交通事故加害者への処罰。起訴されても略式命令に終わる可能性も

判決

交通事故の加害者に厳罰を下すのは難しい。処罰感情だけで訴えることはできず、公訴権を持っているのは検察だけです。重大事故においては当然公判が行われ厳罰が科せられますが、被害者に謝罪の意思がないとか誠意が見られないという理由だけでは不可能に近い。

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刑事手続きにおいて起訴されても、加害者に重い罰が下るとは限らない

交通事故に遭ってしまい、事故以前の生活や仕事が失われてしまったり、不便を強いられたりすることになった被害者の感情としては、損害賠償だけではなく、加害者に重い刑事罰を望むこともあるでしょう。

特に、損害賠償のお金だけで片付けてしまい、謝罪の言葉も出さず、後悔の念もまったく感じられない加害者に対して、処罰感情が沸き上がるのが当然です。

多くのケースでは略式手続きで終わる

しかし実際の刑事手続きでは、加害者がひき逃げをした、あるいは飲酒運転をした末に事故を起こしたなど、よほど悪質な違反をしていない場合は、比較的甘い処分で終わってしまうケースがよくあります。

交通事故の加害者が、故意に事故を起こしたわけではないことや、損害賠償金や慰謝料の支払いを含めて経済的な罰がすでに科せられているということがあります。

また、被害者に対する損害賠償金や慰謝料を支払うためには、加害者に一般社会の中で、きちんと仕事をしてもらわなければならないこともあり、総合的に判断して刑事罰は罰金のみに落ち着くことが多いのが実情です。

交通事故の加害者に対する刑事手続きがどのようなものかを見てみましょう。

起訴されても略式手続きで罰金のみ

交通事故の加害者が、刑事手続きにおいて起訴されることは少ないとされています。

交通事故の件数が多く、発生する人身事故すべてを起訴していると処理が追いつかないという事情もあるようですが、起訴されたとしても簡単な手続きだけで終了してしまうことが多いのが実情です。

裁判なしで判決が下ってしまう略式手続き

加害者に科せられる刑罰が罰金刑のみの場合、検事の判断で正式な裁判はせず、書類だけで刑を確定する略式手続きが行われることがあります。

この略式手続きが可能なのは、加害者に課せられる罰金が100万円以下の罰金または科料の刑になると見込まれる事件の場合に限られます。

交通事故の場合ですと、加害者が逮捕されない在宅捜査になることが多いので、手続きがゆっくり進むことが多いのも特徴です。

検事は加害者に出頭を求め、罰金だけで済む代わりに公開裁判を省略すること、略式命令が裁判所から出てから14日以内であれば、通常の裁判に切り替えることが可能なことなどを説明し、加害者に異議がなれば略式起訴の書類を裁判所に回します。

検察から略式起訴の書類を受けた裁判所は、加害者に対して罰金を支払うよう命じる略式命令を書類にして出します。

そして加害者が期限までに罰金を納付すれば、刑事手続きは終了です。

懲役刑や禁錮刑になるような重大事故や、事故の内容が複雑な場合には公判が開かれますが、被疑者(加害者)が略式手続きに異議を唱えた場合にも正式な裁判となります。

略式手続きが終了したら、事件の処理は終了

略式手続きが終了してしまったら、加害者への刑罰は罰金程度じゃ納得できないと被害者が考えても、どうにもなりません。

被害者に謝意も見せず反省の色も感じられない加害者に与えられた刑事罰が、100万円以下の罰金程度では生ぬるいと思う被害者は当然いるでしょう。

しかし略式手続きで判決が下され、加害者が罰金を払ってしまえば、本当に当該事件(交通事故の刑事手続き)は終わりです。

一事不再理というルール

その理由は、日本の刑事訴訟法上で、特定の刑事事件について有罪あるいは無罪の判決、または免訴の判決が下されて確定した時、同一の事件について再び公訴を提起することができないという、一事不再理というルールがあるためです。

簡単に言えば、刑事訴訟においては裁判で判決が確定した事件を、もう一度審理することはできないということです。

略式手続きは、裁判を省略した刑事手続きですが、そこで決定されたことは普通に裁判を行って審理した結果に下された判決と同じものになります。

そのため、判決内容が被害者にとって納得のいかない緩いものであっても、同じ事件で同じ加害者を刑事告発する事はできないのです。

刑事訴訟は検察にしか公訴権が認められていないため

刑事訴訟においては、公訴権は検察にしかありません。

検察は刑事手続きにおいて、十分な捜査を行い、これ以上の証拠は出ないと判断して裁判を提起するのです。

その結果、裁判において下された判決は最終のものであり、検察による再審を認めてしまうと、逮捕・拘留されている被告人は自分に有利な証拠を集めることはできませんから、検察の思うように裁判が進んでしまうという理由もあるのです。

民事訴訟においては、お互いに控訴を行うことが可能ですが、刑事訴訟においては実質的に一度限りで終了、と考えるべきなのです。

実際の裁判が行われるのはどういうケース?

前述の通り、交通事故においてはすべての事故において刑事裁判が行われることはありません。

そして起訴され刑事手続きが進められるとしても、略式手続きで終了してしまうケースが多いのが実情です。

実際の裁判が行われるケースは?

一方で、ひき逃げ、飲酒運転、過度なスピード違反、死亡事故などの場合には、懲役刑や禁錮刑が言い渡される可能性が高いため、公判が開かれる可能性が高いと言えます。

後半で有罪の判決が下されれば、一生消えない前科がつき、懲役刑や禁錮刑が言い渡されたならば、刑務所で長い時間を過ごすことになるのです。

厳罰化の傾向が強まる交通事故の処罰

悪質、重大な事故については起訴され刑事裁判が行われますが、近年、交通事故の加害者に対しては厳罰化の傾向が強まっていることに注目が集まっています。

2013(平成25)年、自動車運転死傷行為等処罰法(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律)が成立し、翌年5月に施行されました。

それ以前は刑法に規定されている危険運転致死傷罪、自動車運転過失致死罪とされていましたが、そこから抜き出した上で特別法とし、新たな形の犯罪も設けられたものです。

被害者が死亡したり怪我をしたりした場合は過失運転致死傷罪で、7年以下の懲役もしくは禁錮、または100万円以下の罰金が科せられます。

また、より悪質な運転による事故については危険運転致死傷罪となり、1年以上20年以下の懲役が科せられます。

これらの場合には略式手続きで刑事手続きが行われることなく、公判によって加害者に刑罰が与えられます。

早めに全力で動くことが重要

刑事手続きにおいては、略式手続きが決定する前に全力で動くしかありません。

略式手続きが行われる前、せめて容疑者(交通事故の加害者)を正式な法廷に引きずり出すには、検事が略式手続きの決定を下す前に、上申書などを送ったり、直接担当検事に面会に行ったりして、被害者の立場から加害者の起訴を訴えることが必要となります。

弁護士の力を借りて、できることはすべて行うこと

一般的な刑事事件で被疑者が逮捕されてしまっていると、事件が起きてからすぐに略式手続きが決定してしまうことがあります。

しかし幸いにも、多くの交通事故の場合は在宅捜査となりますので、刑事手続きはそれほど迅速には進みません。

交通死亡事故でも、略式手続きの決定まで1年近くかかった例もあるようです。

加害者に対して強い処罰感情が芽生えた場合、刑事手続きがまだ進んでいなければ、検事に起訴を願い出るという方法が使えます。

しかし相手を罰したいという処罰感情だけでは検察は動いてくれません。

弁護士の力を借りて、法律的に正しい方法で訴えるしかありません。

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