交通事故で家族が意識不明の重体になってしまったらどうする?

遷延性意識障害

(注)本ページを読まれる前に

本ページに記載している症状や治療法は、一般的な知識として覚えておいた方が良いというもので、症状によって自分で判断を行うことや、記載した治療をお薦めするものではありません。必ず医師の診断を受け、適切な診断と治療を受けてください。

交通事故で被害者が意識不明になった場合の対応

加害者や同乗者には救護義務がある

交通事故を起こした当事者である加害者や同乗者には、被害者に対する「救護義務」があります。救護義務は道路交通法によって課される重要な義務であり、加害者がこれを守らずに逃げると「ひき逃げ」になります。ひき逃げは重大な犯罪ですので、加害者が逃げると後から刑事裁判となり、重い刑罰を科されます。

そこで交通事故現場で被害者が意識を失うと、通常は加害者やその同乗者が応急処置をしたり救急車を呼んだりします。

家族が被害者と同乗していた場合

もしも被害者の家族が被害車両に同乗していたら、家族としても応急処置や救急への連絡を行いましょう。

実際、応急処置は被害者がその後に意識を回復するかどうかに大きな影響を及ぼします。意識不明となった直後、救急車が来るまでの数分間に適切な対応をとれたかどうかでその後の被害者の回復予後が大きく変わってくることも多々あるので、是非とも応急処置の方法を知っておいてください。

家族が応急処置をするときには、以下の流れで進めましょう。

安全を確保 まずは意識を失っている被害者の身体を、車の来ない安全な場所にそっと移動させます。
被害者の反応を確認 被害者が意識を失っているようであれば、一度軽く肩などをたたき「大丈夫ですか?」と声をかけます。これで、被害者が意識不明かどうかを判別できますし、被害者が意識を取り戻すこともあります。
心音と呼吸を確認 被害者が意識を失っているなら、被害者の心臓が動いているか、また呼吸しているか、胸の上や口の上に耳を当てて確認します。
心臓マッサージを行う もしも心臓が止まっていたり呼吸が停止していたりしたら、気道を確保した上で心臓マッサージを行います。AEDがあれば利用しましょう。
人工呼吸について 人工呼吸についても、できればした方が良いのですが、正しくできないとリスクもあります。自信がない場合には心臓マッサージだけでも続けましょう。
外傷への対応 外傷により出血していたら、清潔なタオルなどを使って傷口を抑えて出血を防ぎましょう。また手で直接傷口に触れると感染症の危険があるので、傷口には触らないよう注意が必要です。
近くに医療関係者がいないか、声をかける 素人の家族が自分だけでできる応急処置には限界があるものです。人通りのある場所であれば、近くに医療関係者がいる可能性もあるので、声をかけて助けを呼びましょう。

交通事故で意識不明になった被害者のその後の経過

交通事故で被害者が意識不明となった場合、その後はどのような経過をたどることが多いのでしょうか?

数時間以内に回復する

いったんは事故の衝撃で意識不明となっても、軽い脳しんとうのケースであれば、2~3時間以内に意識を回復することが多いです。その場合、意識を取り戻した後も特に後遺症が残らず、日常に戻っていける可能性が高くなっています。

6時間以上意識不明の状態が続く

事故後、6時間以上持続して意識不明の状態が続くケースでは脳挫傷となって脳が傷ついている可能性があり、意識を取り戻した後も完全には回復せず後遺症が残ってしまうケースもみられます。

意識を取り戻した後、数週間、健忘状態が持続する

交通事故で意識不明となり、数時間が経過して意識を取り戻しても、その後の生活で被害者の様子がおかしいと感じるケースがあります。もの忘れが酷くなったりぼんやりしていたりして健忘状態となるのです。意識不明となった後、しばらく健忘状態が継続するようであれば、やはり脳挫傷によって脳が損傷を受けている可能性があります。

意識を回復しても後遺症が残る

交通事故で脳挫傷や脳内出血などが起こると、その後意識を回復しても被害者に後遺症が残ってしまう可能性が高まります。たとえば高次脳機能障害、てんかんなどの障害が典型的な後遺障害です。

意識を回復しない

交通事故における脳障害の程度が非常に重い場合には、時間が経過しても被害者は意識を回復しません。そのままいわゆる「植物状態」になってしまいます。この症状を医学的に「遷延性意識障害」と言います。いったん遷延性意識障害となった場合の予後は悪く、一生意識を回復しないままお亡くなりになる方がほとんどです。一生介護が必要となるので、家族にも大きな負担がかかります。

死亡する

被害者の脳の損傷程度がひどいケースでは、意識を回復しないまま被害者が死亡してしまう例もあります。

交通事故で被害者が意識不明になったとき、家族にできること

交通事故で家族が意識不明になったとき、家族としてはどのような行動をとれば良いのでしょうか?

