交通事故における示談とは?交通事故の示談にかかる期間はどのくらい?

公開日:2020年12月03日 最終更新日:2021年03月01日

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監修記事
この記事は福谷 陽子(元弁護士、ライター)が監修いたしました。

示談とは

示談とは相手に対して損害賠償請求をするための話し合いです。

交通事故で自動車などのモノが壊れたら修理費用や買い換え費用がかかりますし、怪我をしたら入院通院の治療費や入院雑費、看護費用や通院交通費なども必要となるでしょう。精神的苦痛に対する賠償金として、入通院慰謝料も発生します。これらのような損害を相手に賠償請求する方法として、通常は相手との話し合いで決定します。

このように、損害賠償金についての話合いを、一般に示談と言います。

交通事故から示談に至るまでの期間は?

いざ交通事故に巻き込まれてしまってから、慌てて示談に関する知識を身に付けて交渉しようと思っても、なかなか難しいでしょう。
示談はどんなタイミングで行い、どんなポイントを押さえればベストな結果が得られるのかを前もって知っておくことは、決して無駄にはなりません。

交通事故から示談までの期間はケースバイケース

軽い事故で、大きな怪我もない場合は比較的早く示談交渉を開始します。

死亡事故の場合は葬儀が終わり、49日の法要を終えた頃から示談交渉を開始するのが一般的です。

死亡事故の場合、実際には賠償金が短期間でほぼ確定されるため事故後すぐに示談交渉を始められるはずですが、被害者遺族などの心境を慮って、ある程度の日時が経過した後に始めるケースが多数となっています。

事故直後から示談交渉の準備を

交通事故の被害者となってしまったら、まず加害者の身元を確認しておくことが大切です。交通事故が起こったら必ず警察へ通報しなければなりません。警察が到着すると事故の実況見分が行われますが、その際、警察が加害者の連絡先を教えてくれるとは限りません。

示談は警察を介さずに加害者と被害者が直接行うものなので、自分で加害者の連絡先を控えたり名刺をもらったりなどして、相手と連絡を取れる状態にしておきましょう。なお重傷で緊急搬送された場合などその場で確認できなくても、後に事故証明書で相手の情報を確認できるケースが多数です。

加害者となってしまった場合、誠実な対応を

加害者交通事故の加害者となってしまった場合、被害者の救護措置を迅速に行い、救急搬送を手配して現場周辺の危険を除去し、警察へ速やかに連絡しましょう。被害者の救護や二次被害の防止措置、警察への報告は交通事故当事者の重要な義務です。

被害者に連絡先などを伝え、誠実な対応をすることが大切

加害者となったからといって示談交渉において必要以上に被害者に譲歩する必要はありませんし、過失割合を決める際にも無理に被害者に有利な数値を設定する必要はありません。

ただし誠実な姿勢は重要です。裁判に至った際にも、事故当初や示談交渉中の対応が悪ければ、慰謝料額の算定などの際に不利に働いてしまう可能性があります。

加害者はたいていの場合、示談に保険会社を利用

示談交渉において、加害者はほとんどの場合、本人ではなく保険会社の担当者が交渉にあたります。その場合、保険会社の内部基準によって損害賠償金や慰謝料を計算し、被害者へと提示してきます。

被害者の方の立場が弱い?

保険会社は日々多くの交通事故の示談に対応しています。たくさんの事件を画一的に取り扱うため、同じ基準に当てはまる事故には同じ金額の賠償金額と慰謝料を提示し、早期の示談成立を求めてくるのが通常です。一方、事故の被害者はいわば「交渉のプロ」を相手にすることになりますから、知識や経験の面でどうしても気後れしてしまい、言われた通りの金額で示談書に署名捺印をしてしまいがち。不利になる可能性があるので注意しなければなりません。

双方が納得しないと示談は成立しない!

示談交渉において、加害者が提示する賠償金額や慰謝料に納得がいかない、または誠意がみられないと感じた時には、妥協せずに交通事故に強い弁護士など専門家に相談しましょう。

ときに交通事故の加害者が早期の示談を要求してきて被害者が困惑するケースがあります。このように加害者が早期の示談を希望する原因には「交通事故の刑事責任」が影響しているので知っておきましょう。加害者が誠意をもって被害者に対応して早期に示談を成立させ示談金を支払えば、加害者は起訴を免れる可能性が高くなるのです。

しかし被害者としては、事故で負った怪我の治療が終わるまで、後遺障害の認定が終わるまで示談は行いたくないケースも少なくありません。軽視されがちな被害者の人権ですが、あきらめずにしっかりと主張しましょう。

示談? それとも裁判?

