慢性硬膜下血腫|早期発見と適切な治療が肝要~交通事故の後遺症~

慢性硬膜下血腫

硬膜下での出血がじわじわと広がる「慢性硬膜下血腫」

早期発見と適切な治療を施せば後遺症が残る心配は少ない

交通事故によって頭部に負う損傷は、頭皮などに負う頭部外傷、頭蓋骨などの骨折、脳挫傷、硬膜外血腫、硬膜下血腫、くも膜下出血などがありますが、ほとんどの場合は事故直後の医師による所見で早期の治療を要するものと診断され、すぐに病院で処置が施されます。

一方で、すぐには症状が明らかにならず、しばらく時間を経過した後に、場合によっては数カ月後に異常が明らかになる「慢性硬膜下血腫」という症状もあります。

早期に出血が判明し、適切な治療を施せば完治が期待される「慢性硬膜下血腫」ですが、気付かずに放置すると、まれに「高次脳機能障害」などが起こり、後遺症が残ってしまうケースがあります。

交通事故後、以下に説明するような症状があった場合、早期に医師の診断を受けることをお薦めします。

(注)本ページに記載している症状や治療法は、一般的な知識として覚えておいた方が良いというもので、記載内容によって自己判断を行うことや、治療方法をお薦めするものではありません。必ず医師の診断を受け、適切な診断と治療を受けてください。

硬膜下血腫は早期の治療が重要

人間の頭部の構造は、簡単にいえば外側からまず頭皮があり、頭蓋骨があり、その内側には硬膜、くも膜、軟膜の3種類の髄膜で脳を守っている形になっています。

交通事故による衝撃で、これらの頭部を構成するいずれかの部分に損傷を受け出血した場合、その箇所によってさまざまな症状が表れ、そのほとんどは早期の治療処置が必要とされるものです。

例えばくも膜の下で起こる「くも膜下出血」は一般的にも重篤な症状として名前の知られる病気です、交通事故以外でも発症すれば致死率が高く、障害が残る確率も高いものです。

もちろん交通事故でも「くも膜下出血」は起こる可能性があり、多くの場合は急で激しい頭痛や嘔吐、意識障害を訴えることが多いため、直後に搬送された病院で検査や治療が行われることになります。

「硬膜下血腫」とは?

「硬膜下血腫」とは、交通事故の場合は頭部への衝撃によって硬膜下に損傷が起こり、くも膜の外側にある硬膜下に血が溜まって血腫となるものです。やがて血腫が膨らみ脳を圧迫してさまざまな症状を起こします。

「硬膜下血腫」は交通事故だけではなく、頭をぶつけただけでも発症することがあり、脳の表面に少量の出血が起きたり、脳脊髄液がたまったりした場合、硬膜下にも出血が表れ次第に血腫が大きくなることで悪化していきます。

外傷がない脳動脈瘤破裂や動脈硬化、加齢による脳の萎縮でも発症することがあり、アルコールの多飲、脳圧の低下、動脈硬化なども原因として挙げられています。

「急性硬膜下血腫」と「慢性硬膜下血腫」

「硬膜下血腫」は症状が出た時期によって「急性」と「慢性」に分けられます。

目安として、交通事故に遭って頭部に衝撃を受けた後3日以内に症状が出た場合は「急性硬膜下血腫」と呼び、怪我をしてから3日を過ぎ、じわじわと血腫がたまってくるものが「慢性硬膜下血腫」と呼ばれます。

「急性硬膜下血腫」の症状

強い衝撃によって脳も損傷を受けていることが多いため、事故直後から意識障害などの症状が起こるケースがほとんどです。また脳に損傷がなく、血管が傷ついて出血しているだけの場合でも、出血の量が多く血腫が急激に膨らみ、脳を圧迫して意識障害などが引き起こされます。

いずれにしても、「急性硬膜下血腫」は事故後すぐのCT検査で診断され、その程度によって緊急手術が行われることがほとんどで、死亡率も高く、日常生活に復帰できたとしてもほとんどの場合は「高次脳機能障害」などの後遺症に悩まさることになります。