良い病院を探して適切な治療を受けさせる

まずは脳障害を専門的に取り扱っている良い病院を探して、適切な治療を受けさせるべきです。意識不明となった場合、脳内出血や脳挫傷などの重大な症状が発生している可能性もあり、放っておくと命に関わるので緊急の処置が必要です。

また後になるべく後遺障害を残さないためには早期に適切な治療を施す必要があります。
後遺障害認定のことを考えてもMRIなどでしっかり症状を分析してくれる病院で治療を受けるべきです。

救急車で運ばれた場合には病院を選べませんが、救急搬送されなかった場合や転院する際などには「脳障害」に力を入れている総合病院の「脳神経外科」を受診しましょう。

治療の経過を観察して記録をとる

被害者が意識不明になったとき、家族としては「いつ意識を回復するのか」という点に関心が及び、他のことにはかまっていられない気持ちになるものです。ただ、後に後遺障害認定を受けるとき、被害者の意識障害に関する記録が重要な資料となるケースもあります。

そこで、交通事故後は被害者がどのような状態か、毎日記録をつけることをお勧めします。看護ノートのようなかたちで「今日は~をした。反応があった(なかった)」などを日々記録していきましょう。

加害者の刑事裁判に参加する

もしも被害者が意識不明になった後に死亡してしまったら、遺族は加害者の刑事裁判に参加することができます。
被害者参加した場合、遺族は以下のようなことができます。

  • 検察官と一緒に裁判に参加
  • 検察官の訴訟進行に意見を述べることができる
  • 遺族が加害者や加害者側の情状証人に尋問する
  • 裁判官に被害者としての意見を述べる
  • 加害者に与える刑事罰についての意見を述べる

また意識を回復した被害者が、自分で被害者参加することもできるので、その際には家族が弁護士を探してサポートしてあげると良いでしょう。

被害者が意識を回復する可能性について

交通事故で意識不明となった被害者が意識を回復する可能性は、どのくらいあるのでしょうか?
これについては、脳障害の程度によってまったく異なります。軽い脳しんとうであれば数時間で回復できますが、重い脳障害の場合には一生回復しないケースもあります。一概に「〇%の確率で意識を回復する」とは言えません。

だからこそ、交通事故で意識不明となったらすぐに応急処置をとって病院に運び、適切な治療を受ける必要があるのです。事故後の処置が遅れれば遅れるほど、意識を回復する可能性が低くなっていきます。

意識不明の場合の示談交渉の進め方

交通事故で被害者が意識不明となり、そのまま回復しなかったらどのようにして加害者との示談交渉を進めれば良いのでしょうか?

家族が代理で交渉できない

「本人が意識不明なら、家族が代理で示談交渉に対応すれば良いのではないか?」と考える方もおられます。

しかし交通事故の示談交渉は、家族であっても代理することは不可能です。家族には本人の「代理権」がないからです。家族が代理権を持つのは、未成年の子どもの親(親権者)の場合や、被害者がすでに認知症などで成年後見審判を受けていて、家族が成年後見人に就任しているときだけです。

それ以外の、通常の成人の被害者の場合には、家族が代理で保険会社と話し合いを進めることはできません。基本的に本人の意識回復を待つことになります。

成年後見人を選任する

ただ、どれだけ待っても本人の意識が回復しないケースがあります。一般的に、意識を回復しないまま3か月以上が経過すると、「遷延性意識障害」としていわゆる「植物状態」の診断が下ります。また、意識を回復しても「高次脳機能障害」となり、認知能力が低下して日常の必要な行動すら自分でできなくなってしまう方もおられます。そんなときには被害者だけでは示談交渉を進められません。

被害者が自分で示談交渉できる状況でないならば「成年後見人」を選任する必要があります。成年後見人とは、判断能力の無い方のために財産管理や権利行使、身上監護の方法などを決める人です。家庭裁判所に選任申立を行い、選任してもらいます。子どもなどを後見人の候補者に立てることも可能です。

成年後見人が選任されれば、後見人が本人を代理して保険会社と示談交渉を進めていけますし、示談が成立したら後見人が示談書にサインして示談金を受けとることも可能です。示談が決裂したら後見人が弁護士に依頼して損害賠償請求訴訟も起こせます。

ただしいったん成年後見人が選任されると、交通事故問題が解決しても基本的に一生成年後見人がついたままの状態になるので、注意が必要です。解決したからと言って後見人にやめてもらうことはできません。

