外貌醜状~等級認定の基準は明確だが、慰謝料と逸失利益でトラブルが!~

外貌醜状

「外貌醜状」の後遺障害認定基準は明確

主観が入るため示談交渉にはトラブルがつきもの

「外貌醜状(がいぼうしゅうじょう)」とは、交通事故により裂傷や擦過傷を負い、傷が残ってしまうことを指します。

手術による痕も「外貌醜状」として認められます

しかし後遺障害認定や慰謝料、逸失利益などの請求の対象となるのは、普段人目につくような場所の傷痕に限られます。

機能的な障害でなくとも後遺障害と認定され、傷痕の大きさがきちんと規定されており、賠償金額請求は簡単なもののはずですが、一方でその傷の大きさ測り方、傷痕が逸失利益につながるのかどうかの認定、また「醜状」というのは主観で判断されるといった要因のため、示談交渉で揉めるケースがあります。

正しい知識を身につけ、できれば専門家の助言を得て損害賠償請求を行うことが必要です。

(注)本ページに記載している症状や治療法は、一般的な知識として覚えておいた方が良いというもので、症状によって自分で判断を行うことや、記載した治療をお薦めするものではありません。必ず医師の診断を受け、適切な診断と治療を受けてください。

「外貌醜状」の定義

交通事故による裂傷や擦過傷は、適切な処置をしたとしても、負傷の程度によって傷痕が残ってしまう場合があります。

「外貌醜状」とは、交通事故に起因する傷痕のことで、傷痕そのものが動作や運動に支障を起こさないケースでも、傷痕の場所によっては、傷痕があるというだけで、社会生活に影響がでることが考えられます。また交通事故による負傷で手術が必要になった場合、その手術痕も対象となります。但し、その傷痕が日常生活や社会生活に直接的な支障をきたす場合は、別の後遺障害(運動機能の障害など)になります。

傷痕の場所がどこかで認定可かどうかの判断が行われる

外貌とは基本的には頭や顔、あるいは頸部などの、いわゆる頭部全体を指します。加えて上肢と下肢においては、人目につきやすい露出面に限られますが、一般的には腕の肘から先、そして足の膝から下の傷痕が対象となります。

しかし人によっては上肢の場合は肩から先、下肢については股関節以下を露出して仕事をしていたというケースも考えられますので、この場合も後遺障害認定の対象となります。

普段の生活で衣服によって隠れず、あるいは仕事を行う状態で人目につく部分に傷痕が残った場合「外貌醜状」として後遺障害が認められるのです。

傷痕の大きさも判断要素となる

「外貌醜状」は傷痕のある場所と大きさによって認定が行われ、後遺障害等級表では次のように規定されています。

「外貌」についての規定
第7級12号 外貌に著しい醜状を残すもの(注1)
第9級16号 外貌に相当程度の醜状を残すもの(注1))
第12号14号 外貌に醜状を残すもの(注2))
「上肢・下肢」についての規定
第14級4号 上肢の露出面に手のひらの大きさの酷いあとを残すもの(注3))
第14級5号 下肢の露出面に手のひらの大きさの酷いあとを残すもの(注3))

加えて、通称「青本」にはそれぞれの注釈として次のように付記されています。

(注1)外貌に著しい醜状を残すもの

「著しい醜状は、a頭部の、てのひら大(指の部分は含まない)以上の瘢痕又は頭蓋骨の手のひら大以上の欠損、b顔面部の、鶏卵大面以上の瘢痕又は10円銅貨大以上の組織陥凹、c頸部の、手のひら大以上の瘢痕、が該当する。なお、平成23年5月の改正で男女間の等級評価の相違がなくなるとともに、従前の基準にあった5cm以上の線状痕については評価が下げられ9級16号『外貌に相当程度の醜状を残すもの』とされた。」

(注2)外貌に醜状を残すもの

「以下のもので、人目につく程度以上のもの。瘢痕、線状痕及び組織陥凹であって眉毛、頭髪等にかくれる部分については該当しないとされる。a頭部の、鶏卵大面以上の瘢痕又は頭蓋骨の鶏卵大面以上の欠損、b顔面部の、10円銅貨大以上の瘢痕又は長さ3cm以上の線上痕、c頸部の、鶏卵大面以上の瘢痕。」

