ひき逃げに遭った場合、損害賠償はどうなる?~交通事故の損害賠償~

白バイ

交通事故の損害賠償の請求先は、加害者が明らかな場合は加害者本人、あるいは使用者など規定されています。しかし加害者が不明となるひき逃げの場合、被害者は請求することができません。このため、政府は被害者救済の事業を通して損害賠償を行っています。

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ひき逃げは重罪

検挙されると重い罪に

交通事故を起こしてしまったばかりか、事故当事者が行うべき救護活動を放棄して逃走してしまうわけですから、後に検挙されると重い罪を背負うことになります。

一方で、ひき逃げの被害者は、交通事故の加害者が本来支払うべき損害賠償の請求先が分からないという事態に陥ってしまいます。

ひき逃げの検挙率は高いものの、被害者はすぐに治療費などが必要となる場合が考えられます。その場合は、政府の保障事業などを利用することで損害賠償を受けることができます。

年々上昇する死亡ひき逃げ事故検挙率

ひき逃げ事件はどれくらい発生しているのでしょう?

平成27年(2015年)版犯罪白書によると、平成26年のひき逃げ事故は9,231件発生し、そのうち死亡事故は148件、重傷事故は773件、軽傷事故は8,310件となっています(※1)。

同年度の交通事故発生件数は573,842件で、1.6%がひき逃げ事故となっています。

(※1)重症とは、交通事故の負傷の治療を要する期間が1カ月以上のもの。軽傷は1カ月未満のもの。

減少しつつあるひき逃げ事故

ひき逃げ事故は全交通事故発生件数と同じような増減を見せていますが、直近では平成16(2004)年の20,007件がピークでした。

同年のひき逃げ死亡事故は292件、重傷事故は1,403件と、多くの被害者が発生してしまいました。

しかしひき逃げ事故の件数は、その後なだらかな減少を続け、約10年間で半分以下にまで減ったことは、交通事故自体が減少したこともありますが、事故直後の被害者救護の必要性が周知されてきたことの表れかもしれません。

高まる死亡ひき逃げ事故検挙率

平成26(2014)年の死亡事故、重傷事故、軽傷事故を合わせた全検挙件数は4,815件となり、検挙率は52.2%と、比較的低水準に留まっています。

一方で、死亡事故の検挙率は102.7%、重傷事故検挙率は72.3%と高く、重い事故ほど警察が捜査に本腰を入れて取り組んでいるという傾向が見て取れま(※2)。

当然、軽傷事故では証拠が少なく、捜査が難しいという側面はありますが、ドライブレコーダーや防犯カメラ・ビデオの設置が増えてきていることもあり、検挙率のさらなる上昇を望みたいところです。

(※2)前年以前に認知された事故の検挙数が含まれるため、検挙率が100%を超える場合もある。

ひき逃げ事故で検挙された加害者は、厳罰に処される

ひき逃げとは、道路交通法で定められている救護義務と報告義務、危険防止の措置を行わずに、事故現場から去る犯罪行為です。

自身が運転する自動車が、道路状況や荒天などで被害者に接触したことに気が付かないということもあるかもしれませんが、中には、事故を知りながらも自身が飲酒運転をしていたため、現場から逃走し酔いが醒めてから出頭するという悪質なケースもあるようです。

いずれにせよ、正しく救護措置などを行っていれば助けられた命が、逃走したことで失われてしまうこともあるケースなので、処罰は厳しいものとなっています。

道路交通法で定められた義務とは?

