高次脳機能障害~診断、認定が難しい交通事故による後遺障害~

高次脳機能障害

「高次脳機能障害」の症状を知り、的確な診断を

専門家の力を借りて後遺障害認定を受けよう

「高次脳機能障害」とは、交通事故などによる脳の損傷が原因となって、記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害などの症状が起きるものです。これらの症状は、たとえ交通事故の被害者に現れていたとしても、外見上はあまり目立たないため、本人に自覚症状がなく、周囲の人が気づくまでに時間がかかることが多いケースがあるのが特徴です。

(注)本ページを読まれる前に

本ページに記載している症状や治療法は、一般的な知識として覚えておいた方が良いというもので、症状によって自分で判断を行うことや、記載した治療をお薦めするものではありません。必ず医師の診断を受け、適切な診断と治療を受けてください。

「高次脳機能障害」はなぜ起こるのか?

「高次脳機能障害」は、「脳梗塞」「脳出血」「くも膜下出血」などの脳卒中が原因となることが多いのですが、交通事故やスポーツ中の事故などでも起こる症状です。

一方、「脳性まひ」「発達障害」「うつ病」「総合失調症」「アルツハイマー病」などが原因で「高次脳機能障害」と同じ症状が出ることがありますが、これらは「高次脳機能障害」とは診断されず、脳卒中や外傷性脳損傷などの症状が進行しないものが原因であることが診断の条件となります。

交通事故の場合は、ほとんどが頭部への衝撃で脳が損傷した後に出る症状で、脳の前頭葉、頭頂葉、側頭葉、後頭葉など、損傷を受けた部分によってそれぞれ特徴的な障害が起こります。

典型的な例としては、頭部に強い衝撃を受け「急性硬膜下血腫」を起こし、緊急手術により一命をとりとめ日常生活や社会生活に復帰できたものの、「高次脳機能障害」によって満足な生活を送れないようなケースがあります。

障害の症状が目に見えないものであることが多く、医師にも社会的にも理解が進んでいないことがあり、後遺障害として認められない、あるいは症状の自覚がしにくいといった難しい状況になる場合があります。

症状に気づくまでに時間を要するケースが多い

「高次脳機能障害」の症状は、外見上目立つものではありません。そのため、障害があることを本人が自覚できず、周囲の人も気づくまでに時間を要してしまう場合が多いのが特徴です。

交通事故による負傷が癒え社会復帰したのに、以前は問題なくできていた仕事ができなくなったり、事故によって性格が変わったと言われ始めて気づいたりするなど、事故後数カ月などかなりの時間を経過してから分かることが多いのです。

「高次脳機能障害」の症状は?

「高次脳機能障害」の症状は、大きく分けると次の4つに分類されます。

記憶障害

脳の側頭葉内側に損傷がある場合に起こりやすく、新しいことを記憶できなくなる「前向性健忘」と、過去の記憶が思い出せない「逆行性健忘」の2つに分類されます。

「前向性健忘」とは

損傷を受けた後の学習障害で、新しい情報はエピソードを覚えられない、あるいは覚えにくくなる症状で、症状が出た後の出来事の記憶も保持されない、あるいは保持されにくくなります。

「逆行性健忘」とは

損傷を受ける前の記憶を完全に喪失、あるいは部分的に喪失するものです。

記憶障害では、「今日の日付がわからない」「自分のいる場所を理解できない」「物をどこに置いたのか忘れる」「約束を忘れる」「新しいことが覚えられない」「何度も同じ質問をする」「作業の手順を覚えられない」などの症状が現れますが、その程度は人によってさまざまです。

注意障害

脳の前頭葉や頭頂葉に損傷がある場合に起こりやすく、注意力が散漫になり、行動に一貫性がなくなるのが特徴で、「全般性注意障害」と「半側空間無視」の2つに分類されます。

「全般性注意障害」は、集中することが難しくなり、注意散漫になること、すなわちある刺激に焦点を当てることが難しくなり、他の刺激に注意を奪われやすい状態を指します。

また、長時間注意を持続させることが難しくなる症状も含まれます。症状としては、「ぼんやりする」「気が散る」「長時間集中できない」「周囲の状況を判断せずに行動を起こす」などが挙げられますが、程度は人によってさまざまです。

