとんどですが、あきらかに歩行者が道路交通法を守っていない飛び出し事故では歩行者の過失が認められるケースもあります。しかし、交通弱者である歩行者や自転車と自動車のドライバーが過失割合を争っていくことは骨の折れる作業になります。

飛び出し事故の過失割合に影響する要素

自動車・バイクなどで起こる交通事故の中には、歩行者の急な飛び出しが原因で事故になるケースも決して少なくありません。
基本的に歩行者が飛び出してくる可能性のある場所においては、ドライバーは周辺の状況に注意を払い、すぐに減速や停車ができるべきと考えられています。そのため、予期せぬ歩行者による飛び出しが原因の事故であっても、ドライバーの責任が問われることがほとんどです。

ただし、飛び出し事故が原因の事故の場合、100%必ずドライバーの責任になるわけではありません。過失割合は事故発生時の状況や様態、さまざまな要素をふまえて決定されます。

中でも、以下の5つの要件は、飛び出し事故の過失割合に大きく影響します。

  • 子供・高齢者・身体障害者の飛び出し事故
  • 横断歩道上での飛び出し事故
  • 信号機の有無
  • 自動車の進行方向
  • 自転車の飛び出し事故の過失割合

子供・高齢者・身体障害者の飛び出し事故での過失割合

特に、飛び出した相手が子供や高齢者、身体障害者の場合は、通常よりも車に課される注意義務の度合いが高くなってしまう傾向があります。なぜならば、子供や高齢者、身体障害者は自ら事故を避ける能力が低く、責任能力が低いと判断されるためです。

5歳未満の飛び出し事故は親の責任が問われる

飛び出し事故の子供が5歳未満の場合、物事の実態や起こりうる結果を理解してこれに基づく判断ができる事理弁識能力が問われますが、能力の有無を実際に確かめることはあまりしません。その場合、判断能力の低い子供を1人にした親の責任が問われることになります。

5歳~6歳以上の子供は判断能力がある

過去の裁判例において、5~6歳以上の子供は危険な行為を行わない判断が可能であるとみなされます。そのため5~6歳以上の子供が飛び出し事故の相手の場合、状況によっては10%〜20%の過失が認められることがあるのです。

横断歩道上での飛び出し事故の過失割合

基本的には、横断歩道上では歩行者と自動車の過失割合は0:100です。しかし、横断歩道上で発生した歩行者と自動車との事故において、必ずしも自動車にすべての責任があるわけではありません。

なぜならば、事故の発生状況は個々のケースによって異なるため一概に歩行者には責任がないとは言えないためです。場合によっては被害者の過失を考慮して賠償額が減額される過失相殺となることもあります。

信号機の有無が飛び出し事故の過失割合に与える影響

飛び出し事故において、信号機の有無も過失割合に影響します。
例えば、歩行者の信号が青で、自動車の信号が赤だった場合の過失割合は歩行者0:自動車100となります。
歩行者の信号が赤で、自動車の信号が青だった場合の交通事故は歩行者70:自動車30です。
この場合、信号無視をした歩行者の責任が問われるためです。

自動車の進行方向が飛び出し事故の過失割合に与える影響

自動車が直進・右折・左折したかなど進行方向についても過失割合に影響します。
例えば、歩行者と自動車の双方が青信号で進入したとしても、右折車は直進車の進行を妨害してはならないという交通ルールがあります。
そのため、右折車の過失割合は80%と多くの過失が認められます。

自転車の飛び出し事故の過失割合

自転車は、車や2輪車に比べて事故に遭った際に大きな被害を受けやすい交通弱者です。道路交通法の交通弱者を保護するという原則により、自転車の飛び出し事故の過失割合は低く設定されています。
しかし、自転車の急な飛び出しが事故の原因となった場合は、自転車の過失割合は10%程度加算されることがあります。

ヘッドホン着用でも…自転車側に違反があると過失割合が高くなる可能性

自転車の飛び出し事故では、自転車側が一時停止や右側通行などの道路交通法を違反していることがあります。また近年は、自転車を通勤・通学に使用する若者が携帯電話での通話や音楽をヘッドフォンで聴きながら飛び出してくるケースも多いです。自転車側が道路交通法を違反している場合は過失割合が高くなることもあります。

歩行者が悪い飛び出し事故でも自動車の責任になる?

歩行者がわるくても自動車の過失割当が高くなりやすい

自動車のドライバーが細心の注意を払っていても予期できなかった飛び出し事故であっても、責任をとらなければならないのでしょうか。
残念ながら、自動車と歩行者の事故においては自動車の過失割合がかなり高くなる傾向にあります。
なぜならば、歩行者は自動車に比べて交通事故の被害を受けやすい弱い立場であると考えられているためです。そして、交通弱者に対して自動車のドライバーなどの強者は注意義務が課されています。

そのため、歩行者が横断歩道上で自動車と衝突した場合、自動車対歩行者の過失割合は基本的に10対0となります。

事故の状況によっては歩行者の過失になるケースもある

交通弱者である歩行者は、飛び出し事故においても責任を負うことは少ないですが、事故の状況は個々で異なります。
例えば、歩行者が交通ルールを守っていなかったと認められた場合は、一定の割合で過失が問われます。歩行者の交通ルール違反など、過失割合について考慮すべき特別な事情があると過失割合が修正されることもあります。
例えば、幹線道路での事故や歩行者がふらつきながら通行していたなどの場合は過失割合が加算される修正要素となります。もちろん、歩行者の急な飛び出しも加算要素とみなされ、過失割合は5~10%程度高くなるように修正されるケースもあります。

