「少額訴訟」は1回で結審~「本人訴訟」の手順

少額訴訟

「少額訴訟」は審理が1回のみとなり短期で決着が着き、「本人訴訟」で行えば弁護士費用の節約となる有効な手段。しかし被告が認めなければ通常裁判となり、保険会社や弁護士が相手になると認めてもらえない場合が多い。通常裁判の準備をしておくことも大切です。

「少額訴訟」は「本人訴訟」に適した案件

被告側に結果が委ねられる点も多く、慎重に判断したい

通常の裁判においては、原告が訴状を提出してから約1カ月後に第1回口頭弁論が行われ、ケースによって違いますが1カ月に1回程度のペースで期日(裁判などの手続きが行われる日)が設定され、半年以上、長ければ年単位の争いとなります

一方、「本人訴訟」に適している「少額訴訟」については、訴状を提出するまでの手続きはほぼ通常訴訟と同じですが、審理はほとんどのケースで1回のみとなります。

原告と被告が証拠と反論を提出し、裁判官が和解を勧めるか、もしくはその場で判決を言い渡します。

複雑なケースの裁判においては、判決を言い渡さずに通常裁判への切り替え、または判決に対して異議を唱えることも可能なのですが、控訴はできないという決まりがあり、一般的には「少額訴訟」の口頭弁論は1回で終了し、判決が確定してしまいます。

「本人訴訟」がよく用いられるケース、「少額訴訟」について詳しく見てみましょう。

「少額訴訟」を起こすためには?

民事訴訟においては、訴額によって裁判の手続きが違います。

まず、訴額(被告に求める支払いの金額)が140万円以下の場合は、訴え出る裁判所は簡易裁判所となり、140万円を超える場合は地方裁判所となります。

交通事故の場合は被告に要求する損害賠償金の額が訴額となりますが、同様に140万円を超えるかどうかで簡易裁判所と地方裁判所に裁判の場所が分かれます。

訴額が60万円以下となる「少額訴訟」

また、訴額が60万円以下の場合、原告は「少額訴訟」を選択することが可能となります。

交通事故において訴額が60万円という金額は小さく、物損事故や被害者がほんの軽傷のケースだった場合に限られます。

自動車が大破したり、被害者の負傷の治療が入院を要するものだったり長期にわたったり、また後遺障害が残るような事故においては、損害賠償金は簡単に60万円を超えます。

それにも関わらず示談や調停で決着が着かないということは、かなり交渉が紛糾していることが予想されますが、やはり「少額訴訟」とはいえ裁判であり、交通事故の損害賠償問題を解決する最後の手段ですから、しっかりと知識を持ち念入りな準備をして、必ず勝てるような体制で臨みたいものです。

少額であるからこそ、「本人訴訟」を選択する

「少額訴訟」は、裁判を迅速に進めるために用いられる方法ですが、これを選ぶのは、費用面での負担を軽減するという目的もあります。

少額の訴訟では、原告も被告も、弁護士を雇うと出費がかさみ、勝訴し損害賠償を受けたとしても赤字になってしまう可能性があるのです。

当事者双方共に弁護士の依頼を行わずに費用のかからない方法で、かつ裁判という最終決着の場で、問題解決を図ろうとするものです。

損害賠償金額が高額になってくると、被告側も弁護士を雇う可能性が高くなり、原告側が「本人訴訟」では分が悪くなってしまいます。

「少額訴訟」だからこそ「本人訴訟」によって争える場でもあることを理解しておきましょう。

「少額訴訟」の手続きは?