道路交通法では、交通事故の場合の措置等として、運転者の義務を以下のように規定しています。

交通事故の場合の措置

第72条 交通事故があったときは、当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員(以下この節において「運転者等」という。)は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。この場合において、当該車両等の運転者(運転者が死亡し、又は負傷したためやむを得ないときは、その他の乗務員。以下次項において同じ。)は、警察官が現場にいるときは当該警察官に、警察官か現場にいないときは直ちに最寄りの警察署(派出所又は駐在所を含む。以下次項において同じ。)の警察官に当該交通事故が発生した日時及び場所、当該交通事故における死傷者の数及び負傷者の負傷の程度並びに損壊した物及びその損壊の程度、当該交通事故に係る車両等の積載物並びに当該交通事故について講じた措置を報告しなければならない。

交通事故を起こしてしまった場合は、すぐに運転を止めて、負傷者を救護して、危険を防止する措置を行ったうえで警察に通報しなければならない、という規定です。

ひき逃げに対する厳しい罰則

この義務を違反することにより、科せられる罰則は次の通りです。

負傷者の救護と危険防止の措置違反

5年以下の懲役または50万円以下の罰金。事故が運転者の運転に起因する場合は、10年以下の懲役または100万円以下の罰金。

事故報告の義務等の違反

3カ月以下の懲役または5万円以下の罰金。

現場に留まる義務違反

5万円以下の罰金

過失運転致死傷罪(自動車運転過失致死傷罪)

7年以下の懲役もしくは禁錮。または100万円以下の罰金。

危険運転致死傷罪

被害者が負傷の場合は15年以下の懲役。被害者が死亡の場合は20年以下の懲役。

殺人罪

死刑、無期懲役、懲役5年以上

交通事故を起こした措置違反に加え、無免許、飲酒、被害者を引きずったまま逃走などの悪質な場合は、殺人罪に問われることもあります。

ひき逃げ事故の被害者を救済する政府保障事業

先に説明した通り、ひき逃げの加害者が検挙される確率は、被害者死亡の場合は100%に近いものとなっていますが、重症、軽傷の場合は加害者が分からないまま、被害者は怪我の治療を続けなければならないという状況に陥ってしまいます。

原則として、交通事故の損害賠償請求は加害者に対して行われ、その加害者が不明であるということは、被害者が全額自費で受けた損害を負担しなければならないのです。

加害者が検挙されても、損害賠償金が支払われるとは限らない

加害者が検挙されれば損害賠償請求も可能ですが、被害者がそこまで待っているのも資金的な負担が大きく、精神的にも良くない状態が続いてしまいます。

また、例え加害者が検挙されたとしても、ひき逃げという重い罪を犯してしまったがためにその身柄は拘束され、氏名は世間の知る所となり、財政的に損害賠償金を支払えなくなる可能性が高いと言えます。

政府保障事業とは?

政府保障事業とは、自賠責保険の対象とはならないひき逃げ事故や無保険事故に遭ってしまった被害者を救済するための制度です。この制度で保障される範囲と限度額は自賠責保険の基準と同じで、請求できる期限は事故発生日、または後遺障害がある場合は症状固定日から3年です。

この制度が利用できるのは、次のケースとなります。

  • 自動車にひき逃げされ、その自動車の保有者が不明な場合
  • 無保険車との交通事故で死亡、または怪我を負った場合
  • 盗難、無断運転など、保有者に責任がない自動車との交通事故で死亡、または怪我を負った場合

自賠責保険と違う点に留意

この政府保障事業における損害てん補は、自賠責保険と同じ基準の限度額で支払われますが、次の点が違うことに注意する必要があります。

  • 請求できるのは被害者のみで、加害者からは請求できないこと
  • 被害者に支払われた損害賠償金は、政府が後に加害者に請求すること
  • 仮渡金や内払金の請求はできないこと
  • 被害者に過失があれば、過失割合に応じて損害賠償金が差し引かれること
  • 健康保険、労災保険などの社会保険による事故の怪我治療への給付があれば、その金額が差し引かれること

任意保険も利用可能だが…

被害者が任意保険に加入していて、人身傷害補償保険、無保険車傷害保険などに加入していれば、ひき逃げ事故でも保険金が受け取れます。これらの保険金の支払いは、通常政府保障事業よりも短く、便利に利用することが可能です。

しかし、これらの任意保険による補償と政府保障事業の併用はできないので、補償金額や支払いのスピードを考えて、自分にとって便利な方を選択して利用しましょう。

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