意識不明になった場合の後遺障害認定

交通事故で被害者が意識不明になったら、さまざまな後遺症が残る可能性があります。代表的な後遺症の内容は以下のようなものです。

遷延性意識障害

交通事故で意識不明となり、その後意識を回復しない症状です。一生意識を回復されない方も多く、全面的な介護が必要です。認定される後遺障害の等級は1級です。

高次脳機能障害

脳障害によって脳の認知能力が低下する後遺症です。意識は回復しても、その後働けなくなったり日常生活に大きな支障が発生したりします。常時介護を要する状態になるケースもあります。

高次脳機能障害になったときに認定される可能性のある後遺障害の等級は、1,2、3、7,9級です。

てんかん

交通事故で意識不明となった場合、その後意識を回復しても「てんかん発作」が残ってしまう方がおられます。その場合にも後遺症として後遺障害認定される可能性があります。

てんかんの場合に認定される可能性のある後遺障害の等級は、5、7,9,12級です。

脳障害の後遺症が残りやすい診断名

後遺症が残りやすい脳障害の診断名としては、以下のようなものがあります。

  • 脳挫傷
  • 頭蓋骨骨折
  • 脳内出血
  • 硬膜下出血
  • くも膜下出血
  • びまん性軸索損傷

交通事故後、医師から上記のような診断名を告げられたときには注意が必要です。

意識不明の被害者の権利を守るのは弁護士

交通事故で被害者が意識不明の重体となった場合、家族だけでできることは限られているものです。病院を探して日々看護を行うことはできても、成年後見人の選任や示談交渉、後遺障害認定のことなどわからない問題も数多く存在します。そんなとき、被害者やご家族を助けてくれるのは弁護士です。

以下で弁護士がしてくれることをご紹介します。

状況に応じた適切なアドバイス

被害者が意識不明になった場合、具体的な状況に応じた適切な行動をとる必要があります。どこの病院に入院すべきか、どのような検査を受けるべきか、相手の保険会社にどのような返答や提案をするか、などの判断をしなければなりません。

弁護士に相談すると、これらについて常に適切なアドバイスをしてもらえます。

成年後見人の選任申立、就任

遷延性式障害などとなって本人が自分で示談交渉を進められないときには、成年後見人の選任が必要です。弁護士は成年後見人の審判申立を進めたり、弁護士自身が本人の成年後見人となったりして相手の保険会社と示談交渉を進めることが可能です。

示談交渉の代理

成年後見人にならない場合でも、意識を回復した被害者から弁護士が直接依頼を受けて、相手の保険会社との示談交渉を進められます。弁護士が対応することにより、有利に話を進めることができて受け取れる賠償金が大幅に増額される例も多々あります。

後遺障害認定請求

交通事故後、意識不明となった被害者にはさまざまな後遺障害が残る可能性があります。その際「被害者請求」という方法によって手続きを進めることにより、効果的に高い等級の後遺障害認定を受けられるケースがあります。

被害者やご家族では対応が難しい事案でも、弁護士に任せていれば適切に等級認定の手続を進めて高い等級を勝ち取ってくれるでしょう。

交通事故で家族が意識不明になったときに弁護士に依頼するメリット

賠償金が大幅に増額される

交通事故の対応を弁護士に依頼すると、受け取れる賠償金の金額が大幅にアップする可能性が高いです。なぜなら弁護士が示談交渉をするときには、慰謝料などの計算の際に高額な「弁護士基準」が適用されるからです。弁護士基準が適用されると、後遺障害慰謝料は、任意保険提示額の2~3倍程度になることも多く、死亡慰謝料も1000万円程度増額されるケースがあります。

自分たちだけで苦労して示談交渉を進めて低額な慰謝料を受け取るよりも大きなメリットを得られます。

介護や生活に専念できる

交通事故で家族が脳障害となったら、本人への介護や日常生活、仕事などのため周囲の家族は大変忙しくなるものです。それに足して交通事故への対応までしなければならないとなると、負担が重くなりすぎます。

示談交渉や後遺障害などの交通事故関係の処理を弁護士に任せてしまったら、その分介護や仕事、日常生活に専念できるので、労力がかからずとても楽になります。

ストレスが軽減される

交通事故後の保険会社などへの対応は非常にストレスがかかるものです。弁護士に任せてしまったら、保険会社とのやり取りなどはすべて弁護士に任せられるので、家族としても気分的に非常に楽になります。

家族が意識障害になったら、弁護士に相談しよう!

交通事故で家族が意識障害になったら「回復するのだろうか?」「後遺障害認定は?」などいろいろ心配事が増えます。そんなときには、一度専門家である弁護士に相談して、適切なアドバイスを受けましょう。また適切な病院を選択してきちんと治療を受けることは何より重要です。焦らず、1つ1つ必要な対応を進めていきましょう。

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