自動車 対 二輪車(バイク・自転車)~二輪車特有の交通事故における過失割合~

二輪車事故

バイクはエンジンがついていながらも二輪しかなく安定性に欠け、身体を露出しているため事故が起こった際に運転者の損傷が大きくなる傾向にある。そのため自動車との事故における過失割合においては保護されることになる。軽車両に分類される自転車も同様だ

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二輪車(バイク・自転車)は交通事故でも守られる立場

ただし「過失割合」が0となるケースは少ない

道路交通法上、バイクは排気量が50cc以下の原動機付自転車(原付)、50~400ccの普通自動二輪車(普通二輪)、400cc超の大型自動二輪車(大型二輪)に分類されています。

免許の種類においては、原付が原動機付自転車免許(原付免許)、125cc以下が普通自動二輪車免許(小型限定)、125~400ccが普通自動二輪車免許(普通二輪免許)、400cc超が大型自動二輪車免許(大型二輪免許)となっています。

免許不要の自転車も過失責任に問われる

二輪車という大きな枠組みでは自転車もその範疇に入り、免許は不要で誰でも乗ることができます。しかし免許は不要であっても、道路交通法を守らなければならない義務はあり、交通事故を起こしてしまった際には、過失責任を問われることもあります。

これら二輪車が、自動車と事故を起こしてしまった場合の「過失割合」を見てみましょう。

バイク、自転車の交通事故。保護はされるが過失責任が問われる場合も

自転車を運転するためには免許は必要ありませんが、下記の道路交通法第2条11項にあるように、軽車両と定義されています。

(定義)

十一 軽車両 自転車、荷車その他人若しくは動物の力により、又は他の車両に牽引され、かつ、レールによらないで運転する車(そり及び牛馬を含む。)であつて、身体障害者用の車いす、歩行補助車等及び小児用の車以外のものをいう。

このため、バイクのみならず、自転車も車両として道路交通法を順守しなければならず、交通事故を起こしてしまった場合は、責任を問われます。

自転車についても、危険行為を取り締まる方向に

また、2015年6月1日より、交通の危険を生じさせるおそれのある一定の違反行為(危険行為)を反復して行った自転車の運転者に対する自転車運転者講習の実施が始まるなど、自転車の交通ルール順守は社会的に取り組まれています。

免許がいらなくて減点も罰金もないからどこをどう走っても良い、という時代ではないのです。

自賠責保険がなく、任意保険加入の意識が低い自転車の運転者は、自身が事故を起こした場合には多額の損害賠償請求を受ける可能性があることを知っておくべきでしょう。

自動車とバイクの交通事故では、二輪車が保護される

自転車とバイクに共通する点として、たいていは車輪が2つしかなく安定性に欠け、身体を露出しているため事故が起こった際に運転者の損傷が大きくなる傾向にあります。そのため、自動車との事故における「過失割合」においては二輪車が保護されることになります。

しかしその反面、交通法規を守っていなかったり、過失があったりした場合には、過失責任が問われることがあります。

特に、免許が不要で交通法規を守る意識が薄い自転車の場合、自動車との事故であっても悪質な違反があれば高い割合の過失責任が問われることがありますので、注意が必要となります。

二輪車特有の交通事故と「過失割合」

二輪車と自動車が交通事故を起こした場合、一般的には自動車の方の過失責任が重くなります。

これは優者危険負担の原則という考え方に基づいたもので、事故を起こせば明らかに損害や損傷が多大な小さな方の車両を守るために、より大きな車両に注意義務や責任を持たせるという考え方です。

身体を露出している二輪車は事故に遭った場合に大怪我をしてしまう可能性が高く、「過失割合」の算定では保護はされるのが通例です。

二輪車に大きな過失があれば、自動車よりも重い責任が課せられるケースも

しかし運転免許の必要な二輪車はもちろん、自転車も道路を走れば軽車両となるため、悪質な違反や過失が原因となって交通事故を起こした場合には、「過失割合」が自動車を上回ることもあります。自動車と二輪車が絡んだ、二輪車特有の交通事故における「過失割合」を紹介します。