歩行者と自動車の交通事故における基本過失割合

信号機のある横断歩道の場合

次に各条件における過失割合について表で説明します。

信号機のある横断歩道上の事故で自動車は直進していた場合
  歩行者の過失割合 自動車の過失割合
歩行者が赤、自動車が赤 20% 80%
歩行者が赤、自動車が黄 50% 50%
歩行者が赤、自動車が青 70% 30%
歩行者が赤で横断開始して途中で青になる。自動車は赤 10% 90%
歩行者が黄で横断開始して途中で赤になる。自動車は青 30% 70%

信号機がある横断歩道上では、歩行者・自動車どちらの信号が青か赤かで、基本的な過失割合が定められています。
赤信号あるいは黄信号で動き出した側には責任が問われ、過失割合が重めに設定されます。

信号機のある横断歩道上の事故・自動車は右左折
  歩行者の過失割合 自動車の過失割合
歩行者が赤、自動車が青 50% 50%
歩行者が赤、自動車が黄 30% 70%
歩行者が赤、自動車が赤 20% 80%
歩行者が赤で横断開始して途中で青になる。自動車は赤 10% 90%

信号機のある横断歩道での事故でも、自動車の右折・左折時の事故の場合、過失割合は自動車が高めとなります。
自動車が右折・左折時に必要な安全確認を怠った、と判断されるためです。

信号機のない横断歩道の場合

信号機のない横断歩道での飛び出し事故では、歩行者0%、自動車100%の過失割合となります。

信号機、横断歩道もない交差点の場合

  歩行者の過失割合 自動車の過失割合
幹線道路など、広路を横断(自動車が優先) 20% 80%
歩行者が狭路を横断(自動車が非優先) 10% 90%
優先関係のない道路 15% 85%

信号機・横断歩道もない交差点の場合、基本的には交通強者である自動車の責任が大きく設定されます。その上で、自動車・歩行者、どちらが優先の道路かが過失割合に影響し、10%の割合が増減します。
優先関係が決まっていない道路の場合、間を取って自動車・歩行者で5%を分け合う形となります。

対向・同一方向に進行する歩行者と自動車の事故

歩道のある道路の場合
対向又は同一方向進行歩行者 歩行者の過失割合 自動車の過失割合
歩道上での事故 0% 100%
歩行者用道路の事故 0% 100%
車道上での事故(歩行者が車道通行を許される場合) 10% 90%
歩行者が車道側端を通行していた場合の事故 20% 80%
歩行者が車道中央を通行していた場合の事故 30% 70%

当然ですが、歩行者が優先される歩道上・歩行者用道路での事故の場合、基本過失割合は100%自動車の責任とされます。
「歩行者が車道通行を許される場合」というのは、工事等で歩道が通れない場合など、やむを得ず歩道を通れない場合に、歩行者が車道を通行するケースを指します。
歩道が通れるのに、車道を歩いた歩行者が事故にあった場合は、歩いた位置が車道の端か、車道中央付近かで、歩行者の責任の度合いが変化します。

歩道・車道の区別のない道路の場合
対向又は同一方向進行歩行者 歩行者の過失割合 自動車の過失割合
道路端での事故 0% 100%
道路中央での事故(幅員8m以下の道路) 10% 90%
道路中央での事故(幅員8m以上の道路) 20% 80%

歩道と車道の区別のない道路の場合、自動車が歩行者に注意して通行することが前提となっています。
道路端での事故の場合、過失割合100%が自動車に。それ以外の場合は、道路幅によって基本過失割合が変動します。

飛び出し事故の過失割合に納得がいかない場合は弁護士に相談を

歩行者が突然飛び出してきて交通事故になってしまった場合、運転に細心の注意を払っていたドライバーの方は過失割合について納得がいかないこともあるでしょう。
過失割合に納得がいかず相手と交渉をしていく場合、事故の適正な過失割合を知ることが大切になります。なぜならば、交通事故には類型ごとの基本の過失割合が定められており、交渉の際にも過失割合の基準を参考にするためです。

飛び出し事故の過失割合について弁護士に相談するメリット

飛び出し事故の過失割合について弁護士に相談するメリットとして、適正な過失割合で解決を目指せることが挙げられます。当事者が直接、示談交渉をしようと試みても応じなかった相手も、弁護士が対応すると交渉に応じてくれる可能性が高くなります。また、弁護士に依頼することで適正な慰謝料やその他の賠償金額を算定することができます。飛び出し事故の慰謝料相場はどのくらいが適正なのか判断がつかない方も多いと思いますが、弁護士に依頼することで法的な基準に合わせて交渉を行うことができます。そして何より、過失割合の交渉を弁護士に代理で依頼することができるため精神的な負担が軽減します。飛び出し事故の過失割合に納得がいかない場合には、気軽に弁護士に相談してみましょう。

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