交通事故の民事訴訟に三審制は当てはまらない~裁判は二審でほぼ決着する理由

判決

交通事故の民事訴訟は、最初に行われる第一審に全力を注ぎこむべきだ。特に「本人訴訟」では第二審でかなりハードルが高くなり、第三審はほぼ認められない。裁判を起こすと決断したら、弁護士など専門家の力を借り、万全の体制で最初の起訴に臨むことが重要です。

交通事故の民事訴訟は、第二審が最終審という心構えで臨むべき

上告はほぼ認められない!

交通事故の民事訴訟において、第一審が行われる簡易裁判所、または地方裁判所の判決に納得ができない場合は、控訴を行い、上級裁判所において裁判のやり直しを求めることが可能です。しかし「本人訴訟」で裁判を戦ってきた原告にとっては、控訴が受理されるために必要な新たな証拠を提出することが難しいかもしれません。

満足のいく結果が得られる可能性を探り、交通事故に強い弁護士の助言を得て、控訴が認められるように手続きを進めたいところです。

控訴理由書の作成は一般人では難しい

控訴状が受理されたら、50日以内に控訴理由書を作成し提出する必要があります。

控訴理由書は第一審の訴状にあたる書類ですが、その主旨は第一審で下された判決の取り消しや変更を求めるものです。そのため控訴理由書には、第一審と同じような内容ではなく、第一審判決のどこが間違っているか、という観点で書く必要があります。

第一審と同じ主張をしても、それはすでに第一審で審理されたとして、控訴は却下されてしまいます。この控訴理由書こそが、控訴審の結果を握っていると言っても過言ではありません。

そして控訴の段階になると、司法界独特のルールもありますので、「本人訴訟」で戦うのは極めて難しく、弁護士のアドバイスを受けて作成して初めて、控訴審が行える可能性が出てくると言って良いでしょう。

控訴理由書に対する答弁書

控訴理由書を作成し裁判所に提出すると、第一審のときと同じく、被告側にも写しが郵送されます。そして被告側は、答弁書を書いて提出することになります。これは控訴理由書に対する反論ですから、控訴理由書を読んで普通に反論を展開するもので、第一審においては原告にとって受け取るだけのものでした。

しかし第一審とは違い、控訴を訴えることは被告側にも可能だということを忘れてはいけません。

原告が答弁書を作成しなければならないケースも

日本の裁判制度においては、刑事訴訟でも民事訴訟でも、第一審の判決が不服であれば、被告側も控訴することができるのです。

原告だった場合でも、第一審の判決に納得がいかないという被告側が控訴すれば、送られてきた控訴理由書に対して答弁書を書かなければなりません。

この答弁書も、控訴審の行方を左右する非常に重要なもの

たびたび触れていますが、民事訴訟においては裁判所に提出する書類こそが判決の行方を握っています。

答弁書を作成するにあたっても、法律的に正しく、司法界のルールに則り、明確に記載することができなければ、満足のいく結果を得ることは難しいでしょう。

控訴審は短期間で決着が着く

裁判所が控訴状を受け取り、その後送付されてくる控訴理由書を確認し、開廷が妥当だと判断すれば控訴審がようやく始まります。

被告側の答弁書が裁判所に提出された後、約3カ月後に始まることが多いようです。

第一審の内容と控訴理由書、答弁書を精査するため、この程度の長い期間が必要だとされています。

そして控訴審の第1回口頭弁論の期日を迎えるわけですが、民事裁判の場合はあくまでも当事者同士の和解を大切にしますので、ここでも最初は和解の勧告がされるケースが多いようです。

控訴棄却となれば、口頭弁論は1回のみ

裁判所による和解の勧告を双方、もしくは一方が拒否し、あくまでも勝訴を目指して争うのであれば、第一審の時のようにお互いに主張を出し合うことになります。

しかし第一審と違う点は、基本的に第一審で下された判決のどこが間違っているのか、なぜ間違っていると主張するのか、という視点で裁判は争われることです。

そうした観点の主張が可能となる新証拠や証言が出てこなければ、控訴審の口頭弁論は1回で終わってしまいます。そしてこの場合に下される判決は控訴棄却、つまり第一審の判決通りだということです。

控訴審の判決が不服なら上告、だが…

控訴審の判決にも不服があり、日本の裁判制度上で許されている最高裁判所への上告をしたいと考えても、そこには現実として、受理される可能性はほとんどゼロという壁があります。

日本の裁判制度は、ひとつの事件に関して3回まで裁判ができる三審制がとられています。

控訴審の判決が不服であれば、制度上は最高裁判所へ上告することが可能なのです。

三審制とは?

日本の裁判所制度では、裁判所は最高裁判所、高等裁判所、地方裁判所、家庭裁判所、簡易裁判所の5種類があり、それぞれの役割が決まっています。

各裁判所の数は、簡易裁判所は全国に438カ所、家庭裁判所は本庁50カ所・支部203カ所・出張所77カ所、地方裁判所は本庁50カ所・支部203カ所、高等裁判所は本庁8カ所・支部6カ所、最高裁判所は1カ所です。

第一審と呼ばれる最初の裁判は、訴訟が行われる事件の内容によって簡易裁判所、地方裁判所、または家庭裁判所で行われます。

交通事故の民事訴訟においては、訴額(求める損害賠償の額)が140万円以下の場合は簡易裁判所、それを超える場合は地方裁判所で第一審が行われます。その第一審で下された判決内容に納得がいかない場合、上級裁判所と呼ばれるひとつ上の裁判所に不服を申し立てることが可能です。

これが控訴と呼ばれるもので、交通事故の民事訴訟で控訴を行う場合の手順は、前述の通りです。

そして第二審(控訴審)判決において、憲法違反などがある場合には、最高裁判所への上告が認められています。

これが最高裁判所で行われる第三審(上告審)で、この事件に関する裁判は終了となります。

この三段階の裁判制度を、三審制と言います

しかし交通事故の民事訴訟において、第二審の判決が不服なので上告をしたいと考え、上告状を提出し手続きを進めてみても、それが受理されて最高裁判所で審理される可能性はほとんどゼロという現実があります。

どうして上告が認められないのか

交通事故の民事訴訟において、最高裁判所への上告がほとんど認められない理由は2つあると考えられます。

まずは、以下に挙げる上告が可能とされる条件です。

  • 原判決(第二審の判決)に憲法解釈の誤りがあること
  • 法律に定められた重大な訴訟手続きの違反事由があること

上告審では、法律の問題に関する審理が行われるため、単に第二審の判決が不服である、認められた損害賠償金額が十分ではない、という理由は原則的に認められないのです。

判決内容が、過去の判例と比べ極端に違っているなどの理由で上告を行う場合は、それが非常識であるという理由ではなく、法律的に見て違反していると主張しなければならないのです。

上告が認められない、もう1つの現実的な理由

前述の通り、日本国内には上告審が行われる最高裁判所は1カ所しかないという現実的な問題もあります。

地方裁判所は各都道府県に1カ所以上あり、高等裁判所は全国に8カ所あります。

それらに比べ、最高裁判所は東京都の1カ所だけにしかなく、そこに日本中から上告の申請が来ても、すべてに対応できるわけはないのです。

上告の内容を憲法違反とし、上告手続きを行うことは不可能ではありませんが、却下される可能性の方が圧倒的に高いでしょう。

従って、交通事故の民事訴訟における裁判は、控訴審が最終決戦だと考えるのが妥当です。

交通事故の民事訴訟で「本人訴訟」を行うにあたっても、可能な限りの努力や専門家の協力を得て、第二審までに満足のいく結果が得られるように努力するべきでしょう。

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