交通事故の示談金相場を5つのケース別にご紹介。金額面に納得できない場合は相談を

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交通事故の示談金の相場はどのくらい?

不幸にして交通事故の被害に遭った場合、時間を巻き戻して事故をなかったことにできない以上は、被害者が加害者や保険会社に示談金を請求するのは正当な権利です。では示談金の相場はどのくらいでしょうか?

示談金に一律の相場はない

結論から言えば、示談金には一律の相場はありません。
交通事故の示談金は、事故態様、怪我や後遺障害の程度など、ケースごとに異なる様々な要因によって、金額が大きく変わるからです。

示談は一度成立したら変更できない

示談に際して注意すべきなのは、一度示談が成立してしまうと、「示談時に予測できなかった後遺障害が発生した」などほんの一部の例外を除いて、示談内容をくつがえすことはできないという点です。

ですから、加害者や保険会社から提示された示談金が高額に思えても、安易な示談は禁物です。
示談前には、自分の事故ケースに相応の示談金なのか、弁護士などの専門家に相談しながら、じっくり検討する必要があると言えます。

示談金と慰謝料の違い

交通事故の損害に対して支払われるお金の呼び名としては、示談金と慰謝料がよく知られています。

この示談金と慰謝料の違いですが、まず示談金とは、裁判所を介さず当事者同士の合意によって紛争を解決する「示談」で支払われるお金すべてを指します。
一方で慰謝料とは、交通事故被害によって負った精神的苦痛に対して支払われるお金のみを指します。

慰謝料は示談金に含まれる支払い金の一部

示談金の中には、車両修理費、治療費、通院交通費、休業損害など様々なお金が含まれていますが、実は慰謝料も示談金の一部なのです。

示談金の相場例5つのケース別にご紹介

示談金には一律の相場がないと冒頭で述べましたが、弁護士に依頼すると、個々のケースの事情を踏まえて適正な損害額を算定し、保険会社の提示額よりも高額な示談金の獲得が可能です。

以下でケース別に示談金例を見てみましょう。

  1. 物損事故の示談金が30万円増額したケース
  2. 後遺障害14級の示談金が250万円増額したケース
  3. 後遺障害8級の示談金が1,130万円増額したケース
  4. 後遺障害1級の示談金で約1億9000万円を獲得したケース
  5. 死亡事故で約8900万円を獲得したケース

物損事故の示談金が30万円増額したケース

追突され損傷した新車同様の被害車両に対し、評価損(格落ち)を認めさせたケースの示談金例です。

(単位:円)

費目 保険会社提示額 弁護士依頼後
修理費その他 1,070,000 1,070,000
評価損(格落ち) 300,000
示談金総額 1,070,000 1,370,000

保険会社の多くは、「事故により車両の機能や外観に欠陥が残った」「事故歴のある車両として中古車市場での価値が下がった」などの評価損(格落ち)を認めることに難色を示します。しかし、このケースでは弁護士に依頼することで30万円の評価損(格落ち)を認めさせ、示談金の増額に成功しています。

増額のポイントとなったのは、弁護士が、被害車両の評価損(格落ち)を請求するにあたり、

  • 初年度登録からの期間
  • 走行距離
  • 損傷部位、程度
  • 修理の程度
  • 購入時の価格
  • 車両の市場での人気度

などのデータを総合的に判断して、素人にはできない法的根拠のある主張・立証を行ったことにあります。

後遺障害14級の示談金が250万円増額したケース

年収370万円の40代女性が追突され、頚椎捻挫(他覚所見のないむちうち症)で治療期間10ヶ月(実通院日数130日)、休業日数130日、後遺障害14級9号と認定されたケースの示談金例です。

(単位:円)

費目 保険会社提示額 弁護士依頼後
休業損害 741,000 1,317,808
入通院慰謝料 1,092,000 1,130,000
後遺障害慰謝料 0 1,100,000
逸失利益 0 800,865
治療費その他 370,000 370,000
示談金総額 2,203,000 4,718,673