(注3)上肢の露出面に手のひらの大きさの酷いあとを残すもの

「露出面とは、上肢の場合は、上腕から指先まで、下肢の場合は、太腿から足の背までと指すとされる。労災の認定基準より範囲が広くなっていることに注意。露出面に手のひら大以上の瘢痕が残った場合がこれにあたる。」

交通事故損害額算定基準―実務運用と解説-平成28年2月25訂版より抜粋

以上のように「外貌醜状」の後遺障害については明確に規定されていますが、大きさについてはそもそも人の大きさが違えば基準が変わるため、後に述べるように一筋縄ではいかないのが現状です。

男女の等級の差は撤廃された

かつて「外貌醜状」に関する後遺障害の認定には「女子の外貌に著しい醜状を残すもの(旧第7級12号)」など男女の区別がありましたが、現在は統一されています。以前は同じ場所に同じ大きさの傷痕が残ったとしても、それによって被るダメージは、男性より女性の方が大きいと考えられていたからです。

しかし、2010年に京都地裁で行われた裁判によって「外貌醜状」における男女格差は違憲だという判決が出されました。この事から翌年2011年の後遺障害等級改正において男性の外貌醜状に関する項目はすべて削除され、同時に女性の外貌醜状に関する条文から女性の文字も削除され、男女の区別は撤廃されたのです。

「外貌醜状」の後遺障害認定は難しい?

「外貌醜状」の後遺障害認定の手続きは、基本的には他の症状と同じですが、書類や資料だけではなく実際に傷痕の大きさを測るなどの手続きがあります。

症状固定の時期になると後遺障害認定の手続きを行いますが、「外貌醜状」についても交通事故との因果関係をはっきりとさせておく必要がありますので、交通事故直後の急性期(裂傷や擦過傷の治療時期)において医師に診断書を作成しておく必要があります。

「外貌醜状」特有の面接

「外貌醜状」で後遺障害認定の手続きには、損害保険料率算出機構の自賠責調査事務所での審査が含まれます。

上記の受傷時の診断書、後遺障害診断書、画像などの資料を元に、面接で傷痕の大きさや長さを測定し、形状や色の確認が行われます。この際、傷痕の長さがどこからどこまで測ったものか、あるいは「人目につく程度」という判断には、審査を行う人の主観が入ります。

後遺障害診断書はもちろん、面接の担当者が1mmでも傷痕が短いと判断すれば、後遺障害の認定が行われないです。このような不利益を避けるために、「外貌醜状」の後遺障害認定の手続きは、弁護士などの専門家に相談し、面接にも同行してもらうことが得策です。

「外貌醜状」の示談交渉におけるトラブル

「外貌醜状」は、加害者側とトラブルになる要素があります。それは、傷痕がどの程度仕事に影響するかという点です。

「外貌醜状」の後遺障害認定は、傷痕の場所や形、あるいは大きさなど、上記のように相当程度細かい点まで定められています。

労働能力の低下につながるのかどうかが疑われる

ただ加害者側、多くの場合は保険会社の担当員と揉めるのは、その傷痕が労働能力の低下につながるのかどうかという点です。後遺障害が運動能力そのものに影響を与えるのであれば、仕事にも当然影響します。

基本的に後遺障害に関する逸失利益は、労働能力の低下によって計算されるため、「外貌醜状」は運動能力が失われていないケースが多く、損害賠償請求は行えないという主張をしてくることがあるのです。

モデルや接客業など、「外貌」が直接仕事に影響する職業を除き、運動能力に支障のない「傷痕」を理由とした逸失利益の請求には応じられないと言ってくるのです。また「外貌醜状」は、その傷痕を見たときに醜く感じるかどうかが判断基準にもなり、他の後遺障害と比べて客観的な判断が難しいもので、判例を見てもバラつきがあるのが現状です。

「外貌醜状」の後遺障害認定や、慰謝料、逸失利益の示談交渉については、交通事故に詳しい弁護士の力を借りた方が良いでしょう。

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