「慢性硬膜下血腫」」の症状

「慢性硬膜下血腫」は、わずかな出血が少しずつ時間をかけて硬膜下に溜まっていきますので、血腫が脳を圧迫するほど大きくなるまでには時間がかかるものです。

「急性硬膜下血腫」の場合は、受傷後1~3日で意識障害が起こりますが、「慢性硬膜下血腫」の初期は自覚症状がない場合もあります。

徐々に血腫が溜まり始める時期の「慢性硬膜下血腫」の予兆は、たびたび起こる頭痛、意識がもうろうとする、眠気が続く、動作がおかしい、箸が持てない、歩く姿が不自由に見えるなどの症状で、交通事故から数週間経っている場合には、それが原因だと気づきにくいものもあります。

症状が進み、脳が次第に圧迫され始めると、頭痛、吐き気、嘔吐、半身麻痺、言語障害、元気がなくなる、物忘れなどの認知症の症状、歩行障害、意識障害など、上記の予兆がさらに強まったものが現れます。

以上のように「慢性硬膜下血腫」の場合は自覚症状が希薄で、なんとなく頭痛がするという程度のことも少なくないようです。

慢性とはいえ、症状が進むまで放置しておくと、手術も難しくなり後遺症が残る場合もあるので、交通事故に遭い頭部に衝撃を受けた場合は、少しでも事故前と違う症状があれば、専門医の診察を受けるべきでしょう。

「慢性硬膜下血腫」の検査方法と治療方法

「慢性硬膜下血腫」の検査で重要な点は、事故直後の検査では異常が見られない場合が多いということです。

事故に遭った直後に病院に行って、念のためにCT撮影をしてもらっても異常は見られず、その後数日、数週間かけて血腫が溜まっていくこともあるので、「慢性硬膜下血腫」が疑われる症状がある時には、脳外科などの専門医で必ず再検査を受けることが大切です。

後遺障害認定の申請を行う場合は、よりはっきりと所見が確認できるMRI撮影を行ってもらうと良いでしょう。

「慢性硬膜下血腫」の治療法

「慢性硬膜下血腫」の治療方法は、基本的に外科手術となります。多くの場合は頭部に小さな穴を開け、溜まった血腫を取り除き、出血している血管を塞ぎます。

血腫が固まっている場合には開頭手術が行われる場合もあります。また血腫が小さい場合には外科手術を行わず、薬物療法などの内科的治療で治癒を待つ方法もあるようです。

いずれにしても、発見が早期であれば、脳そのものには損傷が起こっていない症状ですから、後遺症が残るケースは少ないとされています。

「慢性硬膜下血腫」の後遺障害認定について

「慢性硬膜下血腫」は、交通事故によって発症したと認定されれば、手術代をはじめとする治療費など自賠責保険の適用を受けることが可能です。

ただし後遺障害については、その症状の進み方が遅いことが認定を難しくさせるケースがあるようなので注意が必要です。

「慢性硬膜下血腫」自体は後遺障害ではない

硬膜下に血腫ができたこと自体は後遺障害の対象ではなく、血腫によって脳が圧迫され起きる症状が認定の対象となります。

失語症や記憶障害といった「高次脳機能障害」や、半身麻痺などの症状が後遺障害として認定されます。

この場合、後遺障害認定の等級は、その症状によって変わり、賠償金額は大きく違ってきます。

示談交渉において注意を払うこと

すぐに症状が出ないケースがある

交通事故によって頭に衝撃を受けた場合、「慢性硬膜下血腫」のように数カ月後に症状が表れるケースがあることに留意しておきましょう。

軽い頭痛があるけれど、後遺障害が残ることはないだろうと考え、その時点の症状だけで示談に合意してしまうと、「高次脳機能障害」などの脳障害については後遺障害認定が受けられないことが多くあるようです。

それでも示談を行う場合は、後に現れるかもしれない後遺障害の補償については別途協議する旨の条件を示談書に付与するなどの対策を講じておいた方が良いでしょう。

相手方が条件付記を渋る場合もありますが、その場合は弁護士などの専門家に相談することをお薦めします。

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