「半側空間無視」は、脳損傷の反対側の空間における刺激を見落としてしまう障害です。

自分が意識して見る空間の片側を見落とすため、「ドアを通ろうとして片側にぶつかる」「食事の際に片側のものだけを残してしまう」などの症状が起こります。

社会的行動障害

脳の前頭葉と側頭葉に損傷がある場合に起こりやすく、意欲・発動性の低下、情緒コントロール障害、対人関係障害、依存的行動、固執などの症状が起こります。

意欲・発動性の低下とは、自発的に行動することがなくなり、身体に運動を阻害する障害がないのに、ずっと寝たきりの生活を送るような症状です。

情緒コントロール障害とは、イライラした気分が徐々に過剰になり、攻撃的行動を起こしてしまえば自身でコントロールすることが難しくなるもので、突然興奮して大声を出し、暴力をふるうという行動に出ます。

対人関係障害とは、人と話をしている時に急に話題を変えたり、抑制が効かない親密行動をとったり、相手の発言を復唱するなど、社会的な対人関係を保つ能力が低下するものです。

そして依存的行動はいわゆる退行、幼児行動を起こして人格機能が低下することで、固執とは認知や行動を転換できないという障害です。

遂行機能障害

脳の前頭葉に損傷がある場合に起こりやすく、目的に適った行動計画を立てること、また行動を実行することができなくなる障害です。

物事の優先順位がつけられないために行動計画が立てられず、無計画な行動や判断をし、周囲の変化に対応ができなくなります。

症状としては、「約束の時間が守れない」「計画しても実行できない」「指示されないと行動できない」「優先順位が決められない」などが挙げられます。

「高次脳機能障害」でなくても約束の時間にルーズな人や計画性のない人はいますが、交通事故を境にこのような症状が出た場合は、「高次脳機能障害」を疑いがあるといえます。

以上の4つに加え、言葉がうまく出ず日常生活の動作が難しくなる失語症・失行症、自分が障害を持っているという認識ができない病識欠如、対象物を認知できなくなる失認症などの症状も「高次脳機能障害」とされます。

「高次脳機能障害」の診断、後遺障害認定を受けるには?

自賠責保険における「高次脳機能障害」の後遺障害認定は、社会的に「高次脳機能障害」が取りざたされ、一般的にも知られるようになった2000(平成12)年ごろから検討が開始され、その後段階的に認定システムが整備され、現状では2011(平成23)年の基準がベースとして適用されています。

これ以前は、画像所見がない場合などは症状があっても後遺障害として認定されず、泣き寝入りせざるを得ない状況だったのです。

現在では、以下の進め方で「高次脳機能障害」の後遺障害認定を得ることをお薦めします。

症状を自覚して、「高次脳機能障害」だと認識すること

先に説明した症状は、必ずしも交通事故に特有のものではありません。症状によれば本人が自覚することが難しいのですが、周囲の人に尋ねるなどして交通事故を境に自信に変化があるということを知ることが重要です。

また自身の周りに交通事故に遭った人がいれば、「高次脳機能障害」と思われる症状がないか確認してあげるのも良いでしょう。症状に気づかず示談に合意してしまえば、後に後遺障害だと訴えても損害賠償を得ることは非常に難しいのです。

専門医の診断・検査を受けること

「高次脳機能障害」は専門的な知識や高度な検査が必要

後遺障害認定には、事故直後の初診時に頭部に損傷を受けている診断があること、また障害の原因と考えられる器質的病変がCT、MRI、脳波検査などによって確認されていることが必要とされています。

現状、このような診断は経験のある専門医でないと難しいのです。

日常生活の変化を記録すること

「高次脳機能障害」の症状には、自身で気づけないものが多くあります。

後遺障害認定を受けるためには、本人だけではなく家族や周囲の人に、症状や生活態度を記録してもらうことが必要となります。

交通事故の後遺障害に強い弁護士に依頼すること

以上のように、「高次脳機能障害」の症状は自覚も難しく、診断や検査も難しく、後遺障害認定の手続きも非常に困難が予想されるものとなります。

例えば、認定に必要とされるCTやMRIの画像所見がなくても認定を得ることができた判例もあるため、諦めずに専門家の力を借りることをお薦めします。

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