示談交渉が決裂し、調停も不調となって裁判に移行するとなった場合、準備段階では通常裁判も「少額訴訟」でも変わりはありません。

弁護士を雇わない「本人訴訟」を選択した場合にはすべての準備を自身で行わなければなりませんが、必要書類の準備や証拠を揃えるまでは同じです。

ただ訴訟を起こすための書類である訴状を提出する時に、「少額訴訟」を選択するだけです。この際、被告も「少額訴訟」の利用に同意することが必要となります。

相手方が拒んだ場合には通常裁判に

しかし裁判の相手方が「少額訴訟」を拒んだ場合には、通常の裁判となってしまいます。特に、被告が任意保険に加入していて、保険会社が損害賠償金を支払うことになる場合は、応じてもらえる可能性が低いと言われています。

「少額訴訟」のテクニックとして、年間に同一裁判所に同一人が10回まで訴えを起こすことが認められていますが、相手が保険会社である場合や弁護士である時には、そういう小手先のやり口で複数の裁判を起こそうとしていることはすぐに見破られてしまい、損害賠償金額を統合した通常裁判への移行を申し出てくることでしょう。

被告から通常裁判での審理を申し出られた場合、原告がこれを拒否することはできません。

「少額訴訟」の裁判はどんなもの?

「少額訴訟」において、訴状が受理され第1回目の期日(裁判などの手続きが行われる日)を迎えた時の口頭弁論の舞台は、裁判と聞いてイメージする、テレビでよく見るような法廷ではありません。

期日では、一般的にラウンドテーブルと呼ばれる楕円形のテーブルに裁判官と原告、そして被告が座って訴状や答弁書が交換されます。

そして裁判官が仕切る話し合いが持たれるという、ほとんど調停と同じような雰囲気で裁判が展開されるのです。

「少額訴訟」のメリットは?

「少額訴訟」を「本人訴訟」で行った場合の一番のメリットは、弁護士費用を節約できることです。

勝訴しても得られる損害賠償金が少なければ、少しでも訴訟の費用を抑えたいところでしょう。しかし裁判は勝たなくては意味がないので、「本人訴訟」は慎重に検討するべきです。

また、以下に説明するように、「少額訴訟」の審理は原則として1回だけとなりますので、短期間で決着を迎えることができます。

そして、少額ではあれ正式な裁判ですから、訴えた相手が答弁書もろくに出さず、口頭弁論にも欠席するようであれば、原告の訴えが認められる可能性が大きく、強制執行が可能となる判決を得られることが多い、という点も挙げられます。

「少額訴訟」のデメリットは?

被告は裁判所から訴状が届いた時に、初めて自分が訴えられた事を知ります。その時に被告が自分の加入している保険会社に相談したり、または弁護士を雇って代理人として立ててきたりした場合は、事態は厳しくなってしまいます。

相手側に弁護士がついた場合だと、口頭弁論においてもレベルの高い反論をしてきますので、判決も原告の有利な内容にならない可能性が出てきてしまうのです。

そして「少額訴訟」では控訴することが認められていませんので、すぐに勝訴に持ち込むことが可能な反面、敗訴した場合はそれが最終決着になってしまうことに注意が必要です。

また、当事者間の争点が全くかみ合わないと裁判官が判断した場合には、裁判官の権限で通常裁判へ移行させることもあります。

通常裁判では、「本人訴訟」で勝つことはさらに難しくなるでしょう。

原則として、「少額訴訟」の審理は1回のみ

小額訴訟は、基本的に1回の審理で結審します。そのため、「本人訴訟」の原告として勝訴を目指すのであれば、出せる証拠は全て出し、呼べる証人は呼んでおき、第1回口頭弁論に臨むべきです。

裁判官は双方の言い分を聞き、証拠を調べ、その場で判決をくだします。

通常の裁判のように、判決に不服があるからと控訴することは認められていません。

また、異議申し立ては可能とされていますが、よほどのことがない限り採用されることはないと言われています。

長期間にわたり紛糾してきた交通事故の損害賠償問題が、たった1回の口頭弁論で決着してしまうのです。

「少額訴訟」における和解とは?

交通事故の損害賠償問題を争う民事訴訟の場合、裁判官は双方の言い分を聞いた後、調停と同じように和解を勧めることが多いようです。

和解とは?

判決をくだす前、裁判官が出した和解案で原告と被告がお互いに納得すれば、和解調書が作成されます。

和解調書に書かれた内容は、裁判の判決文と同じ法的拘束力があります。

そのため被告が和解調書に書かれた和解条件を履行しなかった場合は、すぐに強制執行を行えることになります

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