実は示談は正しい法律用語ではなく、法律的には「和解契約」と呼ばれる1種の契約です。通常、示談交渉によって取り決められた損害賠償内容や支払い方法は、示談書に記され、示談書の内容は法的な効力を有するものとなります。

裁判を回避するための示談交渉

交通事故に限らず、人と人との揉め事が起きた場合に、話がこじれてしまえば最終的な解決手段は裁判です。しかし、裁判にはお金と時間が掛かるのは一般にもよく知られているでしょう。

高額な費用を払って弁護士を雇い相手を提訴し、その後も弁護士と何度も打ち合わせをしなければなりません。ときには裁判所で尋問を受けなければならないことも。解決までの時間も何ヶ月もかかってしまいます。

そんな大事になってしまう前に、当事者同士が話し合い、お互いが納得し合意できる条件で揉め事を終わりにするのが和解契約であり、示談となります。

裁判を回避して、事故の決着をつけるために当事者同士が交渉を行い、お互いが納得できる条件で合意に達し、示談書を作成して署名捺印した時点でようやく示談が成立します。

示談は事故直後に始まっている!

交通事故の示談は、いつ始まるのでしょうか?現実には、事故が起きた直後に直後に示談してしまうケースがあります。

性急な示談には応じないことが大事

交通事故で自分が加害者になった時、被害者になってしまった時に関わらず、事故の相手方が早急に示談を求めてくることがあります。

いきなり賠償金額を提示し、文書を交わそうとする場合もあります。ところが、事故直後は加害者と被害者は共に興奮状態になっていますので、落ち着いた金額交渉はできないのが普通です。

しかし、示談は交通事故の関係者が、事故の損害をどのような分担で、どうやって賠償するのかという話し合いですから、事故直後にお互い納得したとみられるような口約束、文書を交わすことは、示談が成り立ったと見られても仕方ない状況です。

裁判では認められることは少ないけれど…。

もしも事故現場で示談書を作成してしまったら、どのような効果が発生するのでしょうか?

事故現場で作成した示談書も法的に有効になる可能性があります。確かに裁判になれば事故直後に交わした文書の有効性が認められないケースも多数ありますが、裁判にならない少額の損害賠償金の示談交渉の場合、事故直後に文書を交わしたことで不利な条件を押し付けられるリスクが高くなります。

双方の怪我の程度が明確になり、車両などの損害額がきっちりと確定してから交渉を始めて、合意してから示談書の作成に移りましょう。

示談条件に大きく影響する過失割合

保険会社同士の交渉交通事故の場合、信号無視や自動車の運転手が飲酒運転をしていたといった悪質な例を除けば、どちらか片方が一方的に悪いと判断されることは稀です。

車と歩行者の事故であっても、歩行者の過失割合がゼロになるとは限りません。示談交渉において、どちらがどの程度悪くどこまで損害を賠償するかという問題で合意に達するのは簡単ではないのです。

保険会社の代理人同士での交渉

自動車同士の事故であれば、示談交渉はお互いの保険会社の代理人同士が話し合うケースが多数です。このとき、事故当時者が「蚊帳の外」に置かれて、保険会社の担当者同士で合意に達してしまう可能性もあるため、注意しなければなりません。

このような事態を避けるため、任意保険に入る場合は弁護士費用特約を付帯させ、万が一の場合には弁護士に示談交渉を依頼して権利を守ってもらいましょう。

示談を行った時のメリット・デメリット

被害者の立場からみた示談のメリットは、早期に賠償金支払いを受けられてトラブルに決着を付けられることや、裁判費用などの出費を抑えられることです。

裁判になると敗訴リスクが発生し、保険会社との示談交渉よりもシビアな結果になってしまうリスクが発生します。状況にもよりますが、ある程度の落としどころを提示してくる保険会社との示談の方が良い結果になるケースも考えられます。

一方で示談の場合、弁護士基準(裁判基準)ではなく低額な保険会社基準が適用されるので、高額な慰謝料を得ることは難しくなります。双方が折れ合わない場合、裁判よりも交渉期間が長引いてしまうことも。物損事故では交通事故から3年、後遺障害の残らない人身事故の場合には5年が経過すると、損害賠償請求権に時効が成立して賠償金請求できなくなる可能性も高まります。

交通事故に遭ったとき、1人で示談交渉に対応するとさまざまな点で不利になるリスクが高まります。物理的にも精神的にも大きな負担がかかるでしょう。権利を守ってもらい、示談を有利に進めるために弁護士に相談しましょう。

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この記事は福谷 陽子(元弁護士、ライター)が監修いたしました。
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