このケースでは、弁護士に依頼することで示談金が約250万円増額となりました。

増額のポイントは、当初、後遺障害等級認定を受けていなかったところを、弁護士のサポートにより後遺障害等級認定を申請し、後遺障害14級9号の認定を得られたことにあります。これにより、高額な後遺障害慰謝料と逸失利益が支払われるようになりました。

後遺障害8級の示談金が1,130万円増額したケース

70代専業主婦が道路を横断中にはねられ、顔面に醜状障害、左肩関節の機能障害、左下腿痛を負い、治療期間16ヶ月(入院1ヶ月・通院15ヶ月、実通院日数180日)、休業日数(家事ができなかった日数)180日、後遺障害併合8級と認定されたケースの示談金例です。

(単位:円)

費目 保険会社提示額 弁護士依頼後
休業損害 1,026,000 1,325,490
入通院慰謝料 1,512,000 1,910,000
後遺障害慰謝料 3,240,000 8,300,000
逸失利益 3,800,000 9,339,836
治療費その他 1,200,000 1,200,000
示談金総額 10,778,000 22,075,327

このケースでは、弁護士に依頼することで示談金が約1,130万円増額となりました。増額のポイントは、被害者が高齢の専業主婦だったことで、保険会社が就労可能年数や基礎収入を低く計算し、逸失利益を不当に低い金額で提示したものを、弁護士が適正な方法で計算・請求したことにあります。

後遺障害1級の示談金で約1億9000万円を獲得したケース

70代会社経営者(男性)が道路端を歩行中、後方から来た直進車にはねられ、高次脳機能障害と遷延性意識障害を負い、後遺障害1級1号と認定されたケースの示談金例です。

(単位:円)

費目 弁護士依頼後
休業損害 15,000,000
入通院慰謝料 4,200,000
後遺障害慰謝料 28,000,000
逸失利益 49,000,000
将来介護費 65,000,000
家屋改造費 8,000,000
治療費その他 38,900,000
(損害認定額合計) 208,100,000
(被害者過失10%) -20,810,000
示談金総額 187,290,000円

このケースのポイントは、弁護士に依頼することで、被害者の後遺障害による介護の頻度が「随時」ではなく「常時」必要であること、被害者の役員報酬は、「被害者が就労せずとも受領できる部分があり逸失利益計算の際の基礎収入には含まれない」という保険会社主張について理論立てて反論したことです。
これにより、約1億9000万円の示談金を獲得できました。

死亡事故で約8900万円を獲得したケース

20代大学生(男性)が原付バイクで進行中、センターオーバーをした車両にはねられ、死亡したケースの示談金例です。

(単位:円)

費目 弁護士依頼後
逸失利益 53,000,000
死亡慰謝料 25,000,000
葬儀費その他 11,000,000
示談金総額 89,000,000

このケースのポイントは、弁護士に依頼したことで、「被害者がまだ大学を卒業していないため、大卒水準より低額な全男性平均賃金を基礎収入として逸失利益を計算すべき」と主張する保険会社主張に理論立てて反論したことにあります。これにより、約8900万円の示談金を獲得できました。

また、過失割合10対0の交通事故における慰謝料・示談金の相場・事例を下記に掲載しています。
もらい事故、追突事故など、自分に責任のない、一方的な形で交通事故の被害にあわれた方はあわせてご参照ください。

交通事故の示談金がどのくらいになるか詳しく知りたい方は弁護士へ相談を

これまでの重要点をまとめると以下のとおりです。

  • 示談金には一律の相場はなく、ケースごとに相場が変わる
  • 一度示談すると原則として示談内容をくつがえせないため、安易な示談は禁物
  • 慰謝料は示談金の一部
  • 弁護士に依頼すると、個別のケースを踏まえ、保険会社提示額よりも高額な示談金の獲得が可能

保険会社から提示された示談金は、被害者にとって不当に低い場合がほとんどです。その点、交通事故専門の弁護士に相談すれば、事故によって負った被害を正当に算定し、保険会社提示額よりも高額な示談金の獲得が可能です。

示談金がどのくらいになるか詳しく知りたい方は、保険会社の言葉を鵜呑みにする前に、交通事故専門の弁護士に相談することをお勧めします。

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