左折車と直進車の事故

バイクや自転車も、道路を走る場合には自動車と同じくキープレフト、つまり道路の左寄りを走るのが基本です。

ただ自動車と比較してバイクや自転車の車幅はとても狭く、自動車からの視認性が悪く、並行して走行していた時、また対向して走ってきた時に事故が起きるケースが多くあります。

ケース1

二輪車Aが道路の左端を直進し、前方を走っていた自動車Bが左折し二輪車Aの前方をふさぐ形で衝突した場合。

この場合の「過失割合」は、(A)20:80(B)となります。

この「過失割合」が基本となり、さまざまな修正要素によって「過失割合」は増減されます。

例えば、二輪車Aに著しい前方不注意、または15km以上の速度違反があった場合には10%が加算され、30km以上の速度違反があった場合には20%が加算されます。

一方、自動車Bが大回りで左折した時には10%が加算、方向指示の遅れの場合は5%加算、方向指示なしは10%加算、急ハンドルでは10%加算、徐行なしでは10%加算されます。

また、自動車Bが二輪車Aを追い越して左折を行った場合の「過失割合」は(A)10:90(B)となります。

右折車と直進車の事故

ケース2

信号機のない交差点において、二輪車Aが直進し、対向する自動車Bが右折で交差点に進入して衝突した場合。

この場合の「過失割合」は、(A)15:85(B)となります。

この「過失割合」が基本となり、さまざまな修正要素によって「過失割合」は増減されます。

例えば、二輪車Aに15km以上の速度違反があった場合には10%が加算され、30km以上の速度違反があった場合には20%が加算されます。

一方、自動車Bが徐行せずに右折した時には10%加算、方向指示なしは10%加算、右折禁止の場所で右折した場合は10%加算され、また自動車Bが大型車であった場合は5%が加算されます。

逆に、自動車Bが直進し、対向する二輪車Aが右折で交差点に進入した場合の「過失割合」は(A)70:30(B)となります。

自動車左折時の巻き込み事故

交差点で起きる自動車と二輪車の交通事故で、自転車も遭遇する可能性が高いのが、左折自動車による巻き込み事故です。

四輪車はカーブを曲がる時、前輪よりも後輪の方がより内側を通ります。

これは内輪差と呼ばれ、普通自動車の場合は気になるほどのことではないのですが、トラックやバスといった、前輪と後輪の距離が長い大型車両になると内輪差は大きくなり、カーブを曲がる時に後輪が路肩に乗り上げてしまう事もあります。

トラックやバスが左折する時、その左側に二輪車がいた場合、巻き込まれてしまうのが巻き込み事故です。

二輪車Aが直進し、左折自動車Bとの巻き込み事故が発生した時の基本的な「過失割合」は、Bがあらかじめ左側端に寄っていた場合は(A)40:60(B)、寄っていなかった場合は(A)20:80(B)、Bが追い越して左折した場合は(A)10:90(B)となります。

ドア開放によって起きる事故

停車中の自動車Bがドアを開けたところ、走行してきた二輪車Aにぶつかり事故が起きてしまうことがあります。

この場合の「過失割合」は(A)10:90(B)が基本となりますが、衝突の直前にドアが開いたようなケースでは、(A)0:100(B)となることがあります。

「過失割合」は判例を元にした基準

「過失割合」は、あくまでも過去の判例を基準とし、保険会社が決めるもの

交通事故の当事者となってしまった場合、保険会社が提示した「過失割合」が正当かどうか確かめようとすると、自身の事故によく似たケースの判例を当てはめてみて確認することになりますが、実際の事故と場所や状況が完全に一致しているわけではありません。

運転者の技量も違えば、天候や道路状況がまったく同じ事故はあり得ないのです。

交通事故に巻き込まれてしまい、保険会社の示す「過失割合」に納得がいかない場合には、弁護士などの交通事故の専門家に相談し、本当に妥当な割合なのかどうかを確認することをお